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交付決定の前に契約してしまった方へ|補助金の「申請の順番」は制度ごとに逆です。契約の後でも出せる制度、出せない制度と、確かめる3つのこと【東北・2026年版】

補助金は契約前に申請?契約後でも出せる制度と出せない制度
奥様
先週、蓄電池の契約をしたの。補助金はこれから申請すればいいのよね?
AIふどうくん
制度によって答えが逆になります。釜石市のように「交付決定の後に契約」と決めている制度では、決定より前の経費は対象になりません。
ご主人
じゃあ、もう手遅れなのか?
AIふどうくん
そうとは限りません。富谷市や宮城県のように、工事が終わってから申請する制度もあります。まず、使いたい制度がどの型かを確かめましょう。

※登場人物はイメージです。

先に結論

  • 補助金の「申請の順番」は、大きく3つの型に分かれます。
  • 型1は「交付決定の後に契約」で、決定前に契約した分は対象外です(釜石市)。
  • 型2は「工事と支払いが終わってから申請」で、契約日ではなく基準日で申請の回が決まります(富谷市・宮城県)。
  • 型3は「契約→着工→予約→完了後に申請」で、手続きは施工会社がします(給湯省エネ2026)。

交付決定の通知より前に、施工会社と契約してしまった方へ。

あわてて契約書を作り直す前に、この記事を読んでください。補助金の「契約の前に申請するか、後に申請するか」は、制度ごとに決まっていて、逆のことを求める制度が同じ東北の中にあります。

この記事は、2026年10月21日に開いた4つの制度の公式資料(釜石市のよくある質問、富谷市の申請の手引き、宮城県と宮城県建築住宅センターの案内、給湯省エネ2026事業の事業概要)に書かれていることだけで、3つの型を並べたものです。どの制度でも、最終的な判断は各窓口の案内が優先します。

補助金の申請の順番は、3つの型に分かれます

まず、全体像です。同じ「太陽光・蓄電池・エコキュートの補助金」でも、契約と申請の順番はこれだけ違います。

型 申請の順番 例(2026年度) 契約済みの方は
型1 交付決定が先 申請 → 交付決定 → 契約・着工 → 完了 釜石市 決定前の経費は対象外
型2 完了が先 契約・工事・支払い → 基準日 → 申請 富谷市・宮城県 契約日は問われにくい。基準日で回が決まる
型3 契約が先 契約 → 着工 → 予約 → 引渡し → 申請 給湯省エネ2026 契約が着工より前なら対象になりうる

出典:釜石市 よくある質問(令和8年8月4日現在)、富谷市 申請の手引き、宮城県建築住宅センター 令和8年度 申請の手引き、給湯省エネ2026事業「事業概要」

補助金の申請の順番を3つの型で比べた図解。型1は申請と交付決定のあとに契約・着工、型2は契約・工事・支払いが終わってから申請、型3は契約・着工のあと予約し、引渡し後に申請する流れを、矢印でつないで示している

▲図解:契約と申請の順番は、型1「決定が先」・型2「完了が先」・型3「契約が先」の3通り

表の右の列を見てください。同じ「もう契約した」という状況でも、型1では対象外、型2と型3では対象になりうるのです。

だから、最初にやることは「申請を急ぐ」ことではありません。使いたい制度が、どの型かを確かめることです。


型1「交付決定の後に契約」。決定前の契約は対象になりません

型1の例は、岩手県釜石市の「脱炭素先行地域づくり事業補助金(自己所有太陽光発電設備等)」です。市のよくある質問には、こう書かれています。

市における公募開始以降、交付決定前までの期間に施工登録業者と発注及び契約締結に向けた準備行為(見積合わせ等)を行うことは認められますが、発注又は契約を締結するにあたっては、当該発注・契約の締結日が交付決定日以降となるようにお願いします。交付決定日以前の経費については、補助対象経費として認められませんのでご注意ください。

出典:釜石市 よくある質問「7.交付決定の通知を受けた後、いつから発注・契約等を進めて良いですか?」

線引きは、はっきりしています。

  • 見積合わせまでは、決定前にやってよい
  • 発注・契約は、交付決定の日以降
  • 決定より前の経費は、補助の対象外

工事が終わってから申請する、という順番も使えません。同じよくある質問の12番には「すでに設置工事が完了した各システムについては補助対象経費として認められません。必ず、着工前に申請してください」とあります。

釜石市の令和8年度の受付は10月30日(金)までで、先着順です(2026年10月21日時点で、市のページに受付終了の告知はありません)。窓口・書類・対象地区は釜石市の補助金は10月30日で受付終了(記事174)にまとめています。

奥様
型1の制度で、もう契約してしまっていたら?
AIふどうくん
釜石市の説明では、交付決定日より前の経費は対象になりません。申請の前に、窓口へ事情をそのまま伝えて相談してください。

型2「工事と支払いが終わってから申請」。契約日ではなく基準日で決まります

型2の例は、宮城県富谷市と宮城県です。どちらも、設備が付いて、支払いまで終わってから申請します。

富谷市の申請の手引きには、こうあります。

設備の設置完了日(電力需給契約による電力受給開始日、保証書・領収書等に記載の引き渡し日)を確認の上、対応する申請受付期間中にお申し込みください。
※必ず設置(工事および支払い)が完了した後に申請すること。
※複数の設備を導入する場合は、最も遅い基準日に応じた期間に申請すること。

出典:富谷市 申請の手引き「よくある質問 12」

宮城県の「スマートエネルギー住宅普及促進事業」も、同じ考え方です。宮城県建築住宅センターの案内では、太陽光は電力受給開始日、蓄電池などは引渡日が「基準日」で、その基準日が入る募集回に申し込みます。

制度 次の受付 対象になる基準日・設置期間
富谷市(第2期) 2027年1月6日〜1月20日 2026年10月1日〜12月31日
宮城県(三次募集) 2026年11月24日〜12月4日 2026年10月1日〜11月30日

出典:富谷市「令和8年度富谷市太陽光発電等設置支援補助金」(2026年6月19日更新)、宮城県「スマートエネルギー住宅普及促進事業」、宮城県建築住宅センター(2026年10月21日確認。三次募集は受付開始前)

型2では、契約がいつだったかより、受給開始日・引渡日がいつになるかが大事です。たとえば、太陽光の受給開始が12月にずれると、宮城県の三次募集の期間(11月30日まで)から外れます。富谷市は、令和9年1月以降に設置(電力需給契約を締結)した設備を令和8年度の対象外としています。

それぞれの細かい条件は、富谷市の第2期(記事172)と宮城県の三次募集と基準日(記事114)に書いています。

型2でも気をつけたいこと

  • 県の制度が事後申請でも、同じ工事で使う市町村の制度が「着工前申請」のことがあります。
  • 宮城県の手引きにも「工事着手前の申請を条件としている自治体もあります」と注記があります。
  • 県と市町村を両方使うなら、市町村の申請を先に確かめます。

型3「契約が着工より前」。給湯省エネ2026は施工会社が予約・申請します

型3の例は、エコキュートの交換で使う国の「給湯省エネ2026事業」です。

この制度は、お客様ではなく登録した事業者(施工会社など)が交付申請の手続きをします。そして、契約と着工の順番が決まっています。事業概要の要点はこうです。

  • 工事請負契約は、着工日より前であること
  • 着工は2025年11月28日以降が対象
  • 既存の住宅の場合、予約は契約工事全体の着手日以降にでき、交付申請は工事の引渡し(または給湯器の利用開始)の後
  • 予約は遅くとも2026年11月16日まで、交付申請は遅くとも2026年12月31日まで(どちらも予算上限に達した時点で終了)

出典:給湯省エネ2026事業「事業概要」

つまり型3では、契約が先にあるのが前提です。「先に契約してしまった」こと自体は問題になりません。気をつけるのは逆の順番、契約より先に工事を始めてしまったケースです。

住宅省エネ2026キャンペーンの公式サイトでは、給湯省エネ2026の予算に対する補助金申請額の割合は52%(2026年10月21日時点)でした。これは「あと48%ぶん申請できる」という意味で、個別の申請が通る保証ではありません。11月16日の予約期限までの流れは国の補助金は9月30日で2つ終了(記事139)に、対象外になる条件は給湯省エネ2026の対象外になる5つの条件にまとめています。


すでに契約した方が、確かめる3つのこと

ここまでの3つの型をふまえて、もう契約を済ませた方がやることは3つです。

1. 要綱・手引きの「申請の時期」の言葉を探す

制度の要綱や手引き、よくある質問で、次の言葉がどこに出てくるかを見ます。

  • 「交付決定日以降に契約」「交付決定前の経費は対象外」→ 型1
  • 「設置完了後に申請」「基準日」「引渡日」「受給開始日」→ 型2
  • 「着工日以前に契約」「予約」→ 型3

ひとつの工事で国・県・市町村の制度を重ねるときは、制度ごとに型が違うことがあります。重ねて使えるかどうかは、国と市の補助金の併用を確かめる3手順(記事102)で整理しています。

2. 契約日・着工日・基準日を1枚に並べる

契約書、工程表、施工会社の説明から、次の日付を書き出します。

書き出す日付 どこで分かるか
契約日 工事請負契約書
着工日(工事を始めた日) 工程表・施工会社
引渡日 保証書・領収書・引渡書
電力受給開始日(太陽光) 電力会社からの受給契約の書類

型1なら「交付決定日」と契約日の前後、型2なら基準日が入る募集回、型3なら契約日と着工日の前後が分かれ目です。

施工会社に確かめること

  • 太陽光の電力受給開始は、いつごろの見込みか。
  • 蓄電池・エコキュートの引渡日は、いつになるか。
  • その制度の申請は、誰が、いつ出すのか。

3. 日付を後ろにずらして、書類を作り直さない

型1の制度で、交付決定より前に契約していたことに気づいたとき。「契約書の日付を決定の後に作り直せば……」という話が出ることがあります。

これには乗らないでください。富谷市の手引きには、偽りその他不正の手段により補助金の交付を受けたときは、交付決定の取り消しや補助金の返還を求める場合があると書かれています。宮城県の手引きにも、交付決定の内容に違反した場合等に交付決定を取り消すことがある、との記載があります。

事情は、申請の前に窓口へそのまま伝えて相談するのがいちばん確実です。


東北の冬は、基準日が年をまたぎやすい

型2の制度でいちばん多いつまずきは、基準日のずれです。

太陽光の基準日は、パネルを載せた日ではなく電力受給開始日です。工事が終わっても、電力会社との受給が始まらなければ基準日は来ません。

東北では、11月から12月にかけて雪や霜で屋根の作業ができない日が出てきます。工事が数日ずれただけで、

  • 宮城県の三次募集(基準日11月30日まで)から外れる
  • 富谷市の令和8年度(12月31日まで)から外れる

ということが起こりえます。年内の工事で補助金を使う予定なら、受給開始の見込み月を契約の時点で施工会社に聞いておくのが安全です。

お住まいの市町村で、いまどの制度が使えるかは、当社が運営するソラカルテの補助金検索で調べられます。宮城県の市町村は宮城県の補助金ページ、岩手県は岩手県の補助金ページにまとまっています。予算に達して早く閉まる制度の動き方は補助金が予算到達で終わるとき(記事85)を参考にしてください。


よくあるご質問

「補助金は契約の前に申請するもの」と聞きました。全部の制度でそうですか。

違います。釜石市のように交付決定の後に契約する制度(型1)もあれば、富谷市や宮城県のように工事と支払いが終わってから申請する制度(型2)、給湯省エネ2026のように契約が着工より前にあることを求める制度(型3)もあります。使いたい制度の要綱・手引きで確かめてください。

型1の制度で、交付決定の前に契約してしまいました。どうすればいいですか。

釜石市のよくある質問では、交付決定日より前の経費は補助の対象として認められないとされています。契約書の日付を作り直すのではなく、申請の前に窓口へ事情を伝えて相談してください。

宮城県の補助金は、契約が9月でも三次募集に出せますか。

宮城県の募集回は、契約日ではなく基準日で決まります。太陽光は電力受給開始日、蓄電池などは引渡日で、三次募集(11月24日〜12月4日)の対象は基準日が10月1日〜11月30日の設備です。


まとめ

  • 補助金の申請の順番は、型1「交付決定の後に契約」・型2「完了後に申請」・型3「契約→着工→予約」の3つ
  • 型1(釜石市)は、交付決定日より前の経費は対象外。見積合わせまでは決定前でもよい
  • 型2(富谷市・宮城県)は、契約日ではなく基準日(受給開始日・引渡日)で申請の回が決まる。県が事後申請でも、市町村は着工前申請のことがある
  • 型3(給湯省エネ2026)は、契約が着工より前であることが条件。予約・申請は施工会社がする
  • 契約済みの方は、①要綱の言葉で型を確かめる ②契約日・着工日・基準日を並べる ③日付を作り直さず窓口に相談する
  • 東北の冬は基準日が年をまたぎやすい。受給開始の見込み月を契約時に施工会社に聞く

※本記事は2026年10月21日時点の情報です。各制度は予算の状況などで受付を終了することがあります。申請の前に、必ず各窓口の最新の案内を確認してください。

出典

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監修・執筆:株式会社ファナス 代表取締役 不藤政次|宮城県・福島県・山形県・岩手県・秋田県・青森県・新潟県の各市町村で太陽光発電・蓄電池・V2H・エコキュートを施工販売。無料相談はこちら

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AIふどうくんが記事を手がかりに、疑問を一緒に整理します。

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