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先に結論。国と市の補助金は、同じ機器では片方しか使えないことがあります|併用の可否を申請前に確かめる3手順【東北・2026年版】

国と自治体の補助金は併用できる?申請前に確かめる3手順

先に結論
国の側は「自治体の補助金とは、国費が入っているものを除いて併用できる」と公式に書いています。
決めているのは自治体の側で、「国や県の補助を受けていないこと」を要件にする市町村があります。
同じ機器で両方もらえるかは、①同じ機器か ②自治体の財源と文言 ③申請の順番と契約書、の3つで決まります。
東北では、山形市・長井市・鹿角市・矢巾町が「不可」、新潟市・田村市・尾花沢市が「可」と明記しています(2026年9月12日時点)。

先に結論を書きます。「国の補助金と市の補助金、両方もらえますか」の答えは、市町村ごとに違います。同じ県の中でも、隣の市で正反対のことがあります。

この記事では、国の制度(給湯省エネ2026事業・みらいエコ住宅2026事業)の公式の文言と、東北6県+新潟の自治体の公式ページを、2026年9月12日時点で読み比べます。そのうえで、申請の前に自分で確かめられる3手順に整理します。

国の側の答えは1行です

まず、国の側です。住宅省エネ2026キャンペーンの各事業は、他の補助金との関係をほぼ同じ文言で書いています。

給湯省エネ2026事業(公式・事業概要)
「同一の高効率給湯器に対して、重複して国の他の補助制度から補助を受けることはできません。
なお、地方公共団体の補助制度については、国費が充当されているものを除き、併用可能です。」

みらいエコ住宅2026事業(リフォーム)も同じ構造で、「同一の補助対象となるリフォーム工事に対して、重複して国の他の補助制度から補助を受けることはできません。なお、地方公共団体の補助制度については、国費が充当されているものを除き、併用可能です」としています。

キャンペーン全体のFAQでは、給湯省エネ2026事業について「高効率給湯器を補助対象や、加算の対象に含む国の他の補助制度との併用はできません。本事業と一体的に行う本キャンペーンの4つの事業については、補助対象が重複しない場合は併用可能です」と答えています。

つまり、国の側から見た整理はこうです。

  • 国 × 国:同じ機器(同じ工事)では不可。機器が違えば可
  • 国 × 自治体:自治体の補助金に国費が入っていなければ可。入っていれば不可

「国費が入っているか」は、申請する側には分かりにくい点です。ここは、次の自治体側の話につながります。

国の給湯省エネ2026事業は、9月12日0時時点で予算に対する申請額の割合が43%です(予算総額570億円)。
エコキュートの補助額は基本7万円/台(性能加算3万円)で、詳しくは新設と入替で要件が違う記事にまとめています。


決めているのは自治体の側です

自治体の補助金は、要綱の中に「他の補助金との関係」を書いています。書き方は、大きく3つに分かれます。

型A:「国や県の補助を受けていないこと」が要件

こちらは、同じ機器では片方しか使えない型です。東北で公式に確認できたものを並べます。

自治体 制度 公式の文言(要旨) 状況(2026年9月12日時点)
山形市 省エネ高効率設備導入事業費補助金(エコキュート等) 「本補助金で導入する高効率設備について、国や他自治体から他の補助金の交付を受けていない(受ける予定がない)者 第2弾 9月1日〜9月18日受付中。予算27,148,000円に対し申請額24,730,000円(9月11日時点)。先着ではなく超過時は抽選
長井市(山形) 地域脱炭素プラン推進事業費補助金 「補助対象設備は、他の補助金等との併用はできません」。Q&Aで県の「やまがた未来くるエネルギー補助金」との併用も「不可」 受付中(LEDは予算到達で停止中)
鹿角市(秋田) 再エネ推進補助金(自家消費型太陽光・蓄電池) 「本補助金と他の補助金等を合わせて利用することはできません 個人向けの申請額は予算の37%(9月11日更新)。100%で受付終了
矢巾町(岩手) 自家消費型太陽光発電設備等設置事業補助金 「補助対象設備に対する国、県又は町から同種の補助金の交付を受けていない又は受ける予定がないこと」 受付中
仙台市(宮城) せんだい健幸省エネ住宅補助金(新築) 「対象住宅について国費を財源とする補助金(例:みらいエコ住宅支援事業、国ZEH補助金など)を受けていない方」 受付中(予算がなくなり次第終了)

山形市の制度は、エコキュートについて国の給湯省エネ2026事業(7万円〜)と市(上限18万円)のどちらかを選ぶ形になります。市の側が「受けていないこと」を要件にしているので、国の側が「併用可」と書いていても、両方は取れません。

長井市・鹿角市・矢巾町は、いずれも環境省の「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金」(重点対策加速化事業)を財源にしている制度です。国のお金で組み立てた市の制度なので、国の側から見ても「国費が充当されている」自治体制度に当たり、どちらから見ても併用は成り立ちません。

型B:「併用できる」と明記

反対に、はっきり「使えます」と書いている自治体もあります。

自治体 制度 公式の文言(要旨)
新潟市 住宅用再生可能エネルギー等導入促進事業補助金 「令和8年度は、すべての設備で国や県、民間の補助金と併用ができます
田村市(福島) 住宅用新エネルギー設備等設置費補助 Q「福島県住宅用太陽光発電設備等導入支援補助金との併用は可能ですか」→ A「可能です
尾花沢市(山形) 再生可能エネルギー設備導入事業補助金 「山形県でも同様の助成を行っており、併用して申請することができます

福島県の県補助金(住宅用太陽光発電設備等導入支援補助金)は、Q&Aで「市町村が実施している補助事業との併用は可能か」に対し「市町村の制度上認められていれば併用可能ですので、各市町村へご確認ください」と答えています。県は止めない。決めるのは市町村、という構造がここでも見えます。

型C:「設備が違えば可」「事前に相談」

いちばん実務的なのが、この型です。

長岡市(新潟)の「雪国長岡での再エネ導入促進補助金」は、公募要領に「国や新潟県の補助を活用する場合、同一の設備導入に係る部分について、本補助事業との併用はできません」と書いています。そしてQ&Aでは、

Q「補助対象とする設備が異なれば、国や県の補助制度と併用は可能か。例えば『住宅部分』はみらいエコ住宅の補助金を活用し、『太陽光パネル部分』は長岡市再エネ補助金を活用し…」
A「設備が異なれば、併用が可能となるケースがあります。(中略)また、併用する場合は設備の契約書を分けていただく必要があります

と答えています。「同じ機器では不可、別の機器なら可、ただし契約書を分ける」——この3点が、併用の考え方をいちばんきれいに表しています。

村上市(新潟)は、「国や県から補助対象機器等に係る補助金の交付を受けていない方」を要件にしつつ、「補助金によっては本補助金との併用が可能な場合もありますので、該当となりそうな国や県の補助金の交付を受ける予定がある方は、まずは市の本補助金担当者までご相談ください」としています。両方受けたことが分かると「交付の中止および返還」と明記されているので、先に聞くのが唯一の正解です。なお村上市は9月1日から2次募集(11月30日まで・予算410万円)を始めています。

寄棟屋根に黒い太陽光パネルを載せた白い外壁の戸建住宅

▲ 当社施工事例:屋根の太陽光。機器ごとに補助金を当て分けます


申請前に確かめる3手順

ここまでを、ご自身で確かめる順番にします。

手順1:「同じ機器か、別の機器か」を分ける

まず、もらおうとしている補助金がどの機器に付くのかを機器ごとに書き出します。

  • 太陽光パネル → 市の補助金
  • 蓄電池 → 県の補助金
  • エコキュート → 国の給湯省エネ2026事業

のように、機器ごとに1つの補助金に分かれていれば、「同一機器の二重取り」にはなりません。長岡市のQ&Aが示すとおり、多くの制度で通り道があります。

逆に、同じエコキュートに国と市の両方、のように1つの機器に2つ付けようとしていたら、そこが確認ポイントです。国の側は「国費が入っていなければ可」、自治体の側は型A〜Cのどれか、で判定します。

手順2:自治体の「財源」と「文言」を見る

自治体の要綱ページで、次の2つを探します。

  1. 要件の文言:「国、県又は町から同種の補助金の交付を受けていない」「他の補助金等との併用はできません」があれば型A。「併用できます」があれば型B。「同一の設備」「設備が異なれば」があれば型C
  2. 財源の記載:「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金」「重点対策加速化事業」「重点支援地方交付金」などの国の交付金名が書かれていれば、国の側から見て「国費が充当されている」制度に当たる可能性が高い

東北6県+新潟の自治体制度は、当社が運営するサイト「ソラカルテ」の補助金検索で、条件の要旨と公式ページへのリンクをまとめています。ただし可否の判定は必ず自治体の公式ページの文言で行ってください。要綱は年度の途中でも変わります。

屋外の基礎ブロックに据えた家庭用蓄電池1台

▲ 当社施工事例:屋外設置の蓄電池。太陽光とは別の契約書に分けることもあります

手順3:「申請の順番」と「契約書」を決める

併用できる場合でも、順番を間違えると片方が落ちます。

  • 自治体の多くは「交付決定の前に契約・発注したら対象外」(山形市・盛岡市など)。国の給湯省エネ2026事業は工事完了後の事後申請ですが、「工事請負契約以前に工事に着手した場合、補助対象になりません」
  • 長岡市のように「契約書を分ける」ことを併用の条件にしている制度がある。1枚の契約書に太陽光・蓄電池・エコキュートをまとめて書くと、どの機器がどの補助金の対象かを切り分けられなくなる
  • 申請書には「他の補助金の受給の有無」を書く欄があることが多い。申告して落ちるのと、黙って後で返還では、まったく違う

順番の考え方は新設と入替で要件が違う記事と、先着と抽選の記事でも扱っています。自治体の交付決定 → 契約 → 工事 → 国の事後申請、が東北でいちばん多い順番です。


東北で「9月」に確かめる理由

9月は、自治体の制度が動く月です。今回確認した範囲でも、

  • 山形市の第2弾は9月18日で受付が閉じる(申請額は予算の約91%。抽選なので予算超過でも18日までは受け付ける)
  • 宮城県のスマートエネルギー住宅普及促進事業は、二次募集の申込受付が9月28日〜10月9日(6月1日〜9月30日に受給契約・設置・引渡等をしたもの)、三次募集が11月24日〜12月4日
  • 村上市は9月1日から2次募集(11月30日まで)
  • 国の給湯省エネ2026事業は申請額が予算の43%(9月12日)で、まだ余裕がある

というように、自治体側は窓が閉じたり開いたりし、国側はまだ開いている時期です。「国の分は後で申請できるから、先に市の窓に間に合わせる」という順番が現実的で、その市の要綱に「国の補助を受けていないこと」とあれば、そもそもどちらか一方を選ぶ判断が要ります。

迷ったら、市町村の担当課に「◯◯(機器名)に国の△△を使う予定ですが、市の補助金と併用できますか」と聞いてください。
機器名と国の制度名を添えると、答えが早く正確になります。
当社でも、見積りの段階で機器ごとに「どの補助金を当てるか」を書き分けてお渡ししています。

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よくある質問

Q1. 国の給湯省エネ2026事業と、市のエコキュート補助金は両方もらえますか。

A. 市によります。国の側は「地方公共団体の補助制度は、国費が充当されているものを除き併用可能」と公式に書いていますが、山形市のように「国や他自治体から交付を受けていないこと」を要件にする市では両方は取れません。市の要綱の文言で判定してください。

Q2. 太陽光は市、蓄電池は県、というように機器を分ければ大丈夫ですか。

A. 多くの制度で通り道があります。長岡市のQ&Aは「設備が異なれば併用が可能となるケースがあります」「契約書を分ける必要があります」としています。ただし「他の補助金等との併用はできません」と機器を問わず書いている自治体(長井市・鹿角市など)もあるので、要綱の文言を確認してください。

Q3. 黙って両方申請したらどうなりますか。

A. 村上市は「国や県の補助金と本補助金の両方の交付を受けたことが判明した場合は、交付の中止および返還を求める」と明記しています。他の自治体も同様の規定を持つのが普通です。申請書の「他の補助金の受給の有無」は正しく書き、迷う場合は申請前に相談してください。


まとめ

  • 国の給湯省エネ2026事業・みらいエコ住宅2026事業は、自治体の補助金とは「国費が充当されているものを除き」併用可と公式に明記している
  • 可否を決めているのは自治体側。山形市・長井市・鹿角市・矢巾町・仙台市(新築)は「国や県の補助を受けていないこと」が要件(型A)、新潟市・田村市・尾花沢市は「併用可」と明記(型B)、長岡市は「設備が違えば可・契約書は分ける」、村上市は「事前相談」(型C)
  • 福島県は「市町村の制度上認められていれば併用可能」=県は止めない、決めるのは市町村
  • 確かめる順番は、①同じ機器か別の機器か ②自治体の財源と文言 ③申請の順番と契約書
  • 9月は自治体の窓が動く月。山形市第2弾は9月18日まで、宮城県は9月28日から二次募集、村上市は2次募集中。国の給湯省エネは申請額43%でまだ開いている

補助金は「もらえるか」より「どれを、どの機器に当てるか」で金額が変わります。機器ごとに1本ずつ線を引いてから、申請の順番を決めてください。

※本記事は2026年9月12日時点の情報です。国・自治体の制度は予算到達や年度途中の改正で変わります。申請前に必ず各制度の公式ページと担当窓口でご確認ください。掲載した自治体は今回公式で確認できた例で、東北6県+新潟のすべての制度を網羅したものではありません。

出典

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監修・執筆:株式会社ファナス 代表取締役 不藤政次|宮城県・福島県・山形県・岩手県・秋田県・青森県・新潟県の各市町村で太陽光発電・蓄電池・V2H・エコキュートを施工販売。無料相談はこちら

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