電話で「蓄電池のご案内に伺いたい」と言われたら|電話勧誘販売と訪問販売、どちらでも書面を受け取ってから8日間はクーリング・オフ。名乗りの義務・再勧誘の禁止と、その場で決めない確かめ方【東北・2026年版】

奥様
AIふどうくん
ご主人
AIふどうくん※登場人物はイメージです。
先に結論
- 電話で勧誘されて、電話や郵便で申し込んだ契約は「電話勧誘販売」、電話で約束して自宅で契約した場合は「訪問販売」にあたります(特定商取引法)。
- どちらも、法律で決まった書面を受け取った日から数えて8日以内ならクーリング・オフができます。
- 電話勧誘販売では、勧誘の前に事業者名・担当者名・商品の種類・勧誘の目的を告げる義務があり、「契約しません」と伝えた人への再勧誘は禁止されています。
- 迷ったら、その場で決めずに見積もりを比べ、困ったときは消費者ホットライン「188」に相談してください。
夕方、家の電話が鳴ります。「電気代のことでご案内がありまして」。売電の期間が終わる家や、冬の電気代が気になる家に、こうした電話がかかってくることがあります。
電話そのものが悪いわけではありません。ただ、電話から始まった契約にも、守られているルールがあります。この記事では、消費者庁の「特定商取引法ガイド」と、国民生活センター・埼玉県消費生活支援センターの公表資料をもとに、電話で太陽光や蓄電池を勧められたときに確かめることを整理します。

▲図解:電話から始まった契約も、名乗りの確認と「8日間」で守られている
電話から始まる契約は、2つのルールのどちらかに入ります
消費者庁の「特定商取引法ガイド」では、電話から始まる取引を次のように説明しています。
電話勧誘販売(法第2条)
- 事業者が消費者に電話をかけて勧誘し、その電話で申込みを受けたり、契約を結んだりする取引
- 電話を切ったあとに、消費者が郵便や電話などで申し込んだ場合も、電話の勧誘で買う気持ちが決まったと認められれば当てはまる
- 事業者が、勧誘の目的を告げずに消費者に電話をかけさせた場合なども当てはまる
訪問販売(法第2条)
- 事業者が、営業所など以外の場所(たとえば消費者の自宅)で契約を結んで行う販売
つまり、電話で「ご案内に伺いたい」と言われ、自宅に来た担当者とその場で契約した場合は、訪問販売のルールで考えます。一方、電話の説明だけで申し込んだ場合や、電話のあとに書類を郵送して申し込んだ場合は、電話勧誘販売のルールで考えます。どちらに当たるかで迷ったら、消費生活センターに聞いてください。
どちらでも「書面を受け取ってから8日」はクーリング・オフできます
| 電話勧誘販売 | 訪問販売 | |
|---|---|---|
| クーリング・オフの期間 | 法律で決まった書面を受け取った日から数えて8日以内(法第24条) | 法律で決まった書面を受け取った日から数えて8日以内(法第9条) |
| 通知の方法 | 書面または電磁的記録 | 書面または電磁的記録 |
| 期間を過ぎても認められる場合 | 事業者がクーリング・オフについて事実と違うことを告げたり、威迫したりして、消費者が誤認・困惑した場合 | 同じ |
出典:消費者庁「特定商取引法ガイド」電話勧誘販売・訪問販売。
8日の数え方は「書面を受け取った日」が1日目です。書面に不備があるときの扱いや、通知の文面・送り方、屋根に工事の穴が開いたあとの原状回復は、訪問販売で契約してしまったときの記事にまとめています。電話勧誘販売でも、通知は書面か電磁的記録で出し、送ったことが分かる形(特定記録郵便・書留、メールの保存や画面の記録など)で残すことが勧められています。
電話の段階で使えるルールが3つあります
電話勧誘販売には、契約の前の段階で消費者を守るルールがあります。
1. 勧誘の前に名乗る義務(法第16条)
事業者は、勧誘を始める前に、事業者の名前、勧誘している人の名前、売りたい商品の種類、契約の勧誘が目的であることを告げなければなりません。「電気代のことで」「地域の皆さまに」とだけ言って会社名や目的をはっきりさせない電話は、まずここを聞いてください。
2. 「契約しません」と伝えた人への再勧誘の禁止(法第17条)
契約しないと伝えた消費者に、勧誘を続けたり、あらためて勧誘したりすることは禁止されています。「契約しません」とはっきり一度伝えることに意味があります。
3. 書面を渡す義務(法第18条・第19条)
申込みや契約のときには、商品の種類・代金・引渡しの時期・事業者の情報・契約の担当者・契約日などを書いた書面を渡す義務があります。書面をよく読むべきことと、クーリング・オフについての事項は、赤枠の中に赤字で、文字は8ポイント以上で書くことになっています。
このほか、勧誘のときにうそを言うこと、わざと大事なことを言わないこと、威迫して困らせることは禁止されています(法第21条)。また、通常必要な量を著しく超える契約は、契約から1年間は解除できる場合があります(過量販売の解除・法第24条の2)。
公表されている相談には、電話から始まったものもあります
埼玉県の消費生活支援センターは、2026年2月19日に、太陽光発電設備・家庭用蓄電池の相談事例を公表しています。そのうちの1つは、固定価格での売電の期間が終わる家が、電話勧誘に応じて自宅で家庭用蓄電池の説明を受け、「今日ならキャンペーン価格になる」と言われてその日に230万円で契約し、あとで解約したくなった、というものです。
センターのアドバイスは、次の4つでした。
- 不要な訪問や電話勧誘は、きっぱり断る
- その場で契約せず、複数社から見積もりを取って比べる
- 設置条件・使用上の注意・保守管理・運用コスト・補助金を確かめる
- 契約内容を理解してから契約する
国民生活センターも、2021年6月3日に「家庭用蓄電池の勧誘トラブルにご注意!」を公表しています。家庭用蓄電池の相談件数は、2016年度の325件から2020年度は1,314件に増えていました(2021年4月30日までの登録分)。訪問のときに電力会社の関連会社をかたる事例や、「電気料金が安くなる」と勧誘された事例が紹介され、事業者名や目的をしっかり確認すること、その場で契約せずに複数社から見積もりを取ることなどが呼びかけられています。
勧誘の入り口になりやすい話題
埼玉県の事例は、売電期間の終わりがきっかけでした。国民生活センターの事例も「電気料金が安くなる」が入り口です。東北の家なら、次のような話題で電話がかかってきたときに、この記事の確認を思い出してください。
- 売電の期間(10年)が終わる前後。いわゆる卒FITの時期です。卒FITで蓄電池を考えるときの数字は、卒FITで蓄電池を買う前に見る3つの数字にまとめています
- 電気料金が変わる時期や、冬の前。2026年11月1日の東北電力の料金見直しを理由に急かされたときの考え方は、「11月から電気代が上がるので、今月中に」と言われた方へに書きました
- 補助金の受付が話題になる時期。「補助金の申請は代行します」と言われたら、補助金の申請代行は本当に出されたかを確かめる方法を読んでください
東北の冬は、雪で工事の日程が動きやすくなります。それでも「年内に工事したいなら今日決めてください」と言われたら、工事の時期と、その日に契約することは別の話だと考えてください。
電話のあとで、確かめる5つのこと
- 会社名・担当者名・何の勧誘かを、電話の最初に聞いたか。聞いても答えない、はっきりしないときは、会わなくて構いません
- 「電力会社の関係」「市の案内」と言われたら、その会社・役所に自分で確かめたか。電話で言われた番号ではなく、検針票や公式サイトに載っている番号にかけます
- 見積書を、ほかの会社と比べたか。1kWあたり・1kWhあたりの金額と、何が含まれているかを並べます。比べ方は太陽光・蓄電池の業者選びと見積りの見方にあります
- 書面を受け取った日を、メモしたか。クーリング・オフの8日はそこから数えます
- 困ったら、消費者ホットライン「188」。お住まいの地域の消費生活センターにつながります
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当社を名乗る電話で心当たりがないときは、電話で言われた番号ではなく、上のページから会社に直接お問い合わせください。
よくあるご質問
電話で約束して、家で説明を受けて契約しました。クーリング・オフできますか。
自宅で契約した場合は訪問販売にあたり、法律で決まった書面を受け取った日から数えて8日以内ならクーリング・オフができます(特定商取引法第9条)。電話で申し込んだ場合は電話勧誘販売で、同じく8日以内です(同第24条)。どちらに当たるか迷うときは、消費者ホットライン「188」で相談してください。
「契約しません」と言ったのに、また電話がかかってきます。
電話勧誘販売では、契約しないと伝えた人に勧誘を続けたり、あらためて勧誘したりすることは禁止されています(特定商取引法第17条)。日時と会社名を控えて、消費生活センターに相談してください。
8日を過ぎてしまいました。もう取り消せませんか。
事業者がクーリング・オフについて事実と違うことを告げたり、威迫したりして、消費者が誤認・困惑してクーリング・オフできなかった場合は、期間を過ぎてもできます。また、通常必要な量を著しく超える契約は、契約から1年間は解除できる場合があります。くわしくは訪問販売で契約してしまったときの記事をご覧ください。
まとめ
- 電話で申し込めば電話勧誘販売、電話で約束して自宅で契約すれば訪問販売(特定商取引法)
- どちらも、法律で決まった書面を受け取った日から数えて8日以内はクーリング・オフができる。通知は書面か電磁的記録で、送った記録を残す
- 電話勧誘販売では、勧誘の前に事業者名・担当者名・商品の種類・勧誘の目的を告げる義務があり、断った人への再勧誘は禁止
- 埼玉県の公表事例には、卒FITの家が電話勧誘に応じ、自宅で説明を受けたその日に契約したものがある
- 「電力会社の関係」「市の案内」と言われたら、検針票や公式サイトの番号で自分で確かめる。困ったら188
電話でのご案内を、すべて断る必要はありません。ただ、その日に決める理由があるかどうかは、電話を切ったあとで落ち着いて確かめてください。
※本記事は2026年11月2日時点で、消費者庁・国民生活センター・埼玉県が公開している情報にもとづいています。法律の解釈や個別の契約の扱いは、消費生活センターや弁護士などの専門家にご確認ください。
出典
- 消費者庁「特定商取引法ガイド」電話勧誘販売 https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/telemarketing/
- 消費者庁「特定商取引法ガイド」訪問販売 https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/doortodoorsales/
- 国民生活センター「家庭用蓄電池の勧誘トラブルにご注意!」(2021年6月3日) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20210603_2.html
- 埼玉県 消費生活支援センター「太陽光発電設備『絶対お得です』と言われて契約してしまったが」(2026年2月19日掲載) https://www.pref.saitama.lg.jp/b0304/shohisoudan/jirei/sumai/20210625.html
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監修・執筆:株式会社ファナス 代表取締役 不藤政次|宮城県・福島県・山形県・岩手県・秋田県・青森県・新潟県の各市町村で太陽光発電・蓄電池・V2H・エコキュートを施工販売。無料相談はこちら
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