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太陽光や蓄電池を入れたら、電気の料金プランは変えるべき?|東北電力の現行プランを並べて分かった判断の順番【東北・2026年版】

「太陽光を付けたので、電気の料金プランも変えたほうがいいと言われました。変えるべきでしょうか」

これは、答えがお宅ごとに正反対になるご質問です。変えたほうがいい家もあれば、絶対に動かしてはいけない家もあります。そして後者のほうが、東北では意外と多いのです。

理由は単純で、東北電力の家庭向けプランのうち、夜間が特に安かったプランは、すでに新規加入の受付を終了しているからです。今それを使っているお宅がいったん解約すると、二度と同じ条件には戻れません。

この記事では、①今も入れるプランと、もう入れないプランの整理、②主要プランの単価を並べた比較、③太陽光・蓄電池がある家で「1kWhの価値」がどう決まるか、④燃料費調整の上限がプランで違うという話、⑤再エネ賦課金との関係、を2026年8月10日時点の公式情報で整理します。

先に結論だけ申し上げると、動く前に見ていただきたい数字は3つです。①今のオール電化向けプランの昼夜差=7円00銭/kWh、②燃料費調整の上限価格=125,300円/kL(規制料金のみ)、③再エネ賦課金=4円18銭/kWh(全プラン共通)。 この3つが分かれば、切り替えるべきかどうかはご自身で判断できます。

なお当社は電気の小売はしていません。設備を入れる立場から、どの数字を見て判断すればよいかをお伝えします。

住宅の狭い通路に設置された貯湯タンクとヒートポンプユニット

▲ 当社施工事例:狭い通路に設置したエコキュート

まず、検針票で「今どのプランか」を確認してください

話はここからしか始まりません。

検針票(電気ご使用量のお知らせ)やWebの明細に、契約種別が書かれています。「従量電灯B」「よりそう+スマートタイム」「時間帯別電灯B」といった名前です。

ここで「時間帯別電灯」「ピークシフト」「ナイト8」「ナイト10」「ナイト12」「ナイトS」「シーズン&タイム」「サマーセーブ」のいずれかが書かれていたら、この記事の結論は「まず動かないでください」です。理由は次の章で説明します。


東北電力で今も入れるプラン、もう入れないプラン

東北電力の「一般のご家庭向けプラン」のページを2026年8月10日時点で確認すると、次のようになっています。

今も新規加入を受け付けているプラン

プラン 位置づけ
従量電灯A/B 規制料金(特定小売供給約款)。一般的な家庭向け
よりそう+eねっとバリュー 従量電灯B契約者向け。基本料金が従量電灯Bよりお得
よりそう+ファミリーバリュー 大人数世帯・日中も電気を使う家庭向け
よりそう+ナイト&ホリデー 平日22時〜8時と休日がお得
よりそう+スマートタイム オール電化住宅向け(現在の主力)
よりそう+おひさまeバリュー 太陽光+おひさまエコキュートのオール電化住宅向け

新規加入の受付を終了しているプラン

受付終了日 プラン
2023年3月31日 よりそう+ナイト8/ナイト10/ナイトS/シーズン&タイム/ナイト12/サマーセーブ
2016年3月31日 時間帯別電灯A/B/S、ピークシフト季節別時間帯別電灯

東北でオール電化の住宅にお住まいなら、「時間帯別電灯」または「よりそう+シーズン&タイム」を使っている方がかなりの割合でいらっしゃるはずです。エコキュートの深夜沸き上げを前提に組まれた、夜間の単価が安いプランですね。

これらは、もう新規では入れません。


旧プランを使っている家は、動く前に必ず立ち止まる

ここが今日いちばんお伝えしたいところです。

新規受付が終わっているプランは、継続して使うことはできても、一度やめたら戻れません。「太陽光を入れたのでプランを見直しましょう」と勧められてうっかり切り替えると、そのお宅にとって二度と手に入らない条件を手放すことになります。

しかも、太陽光や蓄電池を入れた直後は、新しい生活パターンでの1年分のデータがまだありません。真夏と真冬を1回ずつ通してみないと、昼と夜のどちらに電気が寄るのかが確定しないのです。特に東北は、冬の暖房と給湯で使用量が跳ね上がりますから、夏だけを見て判断すると必ず外します。

私たちがお客さまにお伝えしているのは、この順番です。

  1. 設置後、最低でも1年(真夏と真冬を1回ずつ)は今のプランのまま使う
  2. モニターアプリで時間帯別の買電量を記録する(1年分)
  3. その実績を持って、プラン変更のシミュレーションを東北電力に依頼する
  4. 旧プランを解約したら戻れないことを確認したうえで判断する

急ぐ理由は、基本的にありません。「今月中に切り替えないと」と急かす話があれば、それは電気のプランの都合ではなく、勧めている側の都合です。


主要プランの単価を並べてみます

判断材料として、現在新規加入できる主なプランの単価を並べます。いずれも東北電力の公式サイトに掲載されている税込単価です(2026年8月10日確認)。

プラン 基本料金 電力量料金
従量電灯B 30A 1,108円80銭/40A 1,478円40銭 〜120kWh 29円62銭/120〜300kWh 36円37銭/300kWh超 40円32銭
よりそう+スマートタイム 10kVA以下 4,356円00銭 平日昼間(8〜22時)36円86銭/休日・夜間 29円86銭
よりそう+おひさまeバリュー 10kVA以下 3,366円00銭 一律 35円27銭
よりそう+ナイト&ホリデー 3kVA 1,108円80銭/4kVA 1,478円40銭/5kVA 2,178円00銭/6kVA 2,877円60銭 平日昼間 〜60kWh 34円79銭/60〜140kWh 43円55銭/140kWh超 50円11銭、休日・夜間 27円27銭

※「休日」は土日・祝日および1/2〜1/4、4/30〜5/2、12/29〜12/31。スマートタイムとおひさまeバリューの基本料金は、10kVA(10kW)を超える分が1kVAあたり別途加算されます。

この表から読み取っていただきたいのは、現在のオール電化向けプラン(スマートタイム)の昼夜の差が、7円00銭/kWhしかないという事実です。36円86銭−29円86銭=7円00銭。かつての深夜電力のような「昼夜で3倍違う」構造ではなくなっています。

この7円という数字が、次の章の判断を全部決めます。

屋外の地面に据え付けられた積層型の家庭用蓄電池ユニット

▲ 当社施工事例:屋外に設置した家庭用蓄電池


太陽光・蓄電池がある家の「1kWhの価値」はこう決まる

蓄電池を入れるかどうか、どう運用するかは、突き詰めると「その1kWhをいくらの価値で使えるか」の話です。比べるべき数字は2つしかありません。

  • 売る場合の価値 = 売電単価
  • 自分で使う場合の価値 = そのとき買わずに済んだ電気の単価

2026年度に認定を取得した住宅用太陽光(10kW未満)の買取価格は、資源エネルギー庁の資料によれば24円/kWh(運転開始から4年目まで)+8.3円/kWh(5〜10年目)の10年間です。

ここに、さきほどの買電単価を重ねます。

FITの5年目から、蓄電池の価値が跳ね上がります

スマートタイム契約の家(夜間29円86銭)で、太陽光の余剰1kWhを蓄電池に貯めて夜に使う場合を考えます。

時期 売った場合 貯めて夜に使った場合
運転開始〜4年目 24円00銭 29円86銭 +5円86銭
5〜10年目 8円30銭 29円86銭 +21円56銭

同じ設備、同じ1kWhでも、5年目を境に価値が約3.7倍になるという構造です。従量電灯Bのまま(第3段階40円32銭)のお宅なら、5年目以降の差は32円02銭にもなります。

ここから導かれる実務的な結論は、こうです。

蓄電池の経済性は「今」ではなく「5年目以降の10年」で効いてくる。

だからこそ、蓄電池の容量は今の電気代ではなく、5年目以降の使い方から逆算するのが筋です。容量の考え方は蓄電池は何kWhが正解?東北の冬から逆算する容量の選び方に整理してあります。

「深夜に安く買って昼に使う」は、東北の新規プランではほぼ効きません

もうひとつ、はっきりさせておきます。

蓄電池の使い方として「深夜の安い電気を貯めて、昼の高い時間に使う」という運用(経済モード、深夜充電などと呼ばれます)があります。かつての時間帯別電灯のように昼夜差が大きいプランでは、これが有効でした。

ところが、現在新規加入できるスマートタイムの昼夜差は7円00銭/kWhです。

仮に10kWhを毎日きっちり夜に充電して昼に使い切ったとしても、単純計算で1日70円、年間25,550円。しかも蓄電池は充電と放電で必ずロスが出ますから、実際の差益はこれより小さくなります。天候の悪い日は太陽光の余剰も入ってきませんし、毎日満充放電を続ける運用は電池の劣化にも効いてきます。

つまり東北の新規契約では、蓄電池の主軸は「深夜電力の裁定」ではなく「太陽光の余剰を貯めること」です。夏と冬で運転モードをどう切り替えるかは夏の電気代は「設定」で変わるにまとめました。

逆にいえば、旧プラン(時間帯別電灯など)を今も使えているお宅は、深夜充電がまだ効く可能性があるということです。これも「動かないでください」とお伝えする理由のひとつです。

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燃料費調整の「上限」が、規制料金と自由料金で違います

もうひとつ、プラン選びで見落とされる論点があります。

電気料金には毎月、燃料費調整額が加算または差し引かれます。原油・LNG・石炭の価格(平均燃料価格)に応じて自動的に決まる仕組みで、東北電力の場合、基準燃料価格は原油換算で1キロリットルあたり83,500円、基準単価は低圧で19銭7厘(平均燃料価格が1,000円変動したときの1kWhあたりの変動額)と公表されています。

問題は、この調整に上限があるかどうかがプランによって違うことです。

  • 従量電灯B・Cなど(特定小売供給約款=規制料金):平均燃料価格が上限価格125,300円を超えた場合、上限に基づいて調整され、それを上回る変動分は請求されない
  • よりそう+の各プラン(自由料金)2022年12月分の電気料金から、燃料費調整における上限価格を廃止

対象プランは東北電力が明示しており、よりそう+eねっとバリュー、ファミリーバリュー、スマートタイム、おひさまeバリュー、ナイト&ホリデー、ナイト8/10/12/S、シーズン&タイム、サマーセーブ、時間帯別電灯A/B/S、ピークシフト季節別時間帯別電灯などが並んでいます。各プランのページにも「本プランでは、燃料費調整単価の算定に用いる平均燃料価格に上限を設定しておりません」と注記されています。

平常時は、この違いは表に出ません。 実際、直近の低圧の燃料費等調整単価は2026年8月分が▲11円23銭/kWh、2026年9月分が▲11円74銭/kWhで、規制部門・自由化部門とも同じ額です(いずれもマイナス調整=差し引き)。

差が出るのは、燃料価格が急騰したときだけです。そのとき、規制料金には上限のバリアがあり、自由料金にはない。2022年の高騰局面で実際に起きたことです。

自由料金プランは平常時の単価が有利に設計されていますから、これは優劣の話ではなく、「平常時の安さ」と「高騰時の上限」のどちらを取るかという選択です。太陽光と蓄電池で買う電気そのものを減らしているお宅なら、上限が無いことのリスクも相対的に小さくなります。ここも、自家消費を増やすことの見えにくい効き目のひとつです。


再エネ賦課金は、どのプランに変えても減りません

プラン比較の話をすると必ず抜け落ちるのが、この項目です。

再生可能エネルギー発電促進賦課金は、使用電力量1kWhあたりで全国一律に決まり、どの電力会社のどのプランを選んでも同じように加算されます。経済産業省が2026年3月19日に決定した単価は1kWhあたり4円18銭(税込)で、2026年5月分から2027年4月分の電気料金に適用されます。前年の3円98銭から上がりました。東北電力の発表では、契約電流30A・使用電力量260kWhの平均的なモデルで月額1,086円とされています。

つまり、賦課金はプランを変えても、電力会社を替えても減りません。減らす方法はひとつだけで、買う電気の量そのものを減らすこと——すなわち自家消費です。この考え方は電気代がまた上がる2026年、東北で「買う電気」を減らす自家消費の始め方に詳しく書きました。


売る契約と、買う契約は別物です

これも現場でよく混乱が起きるところなので、整理しておきます。

  • 買う電気:小売電気事業者との契約(東北電力、または新電力)
  • 売る電気:FITの買取事業者との契約(受給契約)
  • 配電線につなぐ:東北電力ネットワーク(送配電)

この3つは別の関係です。買う先を替えても、売電の契約が自動的に消えるわけではありませんが、事業者によって手続きの扱いが異なります。切り替えを検討するときは、「売電の受給契約はどうなるのか」を必ず先に確認してください。ここを確認せずに切り替えて、売電の入金が止まって初めて気づいた、という相談が実際にあります。

系統連系まわりの手続きは太陽光の見積書に載っていない「電力会社への費用」に整理してあります。


新電力を検討するときに見る3点

新電力(東北電力以外の小売事業者)を検討される場合、私たちがお伝えしているのは次の3点です。

  1. 市場連動型かどうか。 卸電力市場の価格に単価が連動するプランは、安いときは大きく安くなりますが、高騰時にそのまま跳ね返ります。太陽光がある家は昼の買電が少ないので相性がよく見えますが、東北の冬の夕方から夜は市場価格が高くなりやすい時間帯です。ここに家の使用量が集中していないかを先に確認してください
  2. 燃料費調整の上限があるか。 上で述べたとおりです。契約前に約款で確認できます
  3. 撤退したときにどうなるか。 小売事業者が撤退・倒産しても、すぐ電気が止まるわけではなく最終的な受け皿の仕組みはありますが、手続きと単価の負担は生じます。乗り換えの手間を年1回払える体力があるか、というのは現実的な判断材料です

そのうえで申し上げると、太陽光と蓄電池を入れた家は、そもそも小売から買う量が減っているぶん、プランを乗り換えて得られる金額も小さくなります。年に数千円の差を追いかけるより、自家消費率を数%上げるほうが効く、というのが実感です。


よくあるご質問

Q1. オール電化にするなら、どのプランになりますか。

A. 現在新規で加入できるオール電化向けは「よりそう+スマートタイム」です。太陽光を設置していて、かつ昼に沸き上げる「おひさまエコキュート」を使う場合は「よりそう+おひさまeバリュー」という選択肢もあります。おひさまeバリューは時間帯による単価差がなく一律35円27銭で、基本料金がスマートタイムより月990円安い設定です(10kVA以下の場合)。ただし対象機器の条件がありますので、東北電力にご確認ください。おひさまエコキュートそのものの判断基準はおひさまエコキュートは太陽光と「自動で連携」しませんに書いています。

Q2. 従量電灯Bから「よりそう+」に変えると、必ず安くなりますか。

A. いいえ。東北電力自身が各プランのページで注意書きをしています。シミュレーション上は安くなる場合でも、条件によっては安くならないことがあり、例として①振込用紙での支払いを希望する場合などに書面発行手数料(税込110円/月)がかかること、②燃料費が著しく高騰して自由料金の燃料費等調整単価が従量電灯B・Cの上限を超える場合、③従量電灯B・Cにある停電時の料金割引(1日延べ1時間以上の停電等が生じた場合の割引)が適用されなくなること、が挙げられています。単価表の比較だけで決めないでください。

Q3. 太陽光を付けたら、契約アンペア(契約容量)は下げられますか。

A. 太陽光は日中の買電を減らしますが、契約容量は「同時に何kW使うか」で決まります。冬の朝、エコキュートの沸き上げと暖房と炊飯器が重なる瞬間の値が基準です。発電しない時間帯や積雪時にこそピークが来るのが東北ですから、安易に下げるとブレーカーが落ちます。なお、オール電化向けプランは契約容量の決め方に「実量契約」と「主開閉器契約」の選択があり、蓄電池やV2Hを入れると同時使用の形も変わります。下げる判断は、1年分の実績を見てからにしてください。


まとめ

  • 東北電力で夜間が特に安かったプラン(時間帯別電灯、シーズン&タイム、ナイト各種など)は新規受付を終了している。使っているなら動く前に立ち止まる
  • 現在新規で入れるオール電化向け「よりそう+スマートタイム」の昼夜差は7円00銭/kWh。深夜に貯めて昼に使う運用の妙味は小さい
  • 蓄電池の主軸は太陽光の余剰を貯めること。2026年度認定の売電は24円(〜4年目)→8.3円(5〜10年目)なので、5年目から自家消費の価値が跳ね上がる
  • 燃料費調整は、従量電灯Bなど規制料金には上限価格125,300円/kLがあり、よりそう+の各プランは2022年12月分から上限を廃止している
  • 再エネ賦課金(2026年5月分〜2027年4月分は4円18銭/kWh)は、プランを変えても減らない。減らせるのは自家消費だけ
  • プラン変更の判断は、真夏と真冬を1回ずつ通した1年分の実績を持ってから

プランの数字は毎年動きますが、「1kWhをいくらの価値で使えるか」で考えるという軸は変わりません。太陽光や蓄電池を入れたあとの使い方でご相談があれば、実際の設備の構成を見ながらお答えします。

出典(2026年8月10日確認)

※本記事は2026年8月10日時点の情報です。料金単価・燃料費調整単価・賦課金単価は改定されます。ご契約前に東北電力および各小売電気事業者の公式サイトで最新の内容をご確認ください。

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監修:株式会社ファナス|宮城県・福島県・山形県・岩手県・秋田県・青森県・新潟県の各市町村で太陽光発電・蓄電池・V2H・エコキュートを施工販売。無料相談はこちら

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