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「11月から電気代が上がるので、今月中に」と言われた方へ|値上げの数字で確かめる、急ぐ理由と急がなくていい理由【東北・2026年版】

電気代値上げで「今月中に契約」は急ぐべき?

「11月から電気代が上がるので、今月中に」と、太陽光や蓄電池の契約を勧められた方へ。

値上げそのものは本当です。東北電力は2026年9月28日に、11月1日の使用分から電気料金を見直すと発表しました。国の電気・ガス料金支援も、9月の使用分で終わっています。

ただ、「値上げがある」と「今月中に契約すべき」は、別の話です。

この記事では、値上げの数字を公式の単価で分解し、1か月急ぐと何が得で、何が得ではないのかを計算します。そのうえで、本当に急ぐ意味がある期日と、その場で聞いてほしい質問をまとめます。

先に結論
値上げは本当ですが、電力量料金で1kWhあたり1円39銭、支援終了を合わせても30A・260kWhの家で月1,486円の桁です。
今月中に契約しても、11月1日までに発電・充電が始まるわけではありません。
1か月待って失うのは「1か月分の削減額」だけで、値上げ後の単価は導入が11月でも12月でも同じように効きます。
急ぐ意味があるのは、FITの申込期日・補助金の予約期日・県の補助金の基準日のような「日付のある理由」だけです。

「今月中に」と言われたときの判断図。左は日付のある理由(FIT認定の申込期日10月16日、給湯省エネの予約11月16日、宮城県三次募集の基準日11月30日)で、急ぐ意味がある。右は日付のない理由(値上げ、今月だけの値引き)で、見積もりを比べてから決めてよい

▲図解:「今月中」の理由に日付があるかどうかで、急ぐかどうかを分ける

11月の値上げは本当です。中身はこうなっています

まず、言われていることが事実かどうかです。東北電力の発表(2026年9月28日)は、次のとおりです。

一般的なご家庭における平均的なモデル(従量電灯B、契約電流30A、月間使用電力量260kWh)の電気料金は、見直し前と比べて485円増加(+5.9%)し、8,689円となります。
(東北電力「託送料金の変更に伴う電気料金の見直し等について」)

従量電灯Bの単価は、こう変わります(税込)。

区分 10月31日まで 11月1日から
基本料金 30A 1,108円80銭 1,232円13銭
電力量料金 最初の120kWhまで 29円62銭 31円01銭
電力量料金 120kWhをこえ300kWhまで 36円37銭 37円76銭
電力量料金 300kWhをこえる分 40円32銭 41円71銭

出典:東北電力「電気料金単価一覧表(2026年11月1日実施)」。

もう1つ重なるのが、国の支援の終了です。資源エネルギー庁の支援サイトに載っている値引きは2026年7月〜9月の使用分で、東北電力も「国の電気・ガス料金支援の適用は2026年10月分までとなります」と注記しています。10月4日の時点で、この冬の新しい支援は公式には発表されていません。

この2つを合わせた当社の計算は、11月1日の料金見直しの記事で詳しく出しました。要点だけ書きます。

  • 30A・260kWhの家で、8,204円が9,690円になる(差は1,486円)
  • そのうち値上げの分が485円、燃料費等調整単価(11月分は▲6円29銭)が変わる分が1,001円

ここまでのまとめ
「電気代が上がる」は本当です。
上がり方は、260kWhの家で月1,486円の桁です。
契約を急がせる理由として、この数字が十分かどうかを、次の章から確かめます。

屋根に太陽光パネルを載せ、カーポートのある戸建て住宅の外観

▲ 当社施工事例:太陽光パネルを載せた戸建て住宅


今月中に契約しても、11月1日には間に合いません

1つめの確認です。10月に契約したからといって、11月1日から電気代が下がるわけではありません。

太陽光の場合、契約のあとに電力会社への申込み、工事、連系(電線とつなぐ手続き)があります。東北電力ネットワークの案内では、申込みの受付日は「必要書類を当社が不備なく受付した日」です。連系を始める前にも、「連系開始予定日の1週間前まで」に出す書類があります。手続きの流れは電力会社への費用と申込期日の記事にまとめました。

蓄電池だけでも、工事の日程と電気工事が要ります。契約した日と、電気代が下がりはじめる日は、別の日です。

さらに、検針の区切りの問題もあります。東北電力のFAQでは、電気料金の1か月分は「前月の検針日から当月の検針日の前日まで」です。新しい単価がまるごと効くのは12月分の明細からです。

つまり、「11月の値上げの前に」という言い方は、実際の工事の日程で考えると、ほとんど意味を持ちません。


1か月待って失うのは「1か月分の削減額」だけです

2つめの確認です。契約を1か月遅らせると、何を失うのでしょうか。

答えは、導入が1か月遅れたぶんの、電気代の削減額だけです。値上げ後の単価は、11月に導入した家にも、12月に導入した家にも、同じように効きます。「今月を逃すと、値上げの分だけ損が確定する」というしくみはありません。

太陽光の場合:買わずに済んだ電気 × 単価

太陽光の効果は、「買わずに済んだ電気の量 × 1kWhの値段」で決まります。11月以降の目安は、電力量料金・燃料費等調整単価・再エネ賦課金(4円18銭)を足して次のとおりです(当社の計算)。

使用量の段階 10月分(支援あり) 11月からの単価+11月分の調整単価
120kWhをこえ300kWhまで 30円41銭 35円65銭
300kWhをこえる分 34円36銭 39円60銭

たとえば、仮に1か月に買う電気が100kWh減ったとすると、300kWhをこえる段階で3,960円です。これが「1か月待つと失う額」の考え方です。100kWhは計算のための仮の数字で、実際にどれだけ減るかは屋根・容量・使い方で変わります。

東北の冬は、日が短く雪もあるので、太陽光の発電が落ちる季節です。冬の入口の1か月は、削減額がもともと小さくなりやすい月でもあります。

蓄電池だけの場合:昼と夜の単価の差

太陽光のない家で、蓄電池を「夜に充電して昼に使う」場合の効果は、時間帯別プランの昼と夜の差で決まります。

東北電力「よりそう+スマートタイム」の差は、11月1日の前が7円00銭、後が7円17銭です。値上げで変わるのは、1kWhあたり17銭です。

この組み合わせでは、値上げは損得をほとんど動かしません。「値上げだから蓄電池を急ぐ」という説明は、少なくとも蓄電池だけのご家庭には当てはまりにくい、ということになります。

比べてほしいのは、見積もりの差のほうです

1か月の削減額は、数千円の桁です。一方で、見積もりを比べずに決めたときの差は、桁が違います。

国の調達価格等算定委員会の資料では、2025年設置の住宅用太陽光の平均は28.9万円/kW、安いほうから3割に入る水準は25.6万円/kWです。同じ5.5kWなら、平均と上位3割の差だけで約18万円になります(3.3万円/kW × 5.5kW)。

1か月を急いで得られる数千円より、見積もりを1社ぶん比べる数日のほうが、金額への影響は大きいことが多いのです。相場の読み方は見積書が高いか安いかを確かめる記事をご覧ください。

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本当に急ぐ意味がある「今月中」は、日付がある理由です

ここまでは「急がなくていい理由」でした。逆に、急ぐ意味がある理由もあります。共通しているのは、公式に日付が決まっていることです。

1. 太陽光をFITで売電したい:10月16日

東北電力ネットワークは、2026年度中のFIT認定取得にともなう低圧系統連系の申込期日を、10kW未満の太陽光で2026年10月16日(金)としています。国へのFIT認定申請の期限は2027年1月5日です。

公式資料のQ&Aには「認定を取得した年度の購入価格が適用されます」とあります。どの年度の買取価格で見積もっているのかを、まず確かめてください。

2. エコキュートで給湯省エネ2026を使いたい:予約は遅くとも11月16日

給湯省エネ2026事業は、交付申請が「遅くとも2026年12月31日まで」、交付申請の予約が「遅くとも2026年11月16日まで」です。どちらも予算上限に達ししだい終わります。くわしくは9月30日で終わった制度と11月16日の予約締切の記事にまとめました。

3. 宮城県の補助金(三次募集)を使いたい:基準日は11月30日まで

宮城県スマートエネルギー住宅普及促進事業の三次募集は、受付が11月24日〜12月4日、対象の基準日が10月1日〜11月30日です。基準日は、太陽光が電力の受給開始日、蓄電池とV2Hが引渡日です。契約日ではありません。仕組みは宮城県の二次募集と基準日の記事で説明しています。

東北ならではの「急ぐ理由」もう1つ
12月に入ると、屋根の上の工事が雪で止まる日が出てきます。
「この冬のうちに使いはじめたい」なら、工事の日程は早めに押さえる意味があります。
ただしそれは「工事の予約」の話で、その場で契約を決める理由にはなりません。

この3つに当てはまるなら、「今月中」には意味があります。当てはまらないのに急がされているなら、その急ぎは営業側の都合と考えてよいと思います。

金属屋根に太陽光パネルを取り付けている工事中の様子。屋根の上から見下ろし、はしごが見える

▲ 当社施工事例:金属屋根への太陽光パネルの取り付け工事


急かされたときに、その場で聞く3つの質問

国民生活センターは、家庭用蓄電池の勧誘トラブルについて注意を呼びかけています(2021年6月3日の報道発表)。相談は2020年度に1,314件。事例には「この値段は今日限り」と急かされた、電力会社の関連会社を名乗られた、「電気料金が安くなる」と断定的に説明された、といったものが並びます。

「11月から上がるので今月中に」と言われたら、次の3つを聞いてみてください。

1. 「今月中」の理由は、どの期日ですか FITの申込期日、補助金の予約・基準日、工事の空き。日付と制度の名前が出てくれば、自分で公式サイトを確かめられます。出てこなければ、急ぐ理由は無いということです。

2. 来月に契約すると、見積もりの金額はいくら変わりますか 「今月だけの値引き」なら、値引き前の金額と値引きの根拠を書面でもらいます。値引き前の金額が相場より高ければ、値引きの意味は小さくなります。

3. 1か月あたり、電気代はいくら減る計算ですか 「何kWh減って、何円の単価で、月いくら」と分解してもらいます。この記事の単価の表と照らし合わせれば、計算が大きすぎないかが分かります。

知っておくと落ち着けること
訪問販売では、事実と違うことを告げる勧誘(不実告知)や、断ったあとの再勧誘が特定商取引法で禁止されています。
契約しても、法律で決められた書面を受け取った日から8日以内ならクーリング・オフができます。
迷ったときは、消費者ホットライン188に相談できます。

クーリング・オフの日数の数え方や、工事が始まっていた場合の扱いは、訪問販売で契約してしまったときの記事にまとめています。


見積書は「総額」ではなく「万円/kW」と「期限」で見ます

「今月中」と言われたときに、いちばん役に立つのは手元の見積書です。見るのは総額ではなく、次の2つです。

  • 万円/kW(蓄電池なら万円/kWh):容量で割って、相場と比べられる形にする
  • 期限の書き方:有効期限が極端に短くないか、値引きが期限とセットになっていないか

この2つを相談の前に確かめるために、当社が運営する「ソラカルテ」の見積書AI診断を使えます。

ソラカルテの見積書AI診断でできること

見積書のPDFや写真(JPEG・PNG・WebP、4MBまで)を送ると、その場で次の3つが表示されます。会員登録も電話番号の入力も要りません。

  1. 設備と容量の読み取り:メーカー・型番・太陽光のkW・蓄電池のkWh・工事の明細を整理します
  2. 相場単価での再計算:AIの感想ではなく、サイト内のkW・kWhの相場の数値で比べます
  3. 契約前の確認点:大幅な値引き、短い期限、ローンの総額、抜けている内訳を拾います

この記事のテーマで言えば、3つめの「短い期限」「大幅な値引き」が、そのまま「今月中に」の確かめ方になります。

使うときの注意

  • 手書きの部分は、AIが読み違えることがあります。読み取りの精度が低いときは、価格の判定を保留して数値の比較を出さない作りにしています
  • 氏名・住所・電話番号は、黒塗りしてから送ることをおすすめします
  • 診断は価格を確かめる目安です。契約や解約を決めるものではありません

見積書AI診断を作った理由や、診断で分からないことはソラカルテのAI診断で分かること・分からないことに書きました。ローンを組む前提の見積もりなら、太陽光のローン金利の記事もあわせてどうぞ。


よくある質問(FAQ)

Q1. 値上げが続くなら、早くつけたほうが得なのではありませんか。

A. 早くつければ、そのぶん早く削減が始まるのは確かです。ただ、得になるのは「早めた期間の削減額」だけで、1か月なら数千円の桁です。値上げ後の単価は、導入が多少遅れても同じように効きます。見積もりを比べる時間を削ってまで急ぐ理由にはなりにくい、というのが当社の考えです。

Q2. 「この冬に国の支援がまた出るから、それまでに」と言われました。

A. 2026年10月4日の時点で、この冬の電気・ガス料金支援は公式に発表されていません。仮に支援が出ても、それは電気料金の値引きで、太陽光や蓄電池の契約の期限とは関係がありません。制度の名前と期日を聞き、公式サイトで確かめてください。Q3. もう契約してしまいました。急がなくてよかったと気づいたら、どうすればいいですか。

A. 訪問販売での契約なら、法律で決められた書面を受け取った日から8日以内はクーリング・オフができます。通知は書面か電磁的記録で出します。日数の数え方や、書面に不備があった場合の扱いは訪問販売で契約してしまったときの記事をご覧ください。迷ったら消費者ホットライン188へ相談してください。


まとめ

  • 東北電力は2026年11月1日の使用分から料金を見直す。電力量料金は1kWhあたり1円39銭、30A・260kWhの家で月485円の増加
  • 国の支援は9月の使用分(10月分の料金)で終了。合わせると260kWhの家で8,204円→9,690円(当社の計算)
  • 今月中に契約しても、11月1日から電気代が下がるわけではない。申込み・工事・連系がある
  • 1か月待って失うのは1か月分の削減額だけ。値上げ後の単価は導入が遅れても同じように効く
  • 蓄電池だけの家では、スマートタイムの昼夜の差が7円00銭→7円17銭で、値上げの影響は小さい
  • 急ぐ意味があるのはFITの申込期日(10月16日)、給湯省エネの予約(遅くとも11月16日)、宮城県三次の基準日(11月30日まで)のような日付のある理由
  • 急かされたら、期日の名前・来月の金額・月の削減額の内訳の3つを聞く。見積書は万円/kWと期限で見る

値上げのニュースは、判断の材料にはなっても、期限にはなりません。数字を確かめてから決めても、遅すぎることはまずありません。

※本記事は2026年10月4日時点で東北電力・東北電力ネットワーク・資源エネルギー庁・経済産業省・宮城県・国民生活センター・消費者庁が公開している情報にもとづいています。燃料費等調整単価は毎月変わり、2026年12月分以降は未公表です。料金の試算は公表単価をもとにした当社の計算で、実際のご請求額はご契約内容・使用量・検針日によって変わります。補助金は予算に達しだい終了することがあります。

“今日だけ値引き”を、その場で決めない。(ソラカルテ)

当社が運営する「ソラカルテ」では、太陽光・蓄電池の見積書をその場で無料AI診断できます。電話番号の登録は不要です。

出典(2026年10月4日確認・すべて公式サイト)

監修・執筆:株式会社ファナス 代表取締役 不藤政次|宮城県・福島県・山形県・岩手県・秋田県・青森県・新潟県の各市町村で太陽光発電・蓄電池・V2H・エコキュートを施工販売。無料相談はこちら

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