施工会社が「見積書のセカンドオピニオン」を作った理由|ソラカルテのAI診断で分かること・分からないこと【東北・2026年版】

「相見積もりを取ったほうがいいのは分かるんです。でも、また営業の人が来るのが嫌で」
現場でよくいただく言葉です。そして、これが太陽光・蓄電池という買い物のいちばん厄介なところだと思っています。
比べたほうがいいのは誰でも分かる。でも比べるためのコストが高すぎるのです。1社呼べば連絡先を渡すことになり、断りづらくなり、電話が増える。そうやって「まあ、この1社でいいか」となってしまう。
私たちは施工会社です。太陽光と蓄電池を売っている側の人間です。その私たちが、他社の見積書を診るためのサイトを自分たちで作りました。それが「ソラカルテ」です。
この記事では、なぜ作ったのか、何ができるのか、そして——ここがいちばん大事だと思っているのですが——何が分からないのか・何をやらないのかを、包み隠さず書きます。

▲ 代表取締役 不藤 政次
なぜ施工会社が、他社の見積書を診るサイトを作ったのか
現場で「それは高いですね」と言っても、営業トークにしか聞こえない
お客様が他社の見積書を持ってこられて、内容を見て「これは相場よりかなり高いです」とお伝えすることがあります。
ですが、それを言っているのが同じ商品を売っている当社なわけです。お客様の立場からすれば、「自分のところで契約させたいから、そう言っているのでは」と思うのが自然だと思います。実際、そう受け取られたことも一度や二度ではありません。
言っている中身が正しくても、言っている人が利害関係者だと届かない。 これはどうしようもないことです。
だったら、判断の材料そのものを外に出そう
そこで考え方を変えました。私たちが「高い・安い」を口で言うのではなく、判断のものさしを誰でも使える形にして外に置いてしまう。そうすれば、お客様は当社に相談する前に、自分で確かめられます。
- 連絡先を渡さなくても使える
- 当社に相談しなくても完結する
- どういう基準で判定しているかも公開する
そこまでやらないと、施工会社が作ったツールは信用されないと思いました。それがソラカルテです。
第三者の比較サイトのふりはしません
念のためはっきり書いておきます。ソラカルテの運営は株式会社ファナスです。 サイトの運営者情報にも会社名・代表者名を出しています。
世の中には、比較サイトの体裁をとりながら実は特定の業者が運営している、という例があります。それは消費者庁が問題にしている「ステルスマーケティング」そのものです。私たちは施工会社が作ったツールだと最初に明かしたうえで使ってもらうという立て付けにしました。
当社の姿勢については私たちファナスが、売るより先に「施工ミスの話」をする理由にも書いています。
ソラカルテでできること(3つ)
現在(2026年8月時点)動いているのは次の3つです。
1. 概算シミュレーター
トップページで、県・屋根の広さ・屋根の向き・毎月の電気代の4項目を選ぶだけで、想定される発電量・費用相場・補助金・回収年数の目安が出ます。入力は4つだけなので、3分ほどで終わります。
対応エリアは宮城・福島・山形・岩手・秋田・青森・新潟です。県別の日射条件を使っているので、「全国平均で計算した数字」よりは東北の実態に寄せてあります。
2. 補助金検索
補助金のページでは、国の制度と東北6県+各市町村の制度を検索できます。県別ページ(例:/hojokin/miyagi)から、お住まいの自治体の制度に絞り込めます。
自治体の補助金は本当に細かく違います。太陽光だけ・蓄電池とセットのみ・FIT売電をしないことが条件、といった要件が自治体ごとにばらばらで、これを個人で調べ切るのは骨が折れます。当社が東北4県162市町村を1件ずつ公式サイトで確認した記事を書いているのも同じ理由です。
3. 見積書AI診断(試験公開中)
この記事の本題です。手元の見積書をアップロードすると、その場で内容を読み取って相場と比べてくれる機能です。

▲ 当社施工事例:山あいの住宅への太陽光設置
見積書AI診断の使い方
手順は3つだけです
- 診断ページを開く
- 見積書のファイルを置く — PDF・JPEG・PNG・WebP に対応、4MBまで。スマホで撮った写真でもかまいません
- 結果を見る — その場で表示されます
無料です。会員登録も、電話番号の入力もありません。 これは「登録すると後で営業がかかる」を避けるための設計で、当社から電話をかけることもありません。
個人情報は黒塗りをおすすめします
診断ページにも書いていますが、氏名・住所などの個人情報は黒塗りしてからアップロードしてください。診断に必要なのは設備の容量と金額の内訳であって、お名前や住所ではありません。
なお、読み取ったデータは相場データの品質向上と適正価格の分析のために保管します。この扱いはプライバシーポリシーに記載しています。「保管しません」と嘘を書くより、何に使うかを書くほうが誠実だと考えています。
診断結果で出るのは、この3つです
① 設備情報の整理
メーカー・型番・太陽光のkW・蓄電池のkWh・工事明細を、見積書から拾って一覧にします。
地味に見えますが、これがまず効きます。「一式 ◯◯円」としか書かれていない見積書は、ここで整理できないからです。整理できない=比較できない、という事実が最初に分かります。
② 相場との比較(判定の境目を公開します)
読み取った容量から「同じ容量なら相場でいくらか」を計算し、見積金額と比べます。判定は5段階で、境目の数字はこうなっています。
| 判定 | 条件(相場平均に対する倍率) |
|---|---|
| 相場より安い | 0.7倍以下 |
| 相場の範囲内 | 0.7倍超〜1.2倍未満 |
| 相場より高め | 1.2倍以上(=平均を20%以上上回る) |
| 要確認 | 1.5倍以上(=平均を50%以上上回る) |
| 内訳の確認が必要 | 容量や価格の内訳が読み取れなかった場合 |
なぜ境目まで公開するのか。当社が運営している以上、「判定が当社に都合よく作られているのでは」という疑いは当然あるからです。倍率を出しておけば、その疑いはご自分で検証できます。
「相場より安い」も判定に入れているのは、安ければ良いわけではないからです。極端に安い見積りは、工事内容・保証・補助金の条件のどこかが薄いことがあります。
③ 契約前の確認項目
金額とは別に、見積書の書き方そのものに引っかかる点があれば指摘します。実際に組み込んでいるのは、たとえばこういう判定です。
- 変動金利が年4.0%以上なら「高め」と表示する — 0円ソーラーやローン提案でよく見る水準です(0円ソーラー・PPA・リースの記事)
- 値引き額が総額の25%以上なら注意を出す — 値引き率ではなく、値引き後の最終総額を相場と比べてくださいという趣旨です
- kW・kWhの容量が書かれていなければ指摘する — 型番だけでは単価比較ができません
- 太陽光・蓄電池以外の設備が混ざっていれば、総額の直接比較はしない — 分けた内訳を販売店に確認してください、と表示します
- 保証・足場・申請費・電力会社への手続きが含まれるか — 価格が相場内でも、ここが抜けていれば後から増えます
この最後の項目は、太陽光の見積書に載っていない「電力会社への費用」で詳しく書いた工事費負担金の話とつながっています。
相場の土台にしているのは、国が公表しているデータです
「相場」と言うからには、根拠がないと意味がありません。
ソラカルテの相場定数は、経済産業省の調達価格等算定委員会が公表している住宅用太陽光の費用データをもとにしています。同委員会は毎年、実際に設置された案件のシステム費用を集計して公表しており、2026年2月5日の意見では、2026年度の想定値が25.5万円/kW、2025年に新築で設置された案件の平均が28.9万円/kW(中央値29.4万円/kW)、上位30%の水準が25.6万円/kWとされています。
この数字の読み方はその見積書、高いのか安いのか|国が毎年公表している「相場の3つの数字」に詳しく書きました。AI診断を使わなくても、この記事の割り算だけで自分で確かめられます。 そこは隠すところではないと思っています。
ここからが本題:AI診断で「分からないこと」
宣伝記事なら書かない部分ですが、ここを書かないと使い方を誤ります。
1. 契約や解約を決めるものではありません
診断ページにも明記していますが、AI診断は価格確認の目安であって、契約すべきか・解約すべきかを決めるものではありません。「要確認」と出たから解約する、という使い方は想定していません。あくまで「販売店に何を聞けばいいか」を見つけるための道具です。
2. 屋根の上と分電盤の中は、書面では分かりません
これが最大の限界です。
- 屋根の下地がパネルの荷重に耐えるか
- 雪がどこに落ちるか、隣家や車に当たらないか
- 分電盤の容量を上げる必要があるか
- 引込線や電力会社側の工事が必要か
これらは全部、現地を見ないと分かりません。 書面が相場内でも、現地条件が合っていなければ良い工事にはなりません。書面でできる確認を先に済ませて、現地調査に進む——その順番のための道具だとお考えください。
雪の落ち方については雪国のパネル選び、屋根の割り付けは「うちの屋根は狭いから無理」と言われた方へにまとめています。
3. 内訳のない見積書は、判定できません
「一式 ◯◯円」だけの見積書は、「内訳の確認が必要」で止まります。判定が出ないのは診断の失敗ではなく、その見積書が比較できる形になっていないという結果です。
そう出たら、販売店に内訳を求めてください。出せない理由は、多くの場合ありません。
4. まだ「試験公開中」です
見積書AI診断は試験公開中の機能です。読み取りの精度は見積書の書式に左右されますし、うまく読めないこともあります。
サイトには他にも構想している機能がありますが、動いていない機能を「使えます」とは書きません。この記事に書いたのは、2026年8月13日時点で実際に動いているものだけです。
5. 当社が運営しているという偏りは、消せません
正直に書きます。当社が作った以上、どこかに当社の物差しが入っています。 相場の置き方も、何を「注意」とするかも、私たちの判断です。
だからこそ、判定の倍率も、相場の出どころも、この記事で全部出しました。おかしいと思われたら、国の公表データに当たって検証してください。それができる状態にしておくことが、施工会社が作ったツールの最低条件だと考えています。
「今日中に決めてください」と言われている方へ
診断を待つ余裕もなく、目の前で契約を迫られている——という状況もあります。
訪問販売で契約した場合、法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内であれば、書面または電磁的記録によってクーリング・オフ(申込みの撤回・契約の解除)ができます(特定商取引法/消費者庁「特定商取引法ガイド」)。
大事なのは、その場で判断しないことです。設備の内容が同じなら、明日でも同じ工事ができます。急がせる理由が設備側にないなら、それは売る側の都合です。訪問販売・点検商法への向き合い方は太陽光の火災リスクと「点検商法」に注意、業者選びは一番安い見積りで選ぶと損をする?にまとめています。
こんなときに使ってください
- 見積書が1社しかなくて、比べる相手がいない
- 契約前で、今の担当者に「相見積もりを取る」と言い出しにくい
- 他社に見せる前に、自分で内容を把握しておきたい
- 災害後の復旧工事やパワコン交換の見積りが妥当か分からない
- 連絡先を渡さずに、相場感だけ確かめたい
最後のものが、いちばん多い使われ方だと思っています。
よくあるご質問
Q1. 診断したら、ファナスから営業の電話がかかってきますか?
A. かかってきません。そもそも電話番号を入力する欄がありません。 入力しない以上、こちらから連絡する手段がないという設計です。ご相談されたい場合だけ、お問い合わせフォームからご連絡ください。
Q2. 他社で契約するつもりなのに使ってもいいですか?
A. もちろんです。当社で契約していただくために作ったツールではありません——と書くと綺麗事に聞こえますが、実利の面でも理由があります。診断されたデータは相場の精度を上げる材料になりますし、地域全体の見積りの質が上がれば、結果的に当社のような施工会社もまともに評価されやすくなります。他社様でご契約されるお客様に使っていただくことに、私たちは何の不都合もありません。
Q3. 「相場の範囲内」と出たら、契約して大丈夫ということですか?
A. そうとは言えません。判定しているのは金額が相場から大きく外れていないかだけです。工事の内容、保証の年数と条件、雪対策、そして現地の条件が適切かどうかは別の話です。診断結果にも「内訳と保証条件も確認して判断してください」と表示されます。「大丈夫」を出すツールではなく、「確認すべき点」を出すツールだとお考えください。
まとめ
- 「比べたほうがいい」のに「比べるコストが高い」——この矛盾を解くために、施工会社である当社がソラカルテを運営している。第三者の比較サイトを装わない
- できることは3つ。概算シミュレーター(4項目・3分)/補助金検索(国+東北6県+市町村)/見積書AI診断(試験公開中)
- AI診断はPDF・JPEG・PNG・WebP/4MBまで、無料、会員登録・電話番号の入力なし。個人情報は黒塗り推奨
- 結果は①設備情報の整理 ②相場との比較(安い=0.7倍以下/範囲内/高め=1.2倍以上/要確認=1.5倍以上/内訳の確認が必要)③契約前の確認項目
- 相場の土台は経産省・調達価格等算定委員会の公表データ。AI診断を使わなくても自分で割り算して確かめられる
- 分からないのは屋根の下地・雪の落ち方・分電盤・電力会社側の工事。書面で済むことを先に済ませ、現地調査へ進むための道具
- 契約や解約を決めるものではない。訪問販売なら書面受領日から8日以内はクーリング・オフが使える
見積書は、業者を疑うために読むものではありません。これから20年つき合う設備の設計図です。その設計図を、営業を受けずに一度確かめられる場所があってもいいのではないか——それがソラカルテを作った理由のすべてです。
※本記事は2026年8月13日時点の情報です。ソラカルテの機能・仕様は改善のため変更されることがあります。
出典
- ソラカルテ(株式会社ファナス運営)https://sorakarte.jp//見積書AI診断 https://sorakarte.jp/shindan/補助金検索 https://sorakarte.jp/hojokin/運営会社 https://sorakarte.jp/company/プライバシーポリシー https://sorakarte.jp/privacy
- 調達価格等算定委員会「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」(令和8年2月5日)https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/20260205_1.pdf
- 消費者庁「特定商取引法ガイド/訪問販売」(クーリング・オフの期間と方法)https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/doortodoorsales/
当社が運営する「ソラカルテ」では、太陽光・蓄電池の見積書をその場で無料AI診断できます。電話番号の登録は不要です。
監修:株式会社ファナス|宮城県・福島県・山形県・岩手県・秋田県・青森県・新潟県の各市町村で太陽光発電・蓄電池・V2H・エコキュートを施工販売。無料相談はこちら
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