停電すると、電動シャッターは止まります|手動で開ける仕組みは機種ごとに違う。雪の朝の凍結、復旧後の位置合わせ、蓄電池やポータブル電源で動かす前に見ること【東北・2026年版】

奥様
ご主人
ペット
AIふどうくん※登場人物はイメージです。
先に結論
- 停電すると、電動シャッターはその場で止まります。
- 手で開ける仕組み(操作ハンドル・非常開放レバー・手動切替ワイヤーなど)は、機種ごとに名前と位置が違います。
- 小さい窓などで、手動で開けられない機種もあります。
- 凍りついたときは電動で動かさず、融けるまで待つのがメーカーの案内です。
雪の朝、停電した家の中は、シャッターを閉めたままだと昼でも暗いままです。
リモコンを何度押しても動きません。ガレージのシャッターも開かず、車を出せない。東北の冬の停電では、こうした場面が起こりえます。
この記事では、LIXIL・YKK AP・三協アルミ・文化シヤッター・三和シヤッターの公式のFAQ・取扱説明書・カタログに書かれていることだけで、①停電で何が起きるか、②手で開ける方法、③雪と凍結のとき、④復旧したあと、⑤蓄電池やポータブル電源で動かす前に見ること、を整理します。

▲図解:停電の前に「手で開ける場所」を確かめ、凍ったら待つ、復旧後は電動に戻す
停電すると、電動シャッターはその場で止まる
三協アルミの停電時の案内は、電動シャッターについて「シャッターが停止します」と書いています。そのうえで、計画停電のときに在宅するなら、避難できるようにシャッターをあらかじめ開けておくよう案内しています。
窓のシャッターが閉まったままだと、困ることは3つあります。
- 部屋が暗い。昼間でも照明なしでは動きにくい
- 窓から出られない。火災や地震のとき、窓が避難の出口にならない
- 外の様子が分からない。雪の積もり方や、近所の停電の様子が見えない
ガレージのシャッターが開かなければ、車を出せません。停電中に車で避難する、車で暖をとる、車のコンセントからスマホを充電する、といった手段も使いにくくなります。
停電の予報や大雪の予報が出たら
- 窓のシャッターは、寝る前に1か所だけでも開けておく。
- ガレージは、車を出す予定があるなら、早めに外へ出しておく。
停電がうちだけか地域全体かを確かめる手順は、停電したら、まずうちだけか地域全体かにまとめています。
窓のシャッターを手で開ける仕組みは、機種ごとに違う
多くの電動の窓シャッターには、停電のときに手で開ける仕組みがあります。ただし、名前も、場所も、操作も、機種ごとに違います。
| メーカー | 公式資料での呼び方・操作 |
|---|---|
| LIXIL | シャッター内側の操作ハンドル(停電時開閉機構)で手動で開閉する |
| YKK AP | 非常開放機構が付いていれば、室内側の操作で手動で開けられる |
| 三協アルミ | 内観左側の手動開閉用操作棒を1回下に引くと手動、もう1回引くと電動に戻る(アルジオ・マディオなど) |
| 三和シヤッター | 座板に錠があるタイプと、内観左のガイドレールの非常開放レバーを押し下げるタイプがある |
| 文化シヤッター | 機種のタイプごとに手順が違う。「停電時以外は手動では開閉しないでください」 |
出典:LIXIL FAQ、YKK AP FAQ・カタログ、三協アルミ「停電時のご使用について」、三和シヤッター 取扱説明書(窓シャッター電動式)、文化シヤッター「停電時の手動操作」
手動で開けられない機種もある
ここが、いちばん知っておいてほしいところです。
- YKK APは、サイズや仕様によっては非常開放機構がなく、その場合は手動で開けられないとしています。非常開放機構は後から付けられません。カタログでは、シャッターの高さが771mm未満だと非常開放機構を付けられず、「別途避難経路を設けて」と書いています
- 文化シヤッターは、一部のタイプで、開口の高さが約80cm以下の小さい窓シャッターには切替レバーがなく、手動で開閉できないとしています
- 三協アルミも、手動開閉機構のない機種や古い機種は、停電中に手で操作できないとしています
電気があるうちに確かめること
- ① 家のどの窓のシャッターが、手で開けられるか
- ② 手で開ける部品の名前と場所(取扱説明書の「停電時」のページ)
- ③ 手で開けられない窓しかない部屋がないか(あれば、避難の出口を別に決めておく)
三和シヤッターの取扱説明書は、2階などの高い場所で手動操作するときに「窓からの転落」に注意するよう書いています。暗い中で無理に身を乗り出さないでください。
ガレージのシャッターは「緊急時以外は復旧を待つ」
ガレージのシャッターは、窓より大きく重いぶん、メーカーの案内も慎重です。
文化シヤッターと三和シヤッターは、どちらも緊急に必要なとき以外は、停電の復旧を待つことを勧めています。どうしても手で開けるときの注意は、次のとおりです。
- 先に、シャッターの電源(コンセントやブレーカー)を切る。手で動かしている途中に停電が戻ると、急に動き出すおそれがあるため
- なるべく複数人で行う。脚立に乗るときは転落を防ぐ
- ハシゴをシャッターに立て掛けない(三和 サンオートADの取扱説明書)
- 終わったら、必ず電動に戻す。手動のままだと手で開けられてしまい、盗難のおそれがある(文化シヤッター)
手で開ける部品も、機種で違います。文化シヤッターは手動開放リングや手動開放ワイヤ装置など9つのタイプを挙げ、手動開放リングのない製品は停電時に使えず、無理に開けると故障の原因になるとしています。
LIXILのシングルシャッターS(電動タイプ)の取扱説明書では、家の側で電源を切ってから「手動切替用ワイヤー」を引いて手動にし、戻すときは「電動復帰用ワイヤー」を引く手順です。
オーバースライダー(上へ跳ね上げるタイプ)の注意
- 三和シヤッターの取扱説明書は、停電以外の理由で止まったときに手動へ切り替えないよう書いています。
- スプリングが切れているなどの原因だと、扉が急に下がるおそれがあるためです。
ご主人
AIふどうくん凍りついたら、電動で動かさない
東北の冬は、停電していなくても、シャッターが凍りつくことがあります。
LIXILのガレージ用シャッターの取扱説明書は、「凍結時の開閉禁止!」と警告しています。凍ったまま動かすと安全装置が正しく働かず、挟まれ事故につながるおそれがあるためです。
三和シヤッターの取扱説明書も、凍結で開閉できなくなっても故障ではないとしたうえで、無理に開閉すると故障の原因になると書いています。
| 場面 | メーカーの案内 |
|---|---|
| シャッターの板(スラット)に雪や氷が付いた | 前後にゆすって落とす。取れなければ融けるまで待つ |
| 下の座板が床に凍りついた | 融けるまで待ってから操作する |
| 屋外のシャッターケースに雪が積もった | 雪下ろしをする(LIXILは積雪20cmを越える前)。重みでケースが変形するおそれ |
出典:LIXIL シングルシャッターS 取扱説明書、三和シヤッター サンオートAD 取扱説明書
LIXILの「寒波への備え」のFAQも、雪を落とし、氷が融けるまで待ってから動かすよう案内しています。シャッターにお湯をかけてよいかは、今回読んだ公式資料には書かれていませんでした。書かれていないことは、やらないほうが安全です。
雪の朝にやらないこと
- 凍ったシャッターを、リモコンで何度も動かす。
- 板を叩いたり、こじ開けたりする。
冬の前の点検全体は、雪が降る前にやることは4つだけですにもまとめています。
電気が戻ったら、位置合わせと「電動に戻す」操作
停電が終わっても、すぐにいつもどおり動くとは限りません。各社の資料には、復旧後の操作が書かれています。
- LIXIL:手動に切り替えたら「電動復帰」の操作が必要。しないと、障害物で反転しない、下の止まる位置がずれる、ことがある
- 三和シヤッター(窓):復旧後は必ず一度「開」で全開にしてから全閉にする。しないと、障害物を検知しても反転上昇しないことがある
- 三協アルミ(スチール製):約4回の開閉で全開・全閉の位置を自動で設定し直す。その間に障害物を検知すると、誤った位置を記憶することがある。そのときは電源を5秒以上切って入れ直す
- 文化シヤッター:4時間以上の停電や手動での開閉で、全閉の位置がずれることがあり、スイッチで再設定する(一部のタイプ)
ここで大事なのは、障害物を検知して止まる安全の働きが、復旧の手順を飛ばすと正しく働かないことがある点です。
YKK APの安全の案内では、降りる途中で障害物に一定の力がかかると反転して止まりますが、いちばん下から5cm未満では障害物を感知しません。復旧後の最初の開け閉めは、シャッターの下に人や物がないのを見てから行ってください。
蓄電池やポータブル電源で動かす前に見ること
太陽光と蓄電池がある家なら、停電中もシャッターを電気で動かせるのでは、と考える方もいると思います。
まず、消費電力の公表値を並べます。
| 機器 | 電源 | 消費電力(公表値) |
|---|---|---|
| YKK AP リモコンシャッター(窓) | AC100V | 動作時39W、待機時2.0W |
| 三和シヤッター 窓シャッター電動式 | 単相AC100V | 40W以下(待機時2W以下) |
| LIXIL シングルシャッターS(ガレージ) | AC100V | 動作時162.5W(50Hz)/178W(60Hz)、待機時9W |
出典:YKK AP カタログ、三和シヤッター 取扱説明書、LIXIL 取扱説明書
数字だけ見ると、どれも大きくはありません。それでも、蓄電池で動くかどうかは、この数字だけでは決まりません。
① シャッターのコンセントが、停電時に電気が来る回路か
特定負荷型の蓄電池は、あらかじめ決めた回路にしか電気を送りません。窓のシャッターは、壁の中で配線されていることが多く、どの回路につながっているかは分電盤を見ないと分かりません。
全負荷型と特定負荷型の違いは、全負荷型と特定負荷型、どっちの蓄電池?に書いています。
② 蓄電池メーカーの停電時の取扱説明書
オムロンの停電時の取扱説明書(KPAC-A)は、特定負荷につなぐ機器の合計を2000VA以下とし、定格が2000W以下でも使えない機器があること、合計500W程度に抑えることを勧めることを書いています。あわせて、突然止まっても安全に問題のない機器をつなぐよう求めています。
シャッターは、動いている途中で電気が切れると、その位置で止まります。今回読んだ範囲では、蓄電池メーカーの資料に電動シャッターを名指しした記載は見当たりませんでした。動かせるかは、販売施工店を通じて確かめてください。
③ ガレージ用には、外部電源から給電する公式のオプションがある
ガレージのシャッターには、停電中に外から電気を送るための、シャッターメーカーの公式オプションがあります。
- 文化シヤッター「プラグインパワーユニット」:車載コンセントやポータブル電源をつなぎ、停電中も電動で開閉できる。必要な電源は、機種により「単相100V定格出力500W以上の正弦波電源」または1000W以上
- 三和シヤッター「Eコネクト ガレージ用」:車載コンセントやポータブル電源から給電し、いつものリモコンや押しボタンで開閉できる。新設にも既設にも対応
ここで分かるのは、シャッターの消費電力の表示が200W以下でも、外部電源には500W以上を求める機種があるということです。ポータブル電源をそのまま差せば動く、とは考えないでください。
販売施工店に聞くこと
- 「窓とガレージのシャッターは、停電時に電気が来る回路ですか」
- 「うちのシャッターに、外部電源で動かす公式のオプションはありますか」
ポータブル電源や車からの給電の考え方は、電気自動車があれば、停電しても家の電気はまかなえるかにまとめています。
停電の前に、家族でやっておく5つのこと
最後に、雪の季節の前にやっておくことを5つにまとめます。
- 取扱説明書の「停電時」のページを探す。なければメーカー名と型式をメモし、公式サイトで調べる
- 手で開ける部品の場所を、家族全員で一度見ておく。暗い中で初めて探すのは難しい
- 手で開けられない窓を把握する。その部屋の避難の出口を別に決める
- ガレージは、手で開けたら必ず電動に戻すことを家族で共有する
- 大雪や停電の予報が出たら、窓のシャッターを1か所開けておく。車は早めに外へ出す
停電中の暮らし全体は、地震で停電したとき、太陽光と蓄電池は使えるのかや、灯油の暖房なら停電でも大丈夫、ではありませんもあわせて読んでください。
よくあるご質問
停電中にシャッターを手で開けたら、壊れませんか?
停電時の手動操作は、各社が用意している仕組みです。ただし、決められた部品を使わずに無理に開けると故障の原因になります。文化シヤッターは、手動開放リングのない製品を停電時に無理に開けると故障の原因になるとしています。取扱説明書の手順どおりに行ってください。
停電が終わったのに、シャッターが途中で止まります。故障ですか?
復旧後の位置合わせが必要なことがあります。三協アルミは、誤った位置を記憶したときは電源を5秒以上切ってから入れ直すと再設定されると案内しています。メーカーごとの手順で直らない場合は、メーカーの窓口に相談してください。
蓄電池があれば、停電中も電動シャッターは動きますか?
シャッターの回路が停電時に電気の来る回路かどうかと、蓄電池の取扱説明書の条件で決まります。蓄電池メーカーの資料に電動シャッターを名指しした記載は見当たらなかったので、販売施工店を通じて確かめてください。
まとめ
- 停電すると、電動シャッターはその場で止まる
- 手で開ける仕組みは機種ごとに名前と位置が違い、小さい窓などでは手動で開けられない機種もある
- ガレージは緊急時以外は復旧を待つのがメーカーの基本。手で開けるなら電源を切ってから、終わったら電動に戻す
- 凍りついたら電動で動かさず、融けるまで待つ
- 復旧後は位置合わせや電動復帰が要ることがある。障害物検知が正しく働くよう、手順を飛ばさない
- 蓄電池で動かせるかは、回路と取扱説明書の条件で決まる。ガレージには外部電源用の公式オプションがある
停電の朝に慌てないために必要なのは、特別な機器より先に、手で開ける部品の場所を一度見ておくことです。雪が降る前の、電気があるうちに確かめてください。
※本記事は2026年10月15日時点の情報です。手順は機種によって違います。必ずお使いのシャッターの取扱説明書とメーカーの案内でご確認ください。
出典
- 三協アルミ「停電時のご使用について(住宅商品)」 https://alumi.st-grp.co.jp/inquiry/teiden/jyutaku.html
- LIXIL よくあるご質問「停電時の電動シャッターや電動ユニット窓の開閉」 https://faq.lixil.co.jp/停電時の電動シャッターや電動ユニット窓の開閉-64c72b02304871001cf638c9
- LIXIL よくあるご質問「窓まわりの寒波への備えと対応」 https://faq.lixil.co.jp/窓まわりの寒波への備えと対応-63e5dffe8965a1001c9c3a05
- LIXIL「シングルシャッターS 電動タイプ 取扱説明書」 https://assets.lixil.com/content/dam/lixil-assets/manual/202409/UD121G.pdf
- YKK AP よくあるご質問「停電時のシャッターの開閉」 https://faq.ykkap.co.jp/faq_detail.html?id=8283
- YKK AP カタログ(リモコンシャッター) https://webcatalog.ykkap.co.jp/webcatalog/data/data_info/20220801/H22-004-1_a.pdf
- YKK AP「シャッターの安全について」 https://www.ykkap.co.jp/support/safety/shutter/index.php
- 文化シヤッター「停電時の手動操作(窓シャッター)」 https://www.bunka-s.co.jp/support/manual-operation02/
- 文化シヤッター「停電時の手動操作(軽量シャッター電動式)」 https://www.bunka-s.co.jp/support/manual-operation01/
- 文化シヤッター「プラグインパワーユニット」発売のお知らせ(2022年7月4日) https://www.bunka-s.co.jp/news_info/20220704news/
- 三和シヤッター工業「窓シャッター電動式 取扱説明書」 https://www.sanwa-ss.co.jp/files/x_81.pdf
- 三和シヤッター工業「サンオートAD 取扱説明書」 https://www.sanwa-ss.co.jp/files/a_36.pdf
- 三和シヤッター工業「オーバースライダー 取扱説明書」 https://www.sanwa-ss.co.jp/files/b_52.pdf
- 三和シヤッター工業「停電時の操作について」 https://www.sanwa-ss.co.jp/mainte/operation/
- 三和シヤッター工業「Eコネクト ガレージ用」 https://www.sanwa-ss.co.jp/products/000954.html
- オムロン ソーシアルソリューションズ「停電時の使い方(KPAC-A)」 https://socialsolution.omron.com/jp/ja/products_service/energy/doc/po_mnu/power_outage_kpac.pdf
当社が運営する「ソラカルテ」では、太陽光・蓄電池の見積書をその場で無料AI診断できます。電話番号の登録は不要です。
監修・執筆:株式会社ファナス 代表取締役 不藤政次|宮城県・福島県・山形県・岩手県・秋田県・青森県・新潟県の各市町村で太陽光発電・蓄電池・V2H・エコキュートを施工販売。無料相談はこちら
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