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2021年1月、東北の電力市場の価格は1kWh252円をつけました|市場連動プランは蓄電池があれば得とは限らない——JEPXの30分ごとの価格で、太陽光・蓄電池の家が確かめる3つのこと【東北・2026年版】

市場連動プランは蓄電池で得?東北のJEPX価格で確認

2021年1月15日の16時30分から17時まで。東北エリアの電力市場の価格は、1kWhあたり252円をつけました。

ふだんの冬なら10円前後の価格です。その月の東北の平均は66.51円。前の月(14.03円)の約4.7倍でした。

「蓄電池があるから、市場連動プランでも大丈夫ですよね」というご相談をいただくことがあります。答えは、プランの連動のしかたと、高い日が何日続くかで変わります。

先に結論
市場連動プランには、30分ごとの価格に連動するもの・数か月の平均に連動するものなど、しくみの違うものがあります。
蓄電池でずらせるのは「1日の中の安い時間と高い時間の差」だけです。
2021年1月の東北では、1日でいちばん安い時間でも60円を超える日が4日ありました。
冬の東北で高くなるのは夕方17〜18時台で、太陽光は発電していない時間です。

市場連動プランで蓄電池が効く日と効かない日の図解。ふだんの冬の1日は昼が安く夕方が高いので、蓄電池で安い時間の電気を夕方に回せる。2021年1月13日はいちばん安い時間でも86円で、ずらしても高い。蓄電池でずらせるのは1日の中の差だけ。

▲図解:蓄電池がずらせるのは「1日の中の差」。高い日が続く冬には効きません

この記事は、日本卸電力取引所(JEPX)が公開している30分ごとの価格データ、電力・ガス取引監視等委員会と資源エネルギー庁の公開資料、国民生活センターの公表資料で確認できたことだけで書いています。価格の集計は当社が公開データから計算したものです。特定の電力会社をおすすめする記事ではありません。2026年10月8日時点の情報です。

市場連動プランとは、電力市場の価格で単価が変わるプランです

電力会社(小売電気事業者)の多くは、電気の一部を卸電力取引所(JEPX)で買っています。

JEPXの取引ガイドによると、市場では1日を30分ごとの48個の商品に分けて取引しています。エリアごとの価格は「エリアプライス」と呼ばれ、東北には東北の価格がつきます。

市場連動プランは、この市場の価格に合わせて、家庭の電気の単価が変わるプランです。

国の専門会合の資料(電力・ガス取引監視等委員会、2021年7月30日)は、市場連動型の料金メニューを「JEPXのスポット市場価格を参照して料金単価を変動させる料金メニュー」と定義しています。2021年2月時点で、契約は約69万件(全契約数の約0.78%)でした。

市場が安いときは、ふつうのプランより安くなることがあります。逆に、市場が高くなれば、そのまま電気代に乗ってきます。

「市場連動」と書いていないプランもあります

電力・ガス取引監視等委員会は、2021年1月の注意喚起で次のように書いています。

「市場連動型」と記載されていない場合でも、「調整費」等の項目で、電力の調達費用が料金に含まれるプランもあります

プラン名だけで判断せず、料金表に「調整費」「電源調達」などの項目があるかを見てください。

なお、東北電力の燃料費調整は、同社のページでは「原油・LNG(液化天然ガス)・石炭の燃料価格の変動(平均燃料価格)により、毎月自動的に決まる単価」と説明されています。市場の30分ごとの価格で決まるしくみではありません。


2021年1月の東北で、何が起きたのか

JEPXが公開している2020年度の価格データから、東北エリアの数字を当社で集計しました。

東北エリアの価格(1kWhあたり)
2020年11月の平均 5.34円
2020年12月の平均 14.03円
2021年1月の平均 66.51円
2021年2月の平均 8.12円
2021年1月の最高値 252.00円(1月15日 16:30〜17:00)

出典:日本卸電力取引所「スポット市場 取引結果」2020年度データ(エリアプライス東北・30分ごとの単純平均を当社集計)

高い時間が「数日」続いた
1日の平均が50円を超えた日は、1月4日から15日まで12日続きました。
1月の30分ごとの1,488コマのうち、50円以上は764コマ、100円以上は381コマです。
1月6日・7日・8日・13日は、その日いちばん安い時間でも60円を超えていました(13日は86円)。

実際の請求にも出ました

国民生活センターと消費者庁は、2021年8月の「トラブル速報」で、市場連動型のプランの相談を紹介しています。

月に3万円程度だった電気料金が突然 20 万円の請求になり驚いた。

これは事業を営む方の例です。一般の家庭の使用量とは違いますが、「単価が変わる」と聞いていても、どこまで上がるかは想像しにくいことを示しています。

電力・ガス取引監視等委員会によると、市場連動型の料金メニューについて、2021年1月から5月までに延べ約470件の相談が寄せられました。


蓄電池でずらせるのは「1日の中の差」だけです

ここが、この記事でいちばんお伝えしたい点です。

蓄電池は、電気を時間で動かす機械です。安い時間にためて、高い時間に使う。30分ごとの価格に連動するプランなら、この動きはそのまま電気代に効きます。

ただし、効く大きさはその日の「いちばん安い時間」と「いちばん高い時間」の差で決まります。

1日の最高と最低の差(平均) 1日のいちばん安い時間(平均)
2026年1月 9.91円 8.38円
2021年1月 99.97円 23.54円

出典:日本卸電力取引所の公開データ(エリアプライス東北)を当社集計

2021年1月は差も大きいのですが、いちばん安い時間の平均も23.54円でした。そして、1月13日のように、いちばん安い時間で86円という日があります。

この日に蓄電池にためた電気は、86円で買った電気です。夕方に使っても、高い電気であることは変わりません。

蓄電池が防げないもの
高い時間が1日のうち数時間だけなら、蓄電池でかなり避けられます。
高い日が何日も続くと、ためる電気そのものが高くなります。
蓄電池の容量は、ふつう家の1日分の電気には足りません。

蓄電池の容量と停電のときの持ち時間は、蓄電池が停電のとき何を何時間動かせるかで計算しています。カタログで6.5kWhの機種でも、初期の実効容量は5.5kWhです。

ふだんの冬なら、差はどれくらいか

2026年1月の東北の価格を、時間帯ごとに平均すると次のとおりです。

  • 昼12時台:8.74円(1日でいちばん安い時間帯)
  • 夕方17時台:15.50円(1日でいちばん高い時間帯)

1日の差の平均は9.91円です。かりに実効5.5kWhの蓄電池を毎日満タンにして、いちばん安い時間から高い時間へまるごと動かせたとしても、9.91円×5.5kWh=1日あたり約55円が上限の目安です(当社試算・充放電のロスや手数料を含まない)。

逆に、2026年9月は差の平均が22.45円まで広がりました。同じ計算で1日約123円です。差が大きい時期ほど、30分連動のプランと蓄電池の組み合わせは効きやすくなります。

冬の東北で高いのは、太陽光が発電していない夕方です

2021年1月の東北を時間帯別に見ると、いちばん高かったのは夕方17時台(116.48円)・18時台(117.83円)でした。2026年1月も、いちばん高いのは17時台です。

冬の東北では、17時にはもう日が沈んでいます。太陽光の電気を家で使って買う電気を減らせるのは、昼の時間だけです。

しかも冬は発電量そのものが少なくなります。12月の東北の発電量は、12月の発電量を東北7都市で比べた記事のとおり、日本海側では仙台の半分以下になる都市もあります。

「太陽光と蓄電池があるから、市場が高くなっても平気」は、冬の夕方については成り立ちにくい、というのが公開データから言えることです。


連動のしかたは3種類あります

蓄電池が効くかどうかは、プランが市場の価格をどう使っているかで決まります。

国の専門会合の資料は、市場連動型の主な種類を次の3つに分けています。

  1. コマごとの市場価格に基づいて、翌日の電気料金単価を算定するもの
  2. 直近複数月の市場価格平均に基づいて、各月の料金単価を算定するもの
  3. 市場価格が一定の価格帯をはみ出た場合、はみ出た分を基準単価に上乗せ、または割り引くもの

①のように30分ごとに単価が変わるプランなら、蓄電池で使う時間をずらすことに意味があります。

②のように数か月の平均で単価が決まるプランは、その月のうちはどの時間に使っても単価が同じです。蓄電池で時間をずらしても、単価は下がりません。効くのは、使う量そのものを減らすことだけです。

③は、どの価格を基準に何を上乗せするかがプランごとに違います。約款で確かめてください。

同じ「市場連動」でも
30分ごとに変わるなら、蓄電池でずらす意味がある。
数か月の平均で決まるなら、ずらしても単価は同じ。
ここを確かめずに「蓄電池があるから得」と考えない。


2026年度の東北の価格は、前の年より高めです

JEPXの公開データで、4月から9月の東北の月平均を比べました(当社集計・30分ごとの単純平均)。

月 2025年 2026年
4月 10.36円 14.57円
5月 9.80円 14.38円
6月 11.05円 15.29円
7月 13.00円 17.98円
8月 12.67円 15.68円
9月 11.33円 17.35円

出典:日本卸電力取引所「スポット市場 取引結果」2025年度・2026年度データ(エリアプライス東北を当社集計)

4〜9月の平均でみると、2025年は約11.4円、2026年は約15.9円です。

この先の冬の価格は、誰にも分かりません。2021年1月のような高騰が毎年起きるわけではありませんし、2025年度の冬(12月10.61円・1月11.84円)は落ち着いていました。

ただ、市場連動プランを選ぶということは、この数字の動きをそのまま引き受けるということです。

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契約の前に確かめる3つのこと

資源エネルギー庁の「電力の小売営業に関する指針」(2026年6月8日最終改定)は、料金が変わるプランについて、電力会社に変動の額の算出方法と上限の有無を説明することを求めています。

さらに、望ましい対応として、次のように書いています。

市場価格が大きく変動した過去の事例を用い、具体的な変動の額をグラフを用いて示すなどして、分かりやすく説明することが望ましい

この指針に沿って、契約の前に3つを聞いてください。

1. 連動のしかたはどれか

30分ごとか、数か月の平均か、価格帯をはみ出た分だけか。蓄電池が効くのは30分ごとのときだけと考えてください。

2. 単価に上限はあるか

指針は、上限の「有無」の説明を求めています。上限が無いプランもありうる、ということです。上限が無いなら、2021年1月の252円がそのまま単価に入るしくみかどうかを確かめてください。

3. 2021年1月だったら、うちはいくらになったか

指針が勧めている「過去の事例を用いた説明」です。電力会社や販売店に、自分の家の使い方で2021年1月の請求がいくらになったかを試算してもらってください。

当社で単純な目安を出すと、月に260kWhを使う家で、市場価格の部分だけをくらべても、2021年1月(平均66.51円)と2026年1月(平均11.84円)の差は1kWhあたり54.67円×260kWh=約1万4,000円になります(当社試算・30分ごとの単純平均で計算。実際の請求は使う時間帯・手数料・託送料金・再エネ賦課金などで変わります)。

冬の東北は夕方に電気を多く使う家が多いので、夕方の価格が高い月には、実際の差はこの単純平均より大きくなりえます。

当社が運営するソラカルテでは、太陽光・蓄電池を入れたときの電気代の変化を概算できます。市場連動プランかどうかを決める前に、まず自分の家の1年の電気の使い方をつかんでおくと、上の3つの答えを自分の家に当てはめやすくなります。

売電の側にも「市場連動」があります

卒FITのあと、余った電気を売る先にも、市場の価格に合わせて買取価格が変わるものがあります。考え方は買う側と同じで、高くも安くもなるということです。売電先の選び方は卒FITの売電先の選び方で整理しています。

ふつうの料金プランの選び方は、太陽光・蓄電池を入れたあとの料金プランの見直しをご覧ください。2026年11月1日からの東北電力の料金の見直しは、11月1日の料金改定の記事にまとめています。


よくあるご質問

Q1. 蓄電池があれば、市場連動プランのほうが得ですか?

A. プランの連動のしかたと、その年の市場の価格しだいです。30分ごとに単価が変わるプランなら、蓄電池で安い時間の電気を高い時間に回せます。ただし効くのは1日の中の差だけで、2026年1月の東北なら差の平均は9.91円でした。高い日が何日も続く年には、ためる電気そのものが高くなります。

Q2. いま東北電力の「よりそう+」のプランです。市場が高くなると電気代も上がりますか?

A. 東北電力の燃料費調整は、同社の説明では原油・LNG・石炭の価格で毎月決まるしくみで、JEPXの30分ごとの価格で単価が決まるプランではありません。ただし、燃料の価格や料金の改定で電気代は変わります。ご契約のプランの約款と、東北電力からのお知らせをご確認ください。

Q3. 2021年1月のような高騰は、また起きますか?

A. 分かりません。この記事で言えるのは、公開データで過去に起きたことと、2026年度の4〜9月の価格が前の年より高めだということだけです。だからこそ、契約の前に「上限の有無」と「2021年1月ならいくらだったか」を確かめておくことをおすすめしています。


まとめ

  • 2021年1月15日、東北エリアの市場価格は1kWh252円、1月の平均は66.51円だった
  • 1日の平均が50円を超えた日は12日続き、いちばん安い時間でも60円を超える日が4日あった
  • 市場連動プランは、30分ごと・数か月の平均・価格帯をはみ出た分など、連動のしかたが違う
  • 蓄電池でずらせるのは1日の中の差だけ。2026年1月の差の平均は9.91円
  • 冬の東北でいちばん高いのは夕方17〜18時台で、太陽光は発電していない
  • 契約の前に、連動のしかた・上限の有無・2021年1月ならいくらだったかの3つを聞く

蓄電池は、停電と日々の電気代の両方に役立つ設備です。ただ、市場の高騰から家を守る道具だと考えると、冬の東北では期待が外れることがあります。プランは、蓄電池とは別に選んでください。

※本記事は2026年10月8日時点で、日本卸電力取引所・電力・ガス取引監視等委員会・資源エネルギー庁・国民生活センター・東北電力が公開している情報にもとづいています。価格の集計と試算は当社が公開データから計算したもので、実際の電気料金はプランの約款・使用量・時間帯によって異なります。

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出典(2026年10月8日確認・すべて公式サイト)

監修・執筆:株式会社ファナス 代表取締役 不藤政次|宮城県・福島県・山形県・岩手県・秋田県・青森県・新潟県の各市町村で太陽光発電・蓄電池・V2H・エコキュートを施工販売。無料相談はこちら

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