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停電の夜、家のWi-Fiは止まります|光回線の機器・ルーターの消費電力と携帯の基地局の予備電源から、蓄電池のどの回路に通信機器を入れておくかを決める【東北・2026年版】

停電でWi-Fiは止まる?光回線と蓄電池の回路

部屋の明かりが消えた直後、スマートフォンの画面の右上で、扇形のWi-Fiのマークがふっと消えます。

代わりに「4G」や「5G」の文字が出ます。家のインターネットが止まり、携帯電話の電波だけでつながっている状態です。

停電の夜にいちばん欲しいのは、停電がいつ直るのか、家族は無事か、という情報です。その情報の通り道が、停電と同時に細くなります。

先に結論
停電すると、光回線の機器(ONU・ホームゲートウェイ)とWi-Fiルーターが止まり、ひかり電話もネットも使えなくなります。
この機器の消費電力は、公表されている最大値で足しても合計50W前後です。
蓄電池があるなら、通信機器のコンセントが「停電時に電気が来る回路」に入っているかを、いまのうちに確かめてください。
ただし携帯の基地局や電話局が止まれば、家に電気があってもつながりません。171などの別の手段も用意しておきます。

停電の夜に情報が届く道の図解。家の光回線の機器とWi-Fiルーターは停電で止まり、スマホは携帯の基地局へ切り替わる。蓄電池の停電用の回路に通信機器を入れておけば家のWi-Fiは動き続けるが、基地局や電話局が止まると家に電気があってもつながらない

▲図解:家のWi-Fiは「家の電気」と「外の設備の電気」の両方がそろって初めて動きます

この記事は、NTT東日本・携帯電話各社・総務省が公開している資料で確認できたことだけで書いています。2026年10月6日時点の情報です。

停電で止まるのは、家の中にある通信機器です

NTT東日本は、停電したときに使えなくなるサービスを一覧にしています。

停電中は、お客様にて給電設備・蓄電設備がない場合、以下のサービスの発着信または接続ができなくなります。

この一覧に入っているのは、次のようなものです。

  • ひかり電話
  • フレッツ光
  • ネットワーク接続機器(ホームゲートウェイ、ルータ等)
  • 加入電話の一部(商用電源を使う電話機の場合)

光回線は、壁から来た光の信号を、家の中の機器で電気の信号に変えて使います。その機器が、コンセントの電気で動いています。停電すれば、その機器も止まるということです。

「光回線は電話局から電気が来ないのか」と聞かれることがあります。ここは昔の電話と違うところです。

加入電話は、停電時においても、通信ケーブルに流れる微弱電流により、一部の電話機でご利用いただくことができますが、ひかり電話においてはひかり電話ルーターへ給電する必要があり、停電の際には、ひかり電話及びインターネットが利用できないという課題がありました。

これはNTT東日本が2012年に出した報道発表の一文です。メタルの電話線の電話は、電話局からの電気で動く場合がある。ひかり電話は、家の電気が要る。この違いを知らずに固定電話を光に替えている家は多いと思います。

なお、加入電話でも、留守番電話やコードレスホンのようにコンセントにつなぐ電話機は停電で使えなくなる場合があります。「固定電話があるから大丈夫」とは限りません。

屋外の基礎ブロックの上に設置した蓄電池1台

▲ 当社施工事例:屋外に設置した蓄電池


光回線の機器とルーターの消費電力は、合計で数十Wです

では、この機器を停電のあいだも動かすには、どれくらいの電気が要るのでしょうか。公表されている消費電力を並べます。

機器 公表されている消費電力 出典
NTT東日本のホームゲートウェイ(PR-600系・RX-600系) 最大35W以下(電源アダプタ含む。RXは小型ONUを含む) 取扱説明書
市販のWi-Fiルーターの例(1) 9.1W(最大) メーカー仕様表
市販のWi-Fiルーターの例(2) 約11.5W 最大 メーカー仕様表

※機種ごとの数値です。お使いの機器の消費電力は、本体のラベルや取扱説明書でご確認ください。

ホームゲートウェイとWi-Fiルーターを1台ずつ、どちらも最大値で足しても50W前後です。実際の機器はいつも最大で動いているわけではありません。

50Wの機器を12時間動かすと、0.6kWhです。
最大値で足した、多めの見積もりです。冷蔵庫や暖房と比べると、ずっと小さな電気です。

ちなみに、NTT東日本は2012年に、ひかり電話ルーターに外から電気を送る「光モバイルバッテリー」を販売していました。その発表には、利用できる時間の目安が書かれています。

  • ひかり電話ルーターの待ち受けで最大約3時間程度
  • ひかり電話の連続通話で約2時間程度
  • インターネット(無線LAN接続時)なら約1時間30分程度

持ち運べる小さな電池では、ひと晩もちません。ひと晩以上つなぎたいなら、家の蓄電池から電気を回すほうが現実的です。

停電のときに何を何時間動かせるかの考え方は、蓄電池が停電のとき何を何時間動かせるかで、家電の消費電力から逆算する手順を書いています。


蓄電池があっても、つながるとは限りません

ここが、いちばん見落とされやすいところです。

蓄電池を入れた家でも、停電のときに電気が来るコンセントは、家のすべてではないことがあります。

京セラは、停電への備えを説明するページで、こう書いています。

定置型蓄電池は停電時に使用したい家電製品を特定負荷に設定することで、複数の家電製品を使用することができます。

オムロンも、比較の説明でこう書いています。

特定の家電のみ使える「特定負荷型」の場合、冷蔵庫・照明・スマートフォン充電などの基本的な家電が対象になります。

つまり「特定負荷型」の蓄電池では、停電のときに電気が来るのは、工事のときに選んだ回路だけです。冷蔵庫・照明・居間のコンセントは選ばれていることが多いのですが、通信機器はどうでしょうか。

光回線の機器は、たいてい次のような場所にあります。

  • 玄関の収納や、階段下
  • テレビ台の裏
  • 2階の廊下の、壁の情報コンセントの近く
  • 分電盤の近くの「情報分電盤」

どれも、特定負荷の回路に選ばれにくい場所です。工事のときに「停電のとき使いたいのは冷蔵庫と居間と台所」と決めると、玄関の収納にある光回線の機器は、回路から外れてしまいます。

全負荷型(家じゅうのコンセントに電気が来る型)なら、この心配はほぼありません。特定負荷と全負荷の違いは、蓄電池の全負荷と特定負荷の選び方で整理しています。


いまのうちに確かめる3つのこと

難しい作業は要りません。晴れた日の昼間に、10分ほどで確かめられます。

1. 光回線の機器とルーターが、どのコンセントにつながっているか

機器の電源アダプタをたどって、どの部屋のどのコンセントかを確かめます。延長コードの先の場合は、延長コードの元のコンセントです。

2. そのコンセントが「停電のとき電気が来る回路」か

特定負荷型の蓄電池なら、分電盤のそばに停電用の小さな分電盤(特定負荷用分電盤)があることが多いです。そこに書かれた回路名と、1で確かめた部屋を照らし合わせます。

分電盤のブレーカーを自分で落として試すのはやめてください。
冷蔵庫やパソコン、給湯器など、ほかの機器に影響が出ることがあります。分からないときは、蓄電池を設置した施工店に「この部屋のコンセントは特定負荷に入っていますか」と聞くのが確実です。

3. 入っていなければ、どうするか

入っていない場合は、次のどれかになります。

  • 通信機器を、特定負荷のコンセントの近くへ移す(光の配線の長さに限りがあるので、回線事業者への相談が必要な場合があります)
  • 特定負荷の回路を組み替える(電気工事が必要です。施工店に相談します)
  • 停電のときだけ、特定負荷のコンセントから延長コードで電気を回す(暗い中で延長コードを引くことになるので、どこから引くかを先に決めておきます)

NTT東日本は、業務用の案内で無停電電源装置(UPS)の利用も勧めています。

回線終端装置(ONU)、ひかり電話対応機器への停電対策として無停電電源装置(UPS)をご利用ください。

停電に切り替わる瞬間の動きは、蓄電池の機種や組み方によって違います。その瞬間にルーターが再起動して困るなら、通信機器とコンセントのあいだに小さなUPSを挟む、という組み合わせもあります。どちらが合うかは、施工店に機種を伝えて相談してください。

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携帯の基地局にも予備電源がありますが、長くはもちません

家のWi-Fiが止まっても、スマートフォンは携帯の電波でつながります。では、携帯の基地局は停電に強いのでしょうか。

各社とも、基地局に予備の電源を置いています。

  • KDDIは「各無線基地局においても予備蓄電池を設置して、送電線の切断や発電所の停止などの事態に備えています」としています
  • ドコモは、都道府県庁や市区町村役場などの重要エリアで「基地局の無停電化、バッテリーの24時間化を実施しています」としています
  • ソフトバンクは「停電が発生しても24時間以上稼働する基地局」として、官公庁や災害拠点病院などの重要エリアを中心に対策を強化しているとしています

国の基準もあります。総務省の資料によると、「情報通信ネットワーク安全・信頼性基準」で、都道府県庁・市町村役場などをカバーする携帯電話基地局には、少なくとも24時間の停電対策が義務になっています。県庁や離島・半島の役場をカバーする基地局には、少なくとも72時間の停電対策が推奨されています(基準は2025年3月に改正)。

ただし、これは重要エリアの基地局の話です。総務省の2025年6月の資料には、全国の基地局のバッテリー持続時間を示した図があり、「24時間以上」が10%、「24時間未満」が90%となっています。

役場の近くと、山あいの集落では、携帯がつながり続ける時間が違うことがあります。
家のWi-Fiを蓄電池で動かす意味は、ここにもあります。


東北は、基地局の電池切れを一度経験しています

東日本大震災のとき、携帯電話は広い範囲でつながらなくなりました。

ドコモは、災害対策の冊子で当時をこう振り返っています。全国で6,720局の基地局が一時サービスを中断し、東北エリアの基地局の約45%、およそ4,900局でサービスが提供できなくなった。主な要因の最初に挙げられているのは、「長時間の停電によるバッテリーの枯渇」です。

総務省の情報通信白書(平成23年版)も、携帯・PHSの5社で最大約29,000局が停波し、「商用電源の途絶が長期化し、蓄電池の枯渇により、サービスが停止した」と書いています。

この経験から、各社は重要エリアの24時間化や、移動電源車・大ゾーン基地局の配備を進めてきました。ドコモの冊子によると、大ゾーン基地局は東北地区に13局あります。

それでも、家に電気があっても、外の設備が止まればつながらないことは変わりません。NTT東日本も、停電のお知らせでこう書いています。

お客さま宅が停電になっていない場合でも、弊社の通信設備が停電している場合、サービスをご利用いただけないことがあります。

蓄電池は「家の側」を守るものです。外の設備の停電までは守れません。だからこそ、次の章の「別の手段」が要ります。


つながらないときに備える、別の手段

災害用伝言ダイヤル「171」と、災害用伝言板「web171」

NTT東日本の災害用伝言ダイヤル(171)は、1伝言あたり30秒以内で、声の伝言を残せます。使える電話は、加入電話・INSネット・公衆電話・ひかり電話・災害時用公衆電話です。

インターネットが使えるなら、web171(災害用伝言板)で文字の伝言も残せます。家族で「つながらないときは171」と決めておくだけで、停電の夜の不安はかなり減ります。

公衆電話

NTT東日本は、停電のときの連絡手段として公衆電話も案内しています。ただし注意書きがあります。

停電中、テレホンカードはご利用いただけません。

10円玉を何枚か、家に置いておくのが現実的です。グレーの公衆電話は、内蔵電池がなくなると一般の通話ができなくなる場合があります(緊急通報と無料通話は使えます)。

スマートフォンの充電

楽天モバイルは、停電への備えとしてこう書いています。

大雨、大雪などで停電の恐れがある場合、あらかじめスマートフォンの充電をし、連絡や情報入手ができるよう備えてください。

東北では、大雪と強風の日が、停電の起きやすい日です。天気予報で大雪や暴風の警報が出たら、スマートフォンとモバイルバッテリーを満タンにしておく。これは蓄電池がある家でも同じです。

停電が冬の夜に起きたときの暖房の考え方は、停電の夜に暖をとる家電の消費電力にまとめています。通信機器の50Wは、暖房の電気に比べればずっと小さいので、回路さえ合っていれば、蓄電池の容量を大きく圧迫することはありません。


停電が直ったあとに、つながらないとき

停電が直ったのに、インターネットだけ戻らないことがあります。NTT東日本は、こう案内しています。

停電復旧後に通信ができない場合は、一旦通信機器等の電源を切ってから、再度電源を入れると回復する場合がありますのでお試し下さい。

順番は、壁に近い機器からです。光回線の機器(ONU・ホームゲートウェイ)の電源を入れ、ランプが落ち着いてから、Wi-Fiルーターの電源を入れます。

太陽光や蓄電池のモニターがインターネット経由で数字を出している場合、この再接続が済むまで、アプリの数字が止まって見えることがあります。発電が止まったわけではないことが多いので、慌てなくて大丈夫です。モニターの数字が出ないときの見分け方は、発電モニターが見えないときは、まず通信を疑うに書いています。


よくある質問(FAQ)

Q1. 蓄電池があれば、停電中も家のWi-Fiは使えますか。

A. 通信機器のコンセントが、停電のときに電気が来る回路に入っていれば使えます。特定負荷型の蓄電池では、入っていないことがあります。ただし、電話局や携帯の基地局など外の設備が停電で止まっていれば、家に電気があってもつながりません。

Q2. 光回線の機器とWi-Fiルーターを動かすには、どれくらいの電気が要りますか。

A. 公表されている最大値で、NTT東日本のホームゲートウェイが35W以下、市販のWi-Fiルーターが9〜12W程度の例があります。合計しても50W前後です。お使いの機器の数値は、本体のラベルや取扱説明書でご確認ください。

Q3. 固定電話は停電でも使えますか。

A. ひかり電話は、ルーターに家の電気が要るので、停電すると使えません。メタルの電話線の加入電話は、電話局からの電気で使える場合がありますが、コンセントにつなぐ電話機(留守番電話・コードレスホン・FAXなど)は使えなくなる場合があります。


まとめ

  • 停電すると、光回線の機器(ONU・ホームゲートウェイ)とWi-Fiルーターが止まる。ひかり電話もネットも使えない
  • 機器の消費電力は、最大値で足しても合計50W前後。12時間で0.6kWh程度
  • 特定負荷型の蓄電池では、通信機器のコンセントが停電用の回路に入っていないことがある。施工店に聞いて確かめる
  • 携帯の基地局には予備電源があるが、総務省の資料の図では全国の9割がバッテリー24時間未満。重要エリアは24時間以上の対策が義務
  • 東日本大震災では、東北エリアの基地局の約45%が止まり、主な要因は長時間の停電によるバッテリーの枯渇だった
  • 外の設備が止まれば、家に電気があってもつながらない。171・web171・公衆電話(10円玉)・スマホの充電を別に用意しておく

冬の停電は、大雪や強風の夜に起きます。明るいうちに、光回線の機器がどのコンセントにつながっているかだけでも、確かめておいてください。

※本記事は2026年10月6日時点でNTT東日本・KDDI・NTTドコモ・ソフトバンク・楽天モバイル・総務省・各メーカーが公開している情報にもとづいています。機器の消費電力は機種によって異なります。

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出典(2026年10月6日確認・すべて公式サイト)

監修・執筆:株式会社ファナス 代表取締役 不藤政次|宮城県・福島県・山形県・岩手県・秋田県・青森県・新潟県の各市町村で太陽光発電・蓄電池・V2H・エコキュートを施工販売。無料相談はこちら

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