蓄電池約15分で読めます

オムロン KPBP-A(マルチ蓄電プラットフォーム)の型番の見方|「-2」「S」「-B」「C-A」で分かること・分からないこと、−10℃の性能表示ラベルと停電時の出力【東北・2026年版】

オムロン KPBP-A 蓄電池の型番の見方|東北の冬

先に結論
KPBP-A は、パワコン1台に太陽光用・蓄電池・全負荷用の機器を足していく「組み合わせ式」です。
型番の「-2」は2025年春からのJIS 2021対応品、パワコンの末尾「S」は重塩害対応です。
蓄電池の「-B」「C-A」の意味は、公式には説明されていません。
東北で見るのは、−10℃の性能表示ラベル。屋外専用の-B型は、系統連系時で54.0〜62.2%まで下がります。

オムロン KPBP-A の型番の見方の図。パワコン KPBP-A-2 に、PVユニット、蓄電池ユニット、トランスユニットを組み合わせる。-2はJIS 2021対応品、パワコンの末尾Sは重塩害対応、蓄電池の-BとC-Aは公式説明なし。停電時は2.0kVA、トランスユニット接続時は4.0kVA

▲図解:KPBP-A の型番は「パワコン+足す機器」の組み合わせで読む

2025年春から、オムロン ソーシアルソリューションズの家庭用蓄電システム「マルチ蓄電プラットフォーム KPBP-A」は、型番に「-2」が付いた製品に切り替わっています。公式のシステム構成表には、新旧の型番が並んでいます。

  • パワーコンディショナ:KPBP-A-2(2025年春からの出荷品/JIS C4412:2021対応)/KPBP-A(従来品/JIS C4412-2:2019対応)

見積書には、こうした型番が何行も並びます。「KPBP-A-2」「KP-DDP66-4」「KP-BU98B-2S」「KP-TRN40」——どれがパワコンで、どれが蓄電池で、何が付いていて何が付いていないのか。この記事では、オムロンの公式資料に書いてあることだけで、型番の読み方を整理します。

当社は特定のメーカーをおすすめする立場ではありません。ここでの目的は、見積書の型番を読者が自分で確かめられるようにすることです。

KPBP-A は「パワコン+足す機器」の組み合わせ式

KPBP-A の公式ページは、「1プラットフォームで 3通りの使い方を選択できます」と説明しています。

使い方 構成(公式の機器セット表から) 向く家
単機能 パワコン+蓄電池ユニット 太陽光がすでに付いていて、蓄電池だけ足す家
ハイブリッド(特定負荷) 上に PVユニットを追加 太陽光と蓄電池を一緒に付ける家
全負荷対応型ハイブリッド さらに トランスユニット+全負荷用分電盤を追加 停電時に家全体・200V機器も使いたい家

出典:オムロン ソーシアルソリューションズ「マルチ蓄電プラットフォーム KPBP-A」製品ページ・システム構成

単機能で太陽光の電気を停電中に使う場合は、公式に「PVパワーコンディショナを自立運転に切り替える必要があります」とあります。既設の太陽光のパワコンは別の機械なので、そちらの操作も要ります。

型番は、この組み合わせごとに並びます。主な機器は次のとおりです。

機器 一般 重塩害対応
マルチ蓄電パワーコンディショナ KPBP-A-2 KPBP-A-2S
PVユニット KP-DDP66-4 KP-DDP66-4S
PVユニット(大電流タイプ) KP-DDP66-5 KP-DDP66-5S
トランスユニット(全負荷用) KP-TRN40 KP-TRN40-S
全負荷用分電盤 KP-DB75B ―
特定負荷用分電盤 KP-DB20B-2 ―
ゲートウェイ KP-GWBP-A ―

出典:同 システム構成機器一覧(2025年春からの出荷品)

見積書で最初に見るところ
「KP-TRN40」と「KP-DB75B」があれば全負荷型、無ければ特定負荷か単機能です。
「KP-DDP66」があれば、太陽光もこのパワコンにつなぐハイブリッドです。

全負荷と特定負荷の違いそのものは、全負荷・特定負荷の記事に書きました。


型番の記号で、公式に意味が書いてあるもの

型番の記号のうち、オムロンの公式資料で意味が分かるのは次の4つです。

  1. 「-2」:2025年春からの出荷品(JIS C4412:2021対応)。従来品は「-2」が付かない
  2. パワコン・PVユニット・トランスユニットの末尾「S」:重塩害対応タイプ
  3. PVユニットの「-5」:大電流タイプ(従来品は「-2」)
  4. パッケージ型番「KPBP-A-PKG-MM◯」:補助金の申請や性能表示ラベルで使う番号。重塩害対応のパッケージは「SMM◯」

4つめは見落としやすいところです。公式の構成表には「製品購入に用いる機器セット形式と、補助金申請に用いるパッケージ型番は異なります」と書かれています。見積書の型番と、補助金の書類やラベルの型番が違って見えても、それだけで間違いとは限りません。

蓄電池の末尾「S」は、重塩害対応ではない

ここが紛らわしい点です。蓄電池ユニットの型番にも「KP-BU164-2S」「KP-BU98B-2S」のように「S」が付きます。

ところが、公式ページは重塩害地域について「蓄電池ユニットを屋内に設置する場合に限ります」としています。蓄電池ユニットの設置環境は「海岸および汽水域から500mを超える」場所で、重塩害対応の蓄電池ユニットは一覧にありません。

海の近くの家へ
パワコンが「-2S」でも、蓄電池は屋外に置けるとは限りません。
海岸から500m以内なら、蓄電池を屋内に置く前提かどうかを、見積もりの段階で確かめてください。


型番の記号で、公式に説明がないもの

一方で、次の記号は、公式資料に意味の説明が見当たりません。

  • 蓄電池ユニットの「B」(KP-BU98B、KP-BU127-B など)
  • 蓄電池ユニットの「C-A」(KP-BU130C-A など)
  • 機器セット形式の「2AC/3HYB/4HYB」の数字

機器セット形式の「-N」(特定負荷・単機能)と「-T」(全負荷)、「HYB」(ハイブリッド)、「AC」(単機能)は、構成表の並びから対応を読み取れますが、記号の定義を書いた文章はありません。

蓄電池の型番の数字(164・98・65 など)は容量(16.4kWh・9.8kWh・6.5kWh)と一致しますが、これも「数字=容量」という説明が公式にあるわけではありません。

意味が書いていない記号から、性能や設置場所を推測しないでください。型番の記号ではなく、仕様表の「設置環境」と「周囲温度」で確かめるのが確実です。他のメーカーの型番の読み方はニチコン ESS-U4X1とU4M1の記事、長州産業のOEMの話は長州産業の2系統の記事にまとめています。


蓄電池ユニットは8機種。屋外専用は2機種

2025年春からの蓄電池ユニットは、公式の構成表で8機種です。

型番 容量 設置 使用周囲温度 初期実効容量(パッケージ)
KP-BU164-2S 16.4kWh 屋内外 −10〜45℃ 14.1kWh(MM6)
KP-BU98B-2S 9.8kWh 屋内外 −10〜45℃ 8.4kWh(MM7)
KP-BU65B-2S 6.5kWh 屋内外 −10〜45℃ 5.5kWh(MM8)
KP-BU130C-A 13.0kWh 屋内外 −15〜45℃ 11.1kWh(MM19)
KP-BU97C-A 9.7kWh 屋内外 −15〜45℃ 8.3kWh(MM18)
KP-BU65C-A 6.5kWh 屋内外 −15〜45℃ 5.5kWh(MM17)
KP-BU127-B 12.7kWh 屋外専用 使用 −10〜45℃(設置 −20〜45℃) 10.9kWh(MM9)
KP-BU63-B 6.3kWh 屋外専用 使用 −10〜45℃(設置 −20〜45℃) 5.3kWh(MM10)

出典:同 システム構成・仕様(2026年10月10日確認)。MM19は「登録申請予定(2026年3月現在)」と注記あり

オムロンの蓄電池ユニット3台。左から16.4kWhタイプ、9.8kWhタイプ、6.5kWhタイプ

▲ 出典:オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社 公式製品ページ(KPBP-A 蓄電池ユニット 16.4/9.8/6.5kWhタイプ)

カタログの容量と、実際に使える「初期実効容量」は違います。16.4kWhの機種で14.1kWhです。容量の考え方は蓄電池の容量の選び方にあります。


−10℃の性能表示ラベルで、落ち幅は機種ごとに違う

「使用周囲温度 −10〜45℃」は、壊れずに動く範囲です。その範囲で性能がそのまま保たれるという意味ではありません。仕様にも「使用周囲温度範囲内であっても、蓄電池保護のために充放電を制限することがあります」と書かれています。

寒さでどれだけ落ちるかは、JEMA(日本電機工業会)の性能表示ラベルで確かめられます。オムロンはJEMAのラベル掲載メーカーの一覧に入っていて、構成表のページにラベルの画像が載っています。ラベルの「システム容量利用率」は、−10℃・25℃・40℃の3点で示されます。東北で見るのは−10℃の欄です。

パッケージ(蓄電池) 系統連系時 −10℃/25℃ 停電時 −10℃/25℃
MM6(16.4kWh・屋内外) 82.9%/86.0% 73.8%/76.2%
MM18(9.7kWh・屋内外) 72.2%/85.6% 66.0%/77.3%
MM19(13.0kWh・屋内外) 70.0%/85.4% 69.2%/76.9%
MM9(12.7kWh・屋外専用) 62.2%/85.8% 58.3%/76.4%
MM10(6.3kWh・屋外専用) 54.0%/84.1% 49.2%/74.6%

出典:オムロン ソーシアルソリューションズ 性能表示ラベル(JIS C 4414に基づく表示・2026年10月10日に画像で確認)

25℃ではどれも84〜86%台でほとんど差がないのに、−10℃では54.0%から82.9%まで開きます。屋外専用の-B型2機種は、−10℃の系統連系時が6割前後です。

これは優劣の順位ではありません。容量も設置場所も違う製品なので、数字の大小で並べても意味がありません。言えるのは、「同じシリーズでも、冬の落ち幅は機種で違う。だから自分が選ぶ機種のラベルを見る」ということです。

ラベルに無いこと
ラベルの温度別の値は「容量の利用率」です。−10℃のときに停電時に何kW出せるか、という項目はありません。
「氷点下のとき自立運転でどれだけ出せますか」は、販売施工店に聞いて確かめてください。推測では答えられません。

屋外専用の-B型には、仕様に「-20℃~-10℃では大幅に制限がかかりますが、充放電可能です」と注記があります。取扱説明書には、低温時に「蓄電残量を正確に測定できず、急速に増減する場合がありますが、異常ではありません」とも書かれています。冬の朝に残量表示が急に動いても、まず慌てないことです。ラベルの読み方は性能表示ラベルの記事で詳しく扱っています。


停電時は2.0kVA。全負荷型は4.0kVA、夜は最大2.5kVA

停電時の出力は、構成で変わります。

構成 自立運転時の定格出力 電気方式
単機能/ハイブリッド(特定負荷) 2.0kVA 単相2線式(100V)
ハイブリッド+トランスユニット(全負荷) 4.0kVA 単相3線式(200V機器も使える)

出典:同 仕様

全負荷型には、公式ページに「夜間及び天候によりPV側の発電量が十分でない場合、最大2.5kVAになります」という注記があります。冬の夜の停電で4.0kVAをそのまま使えるわけではない、ということです。取扱説明書は「停電時に最大片相 2.0kVA、両相 4.0kVA を超えないようにしてください」としています。

切り替えは自動です。取扱説明書には「自動で連系運転から自立運転に切り替わるため、お客様での切り替え操作は必要ありません」とあります。ただし公式ページは「無停電電源装置(UPS)ではありません。切替動作時に瞬断が発生します」とも書いています。切り替えにかかる秒数は、公式資料に記載がありません。停電時にどの家電をどう配るかは、大雪の停電で蓄電池の残量を配る記事を参考にしてください。


寒冷地で確かめる5つのこと

ここまでを、東北の家で確かめる順に並べ直します。

  1. 周囲温度:パワコン・PVユニットは−20〜50℃、蓄電池は−10〜45℃(C-A型は−15〜45℃)。充電と放電で別の範囲は示されていない。寒冷地専用の型番は、公式のラインナップに見当たらない(→寒冷地の蓄電池の選び方)
  2. 設置場所と保護等級:蓄電池はIP55。屋外専用は-B型の2機種。海岸から500m以内は、蓄電池を屋内に置くことが前提
  3. 全負荷か特定負荷か:KP-TRN40とKP-DB75Bの有無で見分ける。200V機器を停電時に使えるのは全負荷型だけ
  4. 単機能かハイブリッドか:KP-DDP66の有無で見分ける。既設の太陽光を生かすなら単機能(→卒FITとパワコンの記事)
  5. 保証の条件:下で詳しく

雪について、公開されているお客様向けの資料で確認できたのは、取扱説明書の「冠水、冠雪したとき」は販売店に連絡、という一文です。吸排気口の雪対策や雪囲いの記述は、公開資料には見当たりませんでした。屋外に置くなら、落雪や吹きだまりで本体が埋まらない位置かどうかを、現地調査で施工店と確かめてください。また、取扱説明書には、室内に置く場合に冷暖房(床暖房を含む)の風を蓄電池に直接当てないこと、と書かれています。


保証15年の条件は「保証申込」と「運転モード」

長期保証規定では、パワコン・PVユニット・蓄電池ユニット・トランスユニット・全負荷用分電盤が15年、ゲートウェイと電力計測ユニットが10年です。

  • 起算日は「系統連系日」
  • 対象は「保証申込をされた」製品。申込をしないと長期保証の対象になりません
  • 蓄電池の容量保証は、保証期間内に充電可能容量が初期容量の60%を下回った場合に交換。ただし「システム搭載の経済/安心/グリーンモードのみで使用した場合に限ります」。それ以外のモードで使った場合は50%までになる
  • 天災・水害・地震・雷・塩害などによる損傷は、免責事項に入っている。メーカーの自然災害補償の記載は見当たらない

自然災害への備えは、火災保険など別の手段で考える必要があります。保証申込を誰がいつ行うかは、契約の前に施工店に確かめておくと安心です。

🔗 無料相談・お見積りはこちら(株式会社ファナス)

見積書に並んだ型番の構成が、ご自身の希望と合っているか不安なときは、当社が運営する「ソラカルテ」の見積書AI診断で、まず全体を確かめることもできます。


よくあるご質問

Q1. 見積書の型番が「KPBP-A」で「-2」が付いていません。古い製品ですか。

A. 公式の構成表では、「-2」の付かないKPBP-Aは「従来品(JIS C4412-2:2019対応)」とされています。2025年春からの出荷品は「KPBP-A-2」です。どちらの製品なのか、なぜその型番なのかを、見積もりを出した施工店に確認してください。

Q2. 補助金の書類に書く型番と、見積書の型番が違います。

A. 公式に「製品購入に用いる機器セット形式と、補助金申請に用いるパッケージ型番は異なります」とあります。補助金や性能表示ラベルでは「KPBP-A-PKG-MM◯」のパッケージ型番を使います。どのパッケージに当たるかは、構成表の「パッケージ型番と構成機器」で確かめられます。

Q3. 東北の屋外に置くなら、どの蓄電池がよいですか。

A. 当社は機種の優劣を付けません。言えるのは、屋外専用の-B型は−10℃のラベル値が系統連系時で54.0〜62.2%であること、屋内外兼用の機種は屋内にも置けること、の2点です。置き場所の候補と冬の使い方を施工店と話し、そのうえで候補の機種のラベルの−10℃の欄を見比べてください。


まとめ

  • KPBP-A はパワコン+足す機器の組み合わせ式。単機能/ハイブリッド(特定負荷)/全負荷型の3通り
  • 公式に意味があるのは「-2」(2025年春からのJIS 2021対応品)、パワコン等の末尾「S」(重塩害対応)、PVユニットの「-5」(大電流)、パッケージ型番「MM/SMM」
  • 蓄電池の「S」は重塩害対応ではない。重塩害地域は蓄電池を屋内に置く場合に限る
  • 「B」「C-A」「2AC/3HYB」の数字は公式説明なし。記号から推測せず仕様表で確かめる
  • −10℃のラベル値(系統連系時)は54.0〜82.9%と機種で開く。屋外専用の-B型は6割前後
  • 停電時は2.0kVA、全負荷型は4.0kVA(発電が足りない夜は最大2.5kVA)。切替時に瞬断あり
  • 保証は15年。保証申込が前提、容量保証は60%(指定モードで使った場合)

型番は、読み方を知っていれば見積書の中身を自分で確かめる道具になります。分からない記号があれば、そのまま施工店に聞いてください。公式資料に書いていないことは、推測で埋めないのがいちばん安全です。

※本記事は2026年10月10日時点でオムロン ソーシアルソリューションズ株式会社が公開している資料にもとづいています。型番・仕様・保証条件は変わることがあります。ご検討の際は、最新のカタログと販売施工店の説明をご確認ください。

出典

施工会社がつくった、見積書のセカンドオピニオン。(ソラカルテ)

当社が運営する「ソラカルテ」では、太陽光・蓄電池の見積書をその場で無料AI診断できます。電話番号の登録は不要です。

監修・執筆:株式会社ファナス 代表取締役 不藤政次|宮城県・福島県・山形県・岩手県・秋田県・青森県・新潟県の各市町村で太陽光発電・蓄電池・V2H・エコキュートを施工販売。無料相談はこちら

この記事を読んで、気になったことはありませんか?

AIふどうくんが記事を手がかりに、疑問を一緒に整理します。

他社のお見積りでも、ご相談をお受けしています

宮城県・福島県・山形県・岩手県・秋田県・青森県・新潟県で自社施工。設計・申請・施工・アフターまで自社で対応します。
しつこい営業はしません。お電話(022-796-7018/9:00〜20:00)・フォーム・LINEからどうぞ。

お気軽にどうぞLINEで無料相談