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東北の灯油は、18リットルで2,659円です|灯油ボイラーからエコキュートに替えると年いくら変わるのか、資源エネルギー庁の価格とメーカー公表値から逆算する【2026年版】

灯油ボイラーからエコキュートへ|東北の灯油価格で比べる

先に結論
2026年9月14日調査で、東北の灯油は18リットルあたり配達2,659円・店頭2,496円でした(資源エネルギー庁)。
4人家族の給湯を灯油ボイラーでまかなうと、メーカーの公表値から逆算して年間およそ816リットル=約12万円です。
同じ湯をエコキュートで作ると、国が置いた寒冷地の効率基準(2.9)と東北電力の夜間単価で年およそ8万円。差は年4万円前後です。
ただし冬の効率低下・基本料金・工事費は別です。「灯油が高いから替える」ではなく、何年で取り戻すかで決める話になります。

灯油の値段は、東北の家計では電気代と同じくらい大事な数字です。

資源エネルギー庁が毎週公表している石油製品価格調査の最新分(2026年9月14日調査・9月16日公表)では、東北の灯油は18リットルあたり配達2,659円、店頭2,496円でした。1リットルに直すと配達147.7円、店頭138.7円です。

10月に入ると、東北の家では灯油の予約やタンクの補充が始まります。そのタイミングで「そろそろ給湯を電気に替えたほうがいいのか」というご相談を毎年いただきます。この記事では、公表されている数字だけを使って、灯油ボイラーとエコキュートの年間の給湯費用を並べます。当社の見積もりの金額や、当社の実績の数字は使っていません。どなたでも同じ出典をたどって検算できる形にしています。

建物のすき間に設置した薄型のエコキュート貯湯タンク

▲ 当社施工事例:建物のすき間に設置したエコキュート

東北の灯油は、18リットルで配達2,659円・店頭2,496円です

まず価格です。資源エネルギー庁の石油製品価格調査(給油所小売価格調査)は、毎週月曜に調査し水曜に公表しています。2026年9月14日調査の灯油(現金価格・消費税込み)は次のとおりでした。

地域 店頭(18L) 配達(18L)
東北(局計) 2,496円 2,659円
青森 2,521円 2,620円
岩手 2,465円 2,628円
宮城 2,486円 2,671円
秋田 2,505円 2,634円
山形 2,480円 2,699円
福島 2,533円 2,711円
新潟 2,602円 2,878円
全国 2,535円

(出典:資源エネルギー庁「石油製品価格調査」2026年9月14日調査・都道府県別)

読み取れることが3つあります。

1つ目。東北の店頭価格は全国平均より安いのに、配達価格は高い県が多い。東北局の店頭2,496円は全国の2,535円を下回りますが、宮城2,671円・山形2,699円・福島2,711円の配達価格は、東北局平均の2,659円より高い水準です。店頭と配達の差は、東北局で1缶あたり163円あります。年に40缶使えば6,500円ほどの差です。

2つ目。8月から9月にかけて、価格はほとんど動いていません。東北の配達価格は8月10日調査で2,660円、9月14日調査で2,659円。この5週間は横ばいでした。灯油は原油価格や為替で動きますが、いまは「急に上がった直後」でも「下がり続けている」局面でもありません。

3つ目。新潟は別格に高い。配達2,878円は東北6県のどこよりも高く、店頭も2,602円です。当社は新潟市・長岡市・上越市などでも施工していますが、灯油で給湯している家の負担は、東北6県より一段重いことになります。


石油給湯器の効率は「83%」と「95%」の2種類です

次に、灯油が何割ほど湯になるのかを確認します。ここはメーカーが公式に数字を出しています。

長府製作所の公式サイトは、エコフィール(潜熱回収型の石油給湯器)についてこう書いています。

「エコフィール」は、従来捨てていた排気熱を回収して再利用する石油給湯器です。熱効率(連続給湯効率)を95%まで高めて、灯油の使用量を節約し、CO2の排出量を削減する、家計にも環境にも負担が少ない経済的な石油給湯器です。

そして比較の相手を、「熱効率(連続給湯効率)83%の石油給湯器」と明記しています。コロナの公式サイトも同じで、「石油給湯機(連続給湯効率83%)と比べた場合」という注記を置いたうえで「給湯効率95%達成」としています。

つまり、いま東北の家に付いている石油給湯器は、潜熱回収型(エコフィール)なら95%、それ以前の従来型なら83%という2つの水準のどちらかだと考えればよいことになります。10年以上前に設置した機器は、ほぼ従来型の83%です。

確認するところ
ご自宅の石油給湯器がどちらかは、本体の型番と施工時期で分かります。
排気の熱を回収する機種はドレン(排水)の配管が付いているので、本体の下から細い排水ホースが出ていれば潜熱回収型です。
判断に迷うときは、型番を控えてメーカーか施工店にお問い合わせください。


4人家族の給湯に要る熱量を、メーカーの公表値から逆算します

「年間で灯油を何リットル使うか」は、家庭ごとにまったく違います。ただ、メーカーが公表している試算の条件と結果を逆算すると、標準的な4人家族の数字を取り出せます

コロナはエコフィールの省エネ効果を、次の条件で公表しています。

※1 石油給湯機(連続給湯効率83%)と比べた場合、連続給湯効率による試算。給湯使用条件(4人家族想定、入水温度は通年で内地15℃、寒冷地11℃) ■灯油価格132円/L(税込)(2026年1月6日 全国平均配達価格 資源エネルギー庁発表) ●ふろお湯はり:200L、42℃ ●シャワー:12L/分×5分/人×4人=240L、40℃ ●洗面:6L/分×2分/人×4人=48L、40℃ ●台所:8L/分×3分/回×3回=72L、37℃

そして結果を「フルオートタイプはランニングコスト 年間【寒冷地】約13,600円、【内地】約11,800円もお得です」としています。

寒冷地の13,600円を灯油132円/リットルで割ると、年間103リットルの差です。効率83%と95%の差が103リットルになるということは、

  • 必要な給湯の熱量 = 103リットル × 36.5MJ ÷(1÷0.83 − 1÷0.95)= 約24,700MJ
  • 従来型(83%)の灯油使用量 = 24,700 ÷(36.5 × 0.83)= 年間約816リットル
  • エコフィール(95%)= 24,700 ÷(36.5 × 0.95)= 年間約713リットル

となります。灯油1リットルあたりの発熱量36.5MJは、資源エネルギー庁が省エネ法の換算係数として公表している数字です(2026年度版の原油換算ツール)。

816リットルは18リットル缶で約45缶。東北の配達価格147.7円/リットルで計算すると、年間約12万円です。店頭で自分で運べば約11万3千円になります。

給湯機器 年間の灯油 東北・配達価格での年間費用
従来型の石油給湯器(83%) 約816L(約45缶) 約120,000円
エコフィール(95%) 約713L(約40缶) 約105,000円

(4人家族・寒冷地条件。コロナの公表値と資源エネルギー庁の価格・換算係数から当社が逆算)


同じ熱量をエコキュートで作ると、電気代はいくらか

24,700MJは電力の単位に直すと約6,860kWhです。これは「湯にするために要る熱の量」であって、消費する電気の量ではありません。エコキュートは空気の熱を汲み上げるので、消費する電気は熱量より少なくなります。

その比率が年間給湯保温効率(JIS C 9220)です。国は省エネ法のトップランナー制度で、機種の区分ごとに2025年度の目標基準値を置いています。給湯省エネ2026事業の対象要件にもこの表が使われています。

区分 想定世帯 貯湯容量 仕様 2025年度目標基準値
A / B 少人数 一般地 3.0 / 寒冷地 2.7
C / D 標準・一缶 320L未満 一般地 3.1 / 寒冷地 2.7
E / F 標準・一缶 320L以上550L未満 一般地 3.5 / 寒冷地 2.9
G / H 標準・一缶 550L以上 一般地 3.2 / 寒冷地 2.7
I / J 多缶 一般地 3.0 / 寒冷地 2.7

(出典:給湯省エネ2026事業 公式「エコキュート」ページ)

4人家族なら370L〜460Lクラスが標準なので、寒冷地のF区分=2.9が目安になります。

  • 6,860kWh ÷ 2.9 = 年間約2,370kWh
  • 東北電力「よりそう+スマートタイム」の休日・夜間単価は1kWhあたり29円86銭(22時〜8時)。2,370kWh × 29.86円 = 約70,700円
  • これに再生可能エネルギー発電促進賦課金(2026年5月〜2027年4月は1kWhあたり4円18銭)が乗るので、+約9,900円。合計で年間約80,600円

効率が基準ぎりぎりの2.7なら約86,500円、寒冷地仕様でも性能のよい3.3相当なら約70,800円です。

年間費用の目安 備考
従来型の石油給湯器 約120,000円 灯油約816L・東北の配達価格
エコフィール 約105,000円 灯油約713L
エコキュート(効率2.9) 約80,600円 2,370kWh・夜間単価+賦課金
エコキュート(効率2.7) 約86,500円 2,542kWh

従来型の石油給湯器からエコキュートへ替えると、給湯にかかる費用は年4万円前後下がる——これがいまの東北の数字から出てくる答えです。

砂利敷きの通路に設置したエコキュートの貯湯タンクとヒートポンプ

▲ 当社施工事例:狭い通路に設置したエコキュート


この試算に付いている4つの条件

数字だけが独り歩きしないように、前提をはっきりさせておきます。当社はこの4万円を「必ず下がる額」としてお約束していません。

条件1:効率の物差しが違うものを並べています。石油給湯器の83%/95%は「連続給湯効率」で、エコキュートの2.7/2.9は「年間給湯保温効率」です。測り方も前提の負荷も違うので、同じ熱量を作ると仮定して並べた概算です。ご自宅の請求書と一致する数字ではありません。

条件2:エコキュートは冬に効率が落ちます。年間給湯保温効率は1年を通した平均で、外気温が下がる12〜2月はこれより下がります。さらに東北では霜取り運転で沸き上げが止まる時間があり、湯切れを避けるために沸き上げ量を多めに設定する家もあります。詳しくはエコキュートの霜取り運転の記事(記事117)に書きました。冬の実績は、この試算より必ず悪くなります。

条件3:基本料金と燃料費調整は入れていません。灯油から電気に替えると、契約する料金プランが変わります。「よりそう+スマートタイム」の基本料金は4,356円(10kVAまで)で、いまの契約より上がる家も下がる家もあります。燃料費調整単価は毎月動きます。契約アンペアの考え方は契約アンペアと分電盤の記事(記事107)にまとめています。

条件4:石油給湯器も電気を使います。コロナのNEシリーズの公表値で給湯時64/62W、従来タイプは99/94W。灯油代だけが石油給湯器の費用ではありません。

そして最大の条件は、工事費が入っていないことです。年4万円が下がるとしても、機器と工事の費用を何年で取り戻すかは別の話になります。そこは補助金の話とセットで考えます。


補助金は「7万円+3万円」。ただし灯油ボイラーの撤去に加算は付きません

給湯省エネ2026事業では、エコキュートの基本額は7万円/台です。性能加算要件(2025年度の目標基準値+0.2以上の性能値)を満たす機種なら3万円/台が上乗せされ、最大10万円になります。

ここで東北の方に必ずお伝えしているのが、撤去加算は灯油ボイラーには付かないということです。

撤去加算の対象は電気蓄熱暖房機(4万円/台・2台まで)と電気温水器(2万円/台)で、石油給湯器(灯油ボイラー)の撤去は対象外です。詳しくは電気蓄熱暖房機の撤去加算の記事(記事61)に書きました。「古い給湯器を外すのだから加算が付くはず」と見積書を見ると、金額が合いません。

なお、給湯省エネ2026事業の予算の消化状況は、2026年9月23日午前0時時点で全体45%、撤去加算22%です(公式サイトは毎日午前中に更新)。予算上限に達し次第、交付申請の受付は終了します。9月10日時点では45%だったので、いまのところ急な立ち上がりはありませんが、日付ではなく割合で締まる制度なので、公式の数字は工事を決める直前にもう一度見てください。

10月に東北で締まる補助金の窓は、10月のカレンダーの記事(記事118)に日付順で並べています。

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灯油を続けたほうがよい家もあります

施工する側から見て、全部の家にエコキュートを勧めているわけではありません。次のような家では、灯油のまま使い続けるほうが合理的なことがあります。

1. いまの石油給湯器がまだ新しい家。設置から5年程度なら、年4万円の差では機器と工事の費用を取り戻す前に、エコキュートの側が更新時期を迎えます。壊れるまで使い切るほうが総額で有利なことが多いです。

2. 置き場所が取れない家。エコキュートは貯湯タンク(4人家族で370〜460Lクラス)とヒートポンプユニットの2台で、石油給湯器より大きな設置スペースが要ります。雪の落ちる位置や隣家との離隔で、置ける場所が見つからない敷地は実際にあります。

3. 暖房も灯油でまかなっている家。給湯だけを電気に替えても、暖房用の灯油タンクと配管は残ります。配達を止められないなら、灯油代がゼロになるわけではありません。

4. 停電対策をまだ決めていない家。石油給湯器も電気がないと動きませんが、エコキュートはタンクの湯を非常用水として使える利点があります(断水時のエコキュートの記事(記事49))。蓄電池や太陽光と一緒に設計すると結論が変わります。

逆に、従来型(83%)の石油給湯器を10年以上使っていて、置き場所があり、補助金の要件を満たす機種が選べるなら、計算する価値は十分にあります。


よくあるご質問

Q1. 灯油の値段は、これから上がりますか。

A. 分かりません。当社は予測を書かない方針です。確かなのは、資源エネルギー庁が毎週月曜に調査して水曜に公表しているということだけです。判断の材料にするなら、予想ではなく実績値を見てください。直近5週間の東北の配達価格は2,660円→2,659円でほぼ横ばいでした。

Q2. 寒冷地仕様のエコキュートは、補助金の対象外になりませんか。

A. なりません。国の目標基準値の表は、はじめから一般地と寒冷地で別の数字が置かれています(寒冷地は2.7〜2.9、一般地は3.0〜3.5)。寒冷地仕様だから対象外、ということはありません。ただし「寒冷地」の区分で評価されるため、一般地の機種と同じ効率の数字にはなりません。カタログの効率を見比べるときは、同じ区分どうしで見てください。

Q3. エコフィールに替えるだけでは足りませんか。

A. 足りないということはありません。従来型からエコフィールへの入替でも年1万5千円前後は下がる計算です(東北の配達価格で816L→713L)。置き場所や予算の制約でエコキュートが難しい家では、現実的な選択肢です。ただし給湯省エネ2026事業の対象にエコフィール(石油給湯器)は含まれていません。補助金を使いたい場合は、対象機器かどうかを先に確認してください。


まとめ

  • 東北の灯油は18リットルで配達2,659円・店頭2,496円(2026年9月14日調査・資源エネルギー庁)。直近5週間は横ばい
  • 石油給湯器の効率は従来型83%・エコフィール95%(長府・コロナ公式)。10年以上前の機器はほぼ従来型
  • メーカーの公表値から逆算すると、4人家族・寒冷地の給湯熱量は年約24,700MJ、従来型なら灯油約816L=約12万円
  • 同じ熱量をエコキュートで作ると、寒冷地の効率基準2.9・東北電力の夜間単価・賦課金込みで年約8万円差は年4万円前後
  • ただし冬の効率低下・基本料金・燃料費調整・工事費は別。「年4万円下がる」ではなく「何年で取り戻すか」で決める
  • 補助金はエコキュート7万円+性能加算3万円灯油ボイラーの撤去に加算は付かない(撤去加算は電気蓄熱暖房機と電気温水器のみ)
  • いまの機器が新しい・置き場所がない・暖房も灯油という家は、続けるほうが合理的なことがある

灯油の値段は毎週公表されています。エコキュートの効率の基準も、補助金の額も公表されています。判断に要る数字は、全部おもてに出ています。あとは、ご自宅の使用量と工事の見積もりを、この並びに当てはめるだけです。そこだけは家ごとに違うので、遠慮なくご相談ください。

※本記事は2026年9月23日時点で公表されている情報にもとづいています。灯油価格は毎週、電気料金の燃料費調整単価は毎月変わります。補助金の予算消化状況も日々動きます。実際のご判断の前に、必ず最新の公式情報と、お手元の使用量でご確認ください。

出典

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監修・執筆:株式会社ファナス 代表取締役 不藤政次|宮城県・福島県・山形県・岩手県・秋田県・青森県・新潟県の各市町村で太陽光発電・蓄電池・V2H・エコキュートを施工販売。無料相談はこちら

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