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19戸のうち、9戸が埋まっています|補助金は「予算」ではなく「件数」で閉まることがある——岩手県の新築補助と、東北の市町村の件数枠の読み方【2026年版】

補助金は件数枠で閉まる|東北の市町村の残り件数の読み方

先に結論
補助金が閉まる理由は3つあります。期日・予算額・そして「件数」です。
岩手県の新築補助は募集19戸に対して受付9戸(8月末時点)。新潟県・十和田市・六戸町は「予定件数に達した」で今年度の受付を終えました。
件数枠は、1件の単価が高い設備ほど小さく、先に埋まります。福島県の町には太陽光6件・蓄電池3件、あるいは太陽光1件という枠があります。
聞くべきは「まだありますか」ではなく「◯◯の枠は、いつ時点で何件残っていますか」です。

19戸のうち、9戸が埋まっています。

岩手県の「いわて省エネルギー住宅建設推進事業費補助金」(新築向け)の、令和8年8月末時点の申請状況です。募集戸数は断熱等性能等級6が11戸、等級7が8戸の計19戸。受付は等級6が2戸、等級7が7戸の計9戸。等級7は8戸中7戸まで埋まり、残り1戸です。受付期間は12月4日までですが、県のページには「補助金の交付申請額が予算額に達した場合は、受付終了予定日より前に申請受付を停止します」と書いてあります。

この数字を見て気づいたのが、今回の記事のテーマです。補助金が閉まる理由は、期日(記事104)予算額(記事85)だけではありません。「件数」「戸数」で閉まる制度が、東北の県と市町村にはたくさんあります。そして件数枠は、予算額の枠よりも読み方にコツがいります

この記事では、東北6県と新潟県の県・市町村のうち、公式ページに件数・戸数の枠を明記している制度を2026年9月14日時点で読み直し、件数枠の「閉まり方」と「聞き方」を整理します。

閉まる理由は3つ。「件数」だけ、読み方が違います

補助金の受付が終わる理由を、公式ページの文言で分けると次の3つです。

閉まる理由 公式ページの文言の例 読者が見るもの
期日 「交付申請の受付は9月30日まで」 カレンダー。予算が残っていても閉まる(記事104)
予算額 「予算額27,148,000円に対し申請額24,730,000円」 消化率。先着なら残額がそのまま残り枠(記事85・95)
件数・戸数 「募集19戸に対し受付9戸」「予定件数に達したため受付終了」 残り件数。ただし「予定」「程度」は動く

予算額の枠は、金額が1つなので読みやすい。「残り240万円、上限20万円の制度なら12件分」と自分で割り算できます。

件数枠が読みにくいのは、件数が「予算額÷1件の上限額」で決められているからです。上限額で申請する人ばかりなら予定どおりの件数で閉まりますが、上限より少ない額の申請が続けば、件数枠を超えても予算が残ります。逆に言えば、「予定件数」は「これ以上は受け付けない」という約束ではなく、「予算がこれくらい持つ」という見込みです。だから公式ページの多くは「予定」「程度」「おおよそ」を付けています。


県レベルでも「件数」で閉まります——岩手・福島・新潟

まず県の制度から。3県が、件数・戸数の枠を公式に出しています。

制度 件数・戸数の枠(公式の記載) 2026年9月14日時点の状況
岩手県 いわて省エネルギー住宅建設推進事業(新築) 募集19戸(等級6が11戸・等級7が8戸) 8月末時点で受付9戸(等級6が2戸・等級7が7戸)。受付は12月4日まで、予算到達で前倒し停止
福島県 住宅用太陽光発電設備等導入支援補助金 太陽光2,200件程度・蓄電池800件程度・V2H 20件程度 先着。「申請額が予算額を超過した場合、応募期間内であっても募集を締め切ります」。受付は2027年3月12日まで
新潟県 雪国型ZEH等導入促進補助金 組合せごとに予定件数 9月11日18時に「申請件数が予定件数に達したため、全ての組合せについて申請受付を終了」

3県で、閉まり方が違います。

岩手県は「戸数」と「予算額」の両方を書き、どちらかに達したら止める型です。等級7の残り1戸は、次の1件で埋まります。等級6は11戸中2戸なので、こちらはまだ余裕があります——ただし、等級7を希望していた方が等級6に流れると、等級6も速く減ります

福島県は、太陽光2,200件・蓄電池800件と枠が大きく、「程度」が付いています。V2Hだけ20件程度と小さいので、V2Hを福島県の制度で申請する方は、県のセンターに残り件数を聞いてから契約するのが安全です。

新潟県は、4月24日に受付を始めて、9月11日に全組合せで終了しました。公式ページには「申請数が予定件数に達した場合は、申請受付期間中であっても受付を終了します。達した後の申請については受付できません」と明記されています。記事104で新築の補助金として触れた制度ですが、2日前に閉まっていたのを、記事の裏取りで見つけました。県レベルでも、件数で閉まります。

瓦屋根に設置した太陽光パネル。冬の朝の山あい

▲ 当社施工事例:瓦屋根に載せた太陽光パネル


市町村の件数枠——「予定件数に達したため終了」は、もう出ています

次に市町村です。公式ページに件数枠を明記している自治体を、状況別に並べます。金額や要件の詳細は各記事(宮城山形岩手福島)と、当社が運営するサイト「ソラカルテ」の補助金検索を見てください。ここでは件数だけを取り出します。

①「予定件数に達した」で、すでに終わっている自治体

自治体 制度 公式ページの文言(確認日 2026年9月14日)
青森県十和田市 住宅用自家消費型太陽光発電設備等導入支援事業費補助金 「予定件数に達しましたので、受付を終了いたしました」(受付予定は12月28日まで、6月23日開始)
青森県六戸町 住宅用自家消費型太陽光発電設備等導入支援事業費補助金 「予定件数に達しましたので受付を終了いたしました」(7月15日開始)
山形県飯豊町 脱炭素先行地域づくり事業補助金(蓄電池) 「蓄電池は交付予定件数に達しましたので、申請受付は終了しました(令和8年7月7日)」。交付予定件数5件。太陽光は15件中4件(7月16日時点)で受付中

十和田市と六戸町は、青森県の制度と一体で動く市町村の上乗せ分です。6月・7月に受け付けを始めて、9月には閉まっている。「12月28日まで」という受付予定日は、件数枠の前では目安でしかありません。

飯豊町は、記事85でも触れた「設備単位で閉じる」の代表例です。蓄電池は上限118万円/戸で5件、太陽光は上限104万円/戸で15件。単価の高い蓄電池の枠が、7月7日に先に埋まりました。同じ日、太陽光は15件中4件しか入っていません。

②件数枠を公表していて、まだ受け付けている自治体

自治体 制度 件数枠(公式の記載) 備考
青森県つがる市 住宅用自家消費型太陽光発電設備等導入支援事業費補助金 「10件程度を予定」 先着・予算到達で終了。受付は12月28日まで
宮城県気仙沼市 住宅用スマートエネルギー設備普及促進事業補助金 「55件程度」(太陽光4万円・蓄電池5万円・燃料電池5万円の定額) 予定額がなくなり次第終了。受付は2027年1月29日まで
福島県伊達市 住宅用再生可能エネルギー設備等設置費補助金 蓄電池35件・V2H 3件 「予算がなくなり次第、受付終了」。受付日は書類が不備なくそろった日
福島県桑折町 住宅用再生可能エネルギーシステム設備等設置費補助制度 太陽光19件・蓄電池16件・V2H 2件・ストーブ2件(「件数はおおよそ」) 先着。工事終了かつ受給契約成立後に申請(完成後申請)
福島県古殿町 一般住宅用太陽光発電設備設置費補助事業 太陽光6件(予算96万円)・蓄電池3件(予算60万円) 着工前申請
福島県小野町 再生可能エネルギー推進事業補助金 太陽光5件・蓄電池5件 先着。受付は2027年3月15日まで
福島県猪苗代町 住宅用太陽光発電システム設置事業費補助金 補助予定件数5件 着工前申請。蓄電池は対象外
福島県柳津町 住宅用新エネルギー設備等設置費補助金 太陽光:募集件数1件(当初予算) 交付決定前の着工は対象外。募集は12月23日まで
福島県南相馬市 住宅用蓄電池導入支援事業補助金 「残48件程度」(8月31日時点) 先着。残件数を公表している

表を見て分かることが3つあります。

  1. 枠は「制度」ではなく「設備」ごと。伊達市は蓄電池35件に対してV2Hは3件、桑折町はV2Hが2件。福島県のV2Hも20件程度。V2Hは、どの制度でも枠がいちばん小さい
  2. 1桁の枠がふつうにある。古殿町の太陽光6件・蓄電池3件、小野町の各5件、猪苗代町の5件、そして柳津町の1件。町の予算は年間で60万円〜100万円ほど(古殿町の蓄電池は60万円)で、上限20万円の制度なら3件で終わる計算です
  3. 残り件数を公表している自治体は少ない。南相馬市(残48件程度・8月31日時点)は数少ない例で、多くの自治体は「予定件数」を出したきり、埋まると「終了しました」に変わります。途中経過は、電話で聞くしかありません

なお、ソラカルテのデータで件数枠が載っていた自治体のうち、三島町(令和8年度の案内ページが見当たらず)、下郷町(ページの更新が2022年)、浅川町(枠の記載がページから消えていた)の3町は、9月14日時点で公式ページから件数を確認できませんでした。これらは表に載せていません。役場に直接お尋ねください。


件数枠で気をつける4つのこと

件数枠の制度に申請するとき、予算額の制度と違うところを4つ挙げます。

1. 「予定」「程度」は、増えることも減ることもある

つがる市の「10件程度」、気仙沼市の「55件程度」、桑折町の「件数はおおよそ」——これらは予算額から逆算した見込みです。上限額より少ない申請が続けば11件目、12件目も通ることがありますし、逆に補正で予算が動けば減ることもあります。「10件と書いてあるから、自分は9番目で大丈夫」という数え方はできません。

2. 受付日は「書類がそろった日」

伊達市の公式ページには「受付日は、書類が到着した日ではなく、到着した書類が不足・不備なくすべて揃った日となります」「書類に不足・不備があった場合で、連絡が取れない時は受付とならず、先にすべて揃った方が優先となります」と書かれています。件数枠が小さい制度ほど、書類の不備1つで順番が入れ替わります

3. 同じ日に枠に達したら、抽選になる自治体がある

東松島市の重点対策加速化事業補助金は先着ですが、「予算額の上限に達した同日に提出された申請者は、抽選になります」と明記しています。件数枠の最後の1件は、「先着」と書いてあっても抽選になりうる、ということです。記事95で書いた「何を抽選するか」は、ここでも聞いてください。

4. 取り下げで空くことがある

山形県山辺町は、8月19日に「申請の取り下げで予算に空きが出た」として受付を再開しました(記事26)。件数枠の制度でも、交付決定後に工事を取りやめた人が出れば、1件ぶん空きます。「終了しました」と書かれた自治体も、月に一度は公式ページを見直す価値があります。


東北で件数枠を追うときの、もう1つの期限——工事の完了日

件数枠の制度には、もう1つ見落としやすい期限があります。工事の完了期限です。

  • 岩手県:令和9年3月15日までに完了する事業が対象
  • 柳津町:令和9年3月10日までに工事を完了し、3月23日までに実績報告
  • 伊達市:年度内に設置・保証開始
  • 桑折町:完成後申請(工事終了かつ受給契約成立後に申請書を提出)

東北では、12月から3月は屋根の工事ができない日が続きます。件数枠が残っていて申請が通っても、工事が雪で止まれば完了期限に間に合いません。とくに桑折町のような「完成後申請」の制度は、工事が終わらなければ申請そのものができず、その間に枠が埋まることもあります。

件数枠の制度は、「枠が残っているか」と「雪の前に工事が終わるか」の2つを同時に見る必要があります。9月に相談して10〜11月に工事、というのが、東北で件数枠を確実に使う段取りです。

黒い外壁の戸建ての屋根に設置した太陽光パネル

▲ 当社施工事例:屋根に太陽光を載せた戸建て


役場に電話するときの聞き方

以上をまとめて、件数枠の制度で役場に聞くことを5つにします。

  1. 「◯◯(設備名)の枠は、いつ時点で何件残っていますか」——制度全体ではなく設備ごとに。「まだありますか」では、太陽光の枠を答えられて蓄電池の枠が埋まっていることに気づけません
  2. 「予定件数を超えても、予算が残っていれば受け付けますか」——「程度」「予定」の意味を、その自治体の運用で確かめる
  3. 「受付日は、書類がそろった日ですか、届いた日ですか」——伊達市型なら、不備をなくすことが順番を守ること
  4. 「最後の1件が同じ日に重なったら、どうなりますか」——先着か抽選か
  5. 「取り下げで空きが出たら、公式ページで告知しますか」——山辺町型の再開を拾えるかどうか

そして、聞いた日付と担当課名をメモしておいてください。件数枠は、聞いた翌週には変わっています。

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よくある質問

Q1. 「予定件数5件」の町で、自分が6件目になりそうです。申請しても意味がありませんか。

A. 意味はあります。予定件数は「予算額÷上限額」の見込みなので、先の5件が上限額より少ない申請なら、予算が残っていて6件目も通ることがあります。ただし、役場によっては件数で厳密に止める運用もあります。「予定件数を超えても予算が残っていれば受け付けますか」を、申請前に聞いてください。

Q2. 県の制度と町の制度、どちらも件数枠です。両方申請できますか。

A. 制度によります。国と自治体の併用可否は記事102で整理しましたが、県と市町村の間も同じで、「県の補助を受けていないこと」を要件にする自治体と、併用可と明記する自治体があります。十和田市・六戸町・つがる市の制度は青森県の制度と一体で動くタイプで、県の枠と市町村の枠の両方が関係します。どちらの枠が先に埋まるかも含めて、市町村の担当課に聞くのが確実です。

Q3. 枠が埋まって「終了しました」と出ていました。来年度まで待つしかありませんか。

A. 3つ確かめてください。①取り下げで空きが出て再開する例(山辺町)があるので、月に一度は公式ページを見る ②県の制度(福島県は2027年3月12日まで・枠が大きい)や国の制度が残っていないかを見る ③補助金を待たずに進める判断も、電気代の差額次第では正解になります。記事97に「補助金を待たない判断」の考え方を書いています。


まとめ

  • 補助金が閉まる理由は期日・予算額・件数の3つ。件数枠は「予算額÷上限額」の見込みなので、「予定」「程度」は動く
  • 岩手県の新築補助は19戸中9戸(8月末)で等級7は残り1戸。新潟県の雪国型ZEHは9月11日に「予定件数に達した」で全組合せ終了。十和田市・六戸町も予定件数到達で終了、飯豊町は蓄電池5件が7月7日に埋まり太陽光は15件中4件
  • 市町村の枠は設備ごとに分かれ、V2Hがいちばん小さい(福島県20件・伊達市3件・桑折町2件)。町では太陽光6件・蓄電池3件(古殿町)、太陽光1件(柳津町)という枠がある
  • 受付日は「書類がそろった日」(伊達市)、最後の1件は同日なら抽選(東松島市)、取り下げで再開(山辺町)——件数枠は運用のルールまで聞く
  • 東北では工事の完了期限(岩手県3月15日・柳津町3月10日)が雪と重なる。件数と工事時期を同時に見る

「まだありますか」ではなく、「◯◯の枠は、いつ時点で、何件残っていますか」。この一言で、答えの精度が変わります。

※本記事は2026年9月14日時点の各公式ページの記載にもとづいています。件数枠は日ごとに動きます。申請の前に必ず各自治体の公式ページと担当課でご確認ください。

出典

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監修・執筆:株式会社ファナス 代表取締役 不藤政次|宮城県・福島県・山形県・岩手県・秋田県・青森県・新潟県の各市町村で太陽光発電・蓄電池・V2H・エコキュートを施工販売。無料相談はこちら

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