12月の秋田の屋根に届く日射は、仙台の4割です|5kWの太陽光が冬に1日何kWh発電するのか、NEDOの日射量データで東北7都市を比べる【東北・2026年版】

12月、南向きで30度に傾けた屋根に1日に届く日射は、仙台で1平方メートルあたり3.39kWhです。
同じ条件で、秋田は1.35kWh。仙台の4割です。
ところが1年間の合計で比べると、秋田は仙台の8割5分あります。年間ではそれほど変わらないのに、冬だけ差が大きく開く。これが東北の太陽光の特徴です。
先に結論
12月の発電量は、同じ東北でも都市によって2倍以上ちがいます。
5kWの太陽光なら、12月の1日の発電は仙台で12〜14kWh、秋田・青森で5kWh前後が目安です(雪がパネルに載っていない日の計算)。
太平洋側の仙台・福島は冬も晴れ、日本海側の秋田・青森・新潟は冬の日射がぐっと減ります。
見積もりの発電シミュレーションは、年間の合計ではなく「12月と1月の行」を見てください。

▲図解:冬の日射は、太平洋側と日本海側で大きく分かれます
この記事の日射量は、国立研究開発法人NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公開している日射量データベースの値です。当社の発電シミュレーションに組み込んでいるデータを、NEDOの元データと照らし合わせたうえで使っています。2026年10月7日時点の情報です。
NEDOの日射量データは「9年間の月平均」です
使ったのは、NEDOの「MONSOLA-20」というデータベースです。NEDOの解説書は、次のように説明しています。
MONSOLA-20 は、統計期間 2010 年~2018 年の全国 1km メッシュ、月平均の推定値を収録したデータベースです。
つまり、2010〜2018年の9年間を平均した、各月の1日あたりの日射量です。全国を1km四方に区切った区画ごとに値があります。
気象庁が日射を観測している地点は全国で約50か所しかありません。NEDOはそれ以外の場所を、日照時間や気象衛星ひまわり8号のデータから推定しています。
屋根の向きと傾きごとの値も入っています。
傾斜面日射量に関しては、方位角が 0 度~345 度までの 15 度刻み、傾斜角は 0 度~90 度までの 10 度刻みで収録しました。
この記事では、住宅の屋根でよくある「真南向き・傾き30度」の値を使います。地点は各県庁所在地(新潟は新潟市中央区)の区画です。

▲ 当社施工事例:冬の朝の瓦屋根の太陽光パネル
12月の日射を、東北7都市で並べます
南向き30度の屋根に届く日射量(1平方メートルあたり・1日)です。比べるために5月と年間の合計も並べました。
| 都市 | 12月 | 5月 | 12月は5月の何割か | 年間合計(kWh/㎡) |
|---|---|---|---|---|
| 仙台 | 3.39 | 5.28 | 6割4分 | 1,569 |
| 福島 | 2.70 | 5.23 | 5割2分 | 1,481 |
| 盛岡 | 2.49 | 5.04 | 4割9分 | 1,467 |
| 山形 | 2.06 | 5.23 | 3割9分 | 1,437 |
| 新潟 | 1.60 | 5.26 | 3割 | 1,386 |
| 青森 | 1.46 | 5.25 | 2割8分 | 1,373 |
| 秋田 | 1.35 | 4.81 | 2割8分 | 1,316 |
| (参考)東京 | 3.99 | 5.28 | 7割6分 | 1,605 |
(出典:NEDO MONSOLA-20。単位は12月・5月がkWh/㎡・日。年間は月平均×日数の合計)
表から読めることは3つあります。
- 5月は、どの都市もほぼ同じです。5.0前後で、東京とも変わりません
- 12月は、仙台と秋田で2.5倍の差があります
- 年間合計の差は、いちばん大きくても1割6分(仙台と秋田)です
年間の合計だけを見ると、東北のどこに住んでいても発電量は大差ないように見えます。差が出るのは冬です。
太平洋側は冬も晴れ、日本海側は曇る
この差は、冬の天気の差そのものです。気象庁の平年値(1991〜2020年)で、12月の日照時間を並べます。
| 都市 | 12月の日照時間(平年値) |
|---|---|
| 仙台 | 136.3時間 |
| 福島 | 118.7時間 |
| 盛岡 | 103.7時間 |
| 山形 | 73.8時間 |
| 新潟 | 62.9時間 |
| 青森 | 50.4時間 |
| 秋田 | 45.3時間 |
(出典:気象庁 過去の気象データ 平年値)
冬の季節風は、日本海で湿った空気になって雪雲をつくり、奥羽山脈にぶつかって日本海側に雪を降らせます。山を越えた太平洋側には、乾いた風が吹き下ろして晴れの日が多くなります。
12月の秋田の日照時間は、仙台の3分の1です。日射量の差は、この日照の差と同じ並びになっています。
同じ県の中でも、山あいと沿岸で条件は変わります。お住まいの場所の値は、NEDOの日射量データベース閲覧システムで地図から調べられます。
冬の日射は「傾けた屋根」でいちばん増えます
もう1つ、冬に特有の点があります。パネルを傾けると、冬の日射は大きく増えることです。
仙台の12月は、水平な面だと2.02kWhですが、南向き30度に傾けると3.39kWhになります。1.68倍です。5月は水平5.26、30度5.28で、ほとんど変わりません。
冬は太陽の高さが低いので、水平な面には日差しが斜めから浅く当たります。南に傾けた面は、低い太陽の光を正面に近い角度で受けられます。
| 都市 | 12月 水平な面 | 12月 南向き30度 | 傾けた効果 |
|---|---|---|---|
| 仙台 | 2.02 | 3.39 | 1.68倍 |
| 福島 | 1.77 | 2.70 | 1.53倍 |
| 盛岡 | 1.59 | 2.49 | 1.57倍 |
| 山形 | 1.50 | 2.06 | 1.37倍 |
| 秋田 | 1.06 | 1.35 | 1.27倍 |
(出典:NEDO MONSOLA-20。単位はkWh/㎡・日)
晴れの多い太平洋側ほど、傾けた効果が大きくなります。曇りの日の光は空全体から届くので、傾けても増えにくいためです。
屋根の向きと傾きは、冬の発電にいちばん効きます。
東西向き・北向きの屋根や、傾きの浅い屋根に載せる場合は、冬の発電が南向き30度より下がります。シミュレーションでは必ず実際の向きと傾きで計算してもらってください。
向きの考え方は「北向きの屋根だから無理」と断られた方へにまとめています。
5kWの太陽光なら、12月は1日何kWh発電するか
日射量から発電量を出すには、パネルの容量と、損失の分を掛けます。
太陽光発電協会(JPEA)の表示ガイドラインは、損失について次のように書いています。
発電電力は最大でも次の損失により、太陽電池容量の 70~80%程度になります。
損失の中身は、パネルの温度による低下、パワーコンディショナの変換の損失、汚れ・配線の損失です。
この「70〜80%」を使って、5kWの太陽光(南向き30度)の12月の発電量を計算しました。
| 都市 | 12月の1日あたり | 12月の1か月(31日) |
|---|---|---|
| 仙台 | 11.9〜13.6kWh | 368〜420kWh |
| 福島 | 9.4〜10.8kWh | 293〜335kWh |
| 盛岡 | 8.7〜10.0kWh | 270〜309kWh |
| 山形 | 7.2〜8.2kWh | 224〜255kWh |
| 新潟 | 5.6〜6.4kWh | 174〜198kWh |
| 青森 | 5.1〜5.8kWh | 158〜181kWh |
| 秋田 | 4.7〜5.4kWh | 146〜167kWh |
(計算:12月の南向き30度の日射量×5kW×0.7〜0.8。当社計算)
この表は「雪がパネルに載っていない日」の計算です。
JPEAのガイドラインも「年間推定発電量には、影、積雪、経年劣化、出力制御等による影響は考慮されておりません」としています。雪が積もった日は、ここからさらに下がります。
なお、冬はパネルの温度が低いので、夏より損失が小さくなります。JPEAのガイドラインの参考値でも、温度などの補正係数は12月が0.90、6〜9月が0.80です。冬の発電を下げているのは気温ではなく、日射の少なさと雪です。夏と温度の関係は太陽光は「夏がいちばん発電する」わけではありませんで書きました。
雪がパネルを覆っている間は、発電が止まります
雪の影響は、日射量のデータには入っていません。
環境省 東北地方環境事務所の資料は、次のように書いています。
太陽光パネルの表面が雪で覆われている間は、発電量が低下します。しかし、年間発電量は冬季の発電量だけで決まるものではありません。
新潟県十日町市の案内は、もっとはっきり書いています。
降雪時に太陽光パネルに積雪があると、発電を行わなくなるため、なるべく積雪しないように設置する必要があります。
日本海側の都市は、12月の日射が少ないうえに、雪で覆われる日も重なります。秋田・青森・新潟で、12月の発電が上の表よりさらに小さくなる月があるのは自然なことです。
ただし、同じ環境省の資料は、国のZEH補助事業の実績として、東北6県の住宅の太陽光は1kWあたり年間おおむね1,000〜1,200kWh発電していると紹介しています。
| 県 | 1kWあたりの年間発電量(実績) |
|---|---|
| 福島 | 約1,184kWh |
| 宮城 | 約1,169kWh |
| 青森 | 約1,110kWh |
| 山形 | 約1,089kWh |
| 岩手 | 約1,085kWh |
| 秋田 | 約1,011kWh |
(出典:環境省 東北地方環境事務所。環境共創イニシアチブのZEH実証事業調査結果(2025年版)を基に作成されたもの)
雪の多い県でも、年間では1kWあたり1,000kWhを超えています。春から秋の発電が、冬の落ち込みを取り返しているからです。
雪をパネルから自然に落とすことも大事です。JPEAの注意喚起は、発電の面からは「積もった雪は速やかに滑り落ちてしまうことが望まれます」としたうえで、パネルの上での雪下ろしはしないよう呼びかけています。落雪の注意点は太陽光パネルからの落雪と雪止めにまとめました。
見積もりのシミュレーションは「12月と1月の行」を見る
太陽光の見積もりには、たいてい発電シミュレーションが付いています。見てほしいのは、年間の合計よりも月別の表です。
- 12月・1月の発電量が、お住まいの地域の日射に合っているか。日本海側なのに、冬の発電が太平洋側と同じような数字になっていないか
- 何の日射量データを使っているか。NEDOのデータか、どの地点の値か
- 屋根の実際の向き・傾きで計算しているか。「南向き30度」のままになっていないか
- 損失(70〜80%)を見込んでいるか。容量×日射量だけで計算していないか
- 雪の影響をどう扱っているか。考慮していないなら、そう書いてあるか
とくに冬の電気代を太陽光でどれだけ下げられるかを考えている方は、12月・1月の数字が、その計算の土台になります。冬に発電が少ない地域では、冬の電気代の下がり方は春や秋より小さくなります。
11月からの東北電力の料金改定については2026年11月1日、東北電力の電気料金が変わりますをご覧ください。冬の発電と日照時間の考え方は東北・雪国の太陽光は本当に発電する?でも扱っています。
当社が運営するソラカルテでは、お住まいの地域と屋根の条件から、太陽光・蓄電池の効果をおおまかに試算できます。見積書のシミュレーションと見比べる材料にしてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 冬に発電が少ないなら、日本海側では太陽光は損ですか。
A. 年間で見てください。環境省の資料では、秋田県の住宅の実績も1kWあたり年間約1,011kWhあります。冬が少ない分は、春から秋の発電でまかなう形です。ただし、冬の電気代を大きく下げたいという目的には合いにくいので、何を目的に載せるかを先に決めてください。
Q2. 12月の発電量を自分の家で確かめるには。
A. すでに太陽光がある方は、発電モニターや電力会社の明細で12月の発電量(kWh)を見て、パネルの容量(kW)で割ってください。この記事の表の「1日あたり」に31日を掛けた値を5kWで割ったものと比べると、目安になります。雪の多い年は下がります。
Q3. 冬の発電を増やすために、パネルの角度を急にできますか。
A. 屋根に載せる場合、基本は屋根の傾きに沿って設置します。角度を付ける架台は、風や雪の荷重の条件が変わるので、屋根の構造とあわせて施工店に相談してください。新築の場合は、屋根の形を決める段階で検討できます。
まとめ
- NEDOのMONSOLA-20で、南向き30度の屋根に届く12月の日射は、仙台3.39、秋田1.35kWh/㎡・日。2.5倍の差がある
- 5月はどの都市もほぼ同じ。差が開くのは冬だけで、年間合計の差は最大1割6分
- 差の正体は冬の天気。12月の日照時間は仙台136.3時間、秋田45.3時間
- 冬は太陽が低いので、傾けた屋根の効果が大きい(仙台で水平の1.68倍)
- 5kWなら12月の1日の発電は、仙台11.9〜13.6kWh、秋田4.7〜5.4kWh(損失70〜80%で計算・雪の影響は含まない)
- 雪で覆われている間は発電が止まる。それでも東北6県の実績は1kWあたり年間1,000kWh以上
- 見積もりのシミュレーションは、12月・1月の行と、使っている日射量データ・向き・傾きを確かめる
冬の発電は、住んでいる場所でほぼ決まります。数字を知っておけば、冬に発電モニターを見て不安になることも減るはずです。
※本記事は2026年10月7日時点でNEDO・気象庁・太陽光発電協会・環境省 東北地方環境事務所・十日町市が公開している情報にもとづいています。日射量は2010〜2018年の平均の推定値で、実際の発電量は天候・積雪・影・機器によって変わります。
当社が運営する「ソラカルテ」では、太陽光・蓄電池の見積書をその場で無料AI診断できます。電話番号の登録は不要です。
出典(2026年10月7日確認・すべて公式サイト)
- NEDO「日射量データベース」:https://www.nedo.go.jp/seika_hyoka/ZZFF_100041.html
- NEDO「日射量データベースの解説書」:https://www.nedo.go.jp/content/100930737.pdf
- NEDO 日射量データベース閲覧システム:https://domessolar.infop.nedo.go.jp/appww/
- 気象庁 過去の気象データ 平年値(仙台):https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/nml_sfc_ym.php?prec_no=34&block_no=47590&year=&month=&day=&view=(盛岡・山形・秋田・福島・青森・新潟も同じページの地点別)
- 太陽光発電協会「表示ガイドライン(2021年度)」:https://www.jpea.gr.jp/wp-content/themes/jpea/pdf/guideline_r03.pdf
- 環境省 東北地方環境事務所「雪国でも、年間を通じて太陽光発電を利用できます」:https://tohoku.env.go.jp/content/000420410.pdf
- 十日町市「太陽光パネル設置の際の注意点について」:https://www.city.tokamachi.lg.jp/material/files/group/21/panerusetti_tyuiten.pdf
- 太陽光発電協会「太陽電池パネルからの落雪事故防止について」(十日町市掲載):https://www.city.tokamachi.lg.jp/material/files/group/21/taiyokotyui.pdf
監修・執筆:株式会社ファナス 代表取締役 不藤政次|宮城県・福島県・山形県・岩手県・秋田県・青森県・新潟県の各市町村で太陽光発電・蓄電池・V2H・エコキュートを施工販売。無料相談はこちら
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