カナディアン・ソーラー EP CUBEの型番の見方|「HES-JP2-610G」で分かること、停電時5.9kVAの全負荷と、0℃から下の充電【東北・2026年版】

先に結論
- 見積書に「EP Cube HES-JP2-610G」とあれば、JET版の9.9kWh(公称)のシステムです。
- 末尾の606G・610G・613Gは、公称6.6・9.9・13.3kWhの3サイズに対応しています。
- 停電時は最大5.9kVA、全負荷200Vに対応します。
- 東北で必ず見てほしいのは温度です。仕様表では、充電は0℃から、放電は−20℃からとなっています。
見積書に「EP Cube HES-JP2-610G」と書かれていた方へ。
カナディアン・ソーラーの家庭用蓄電池「EP CUBE」は、黒い箱を積み重ねたような見た目の蓄電システムです。見積書には、このシステムの型番と、ハイブリッドパワコンや蓄電池パックなど機器ごとの型番が並びます。
この記事では、カナディアン・ソーラー・ジャパンの製品ページ・住宅用カタログ・性能表示ラベルに書かれていることだけで、型番から何が分かるのかを整理します。そのうえで、東北の冬に効いてくる温度の記述を読んでいきます。
なお、型番の記号(HES・JP・G など)が何の略なのかは、公式には説明されていません。この記事では、公式に書かれている対応関係だけを扱います。

▲ 出典:カナディアン・ソーラー・ジャパン株式会社 公式製品ページ(EP CUBE)
型番は「JP1/JP2」と末尾3けたで読む
公式の製品ページに載っている型番は、次の6つです。
| 版 | 公称6.6kWh | 公称9.9kWh | 公称13.3kWh |
|---|---|---|---|
| TÜV版 | EP Cube HES-JP1-606G | EP Cube HES-JP1-610G | EP Cube HES-JP1-613G |
| JET版 | EP Cube HES-JP2-606G | EP Cube HES-JP2-610G | EP Cube HES-JP2-613G |
「JP1」はTÜV版、「JP2」はJET版
製品ページでは、JP1がTÜV版、JP2がJET版と書き分けられています。
2026年5月版の住宅用カタログに載っているのは、JET版(HES-JP2)の3型式だけです。いま見積書に出てくるのは、多くがHES-JP2だと考えてよいでしょう。
末尾3けたは容量のサイズ
末尾の606G・610G・613Gは、公称容量6.6kWh・9.9kWh・13.3kWhのシステムに対応しています。カタログでは、それぞれ蓄電池パックを2個・3個・4個組み合わせる構成です。
容量は「公称」と「実効」で違います
- 公称容量:6.6/9.9/13.3kWh
- 初期実効容量(JET版・JIS C 4413準拠):6.2/9.4/12.6kWh
- 実際に使える量は「実効」のほうです
公称と実効の差については、カタログの6.5kWhは、実際には5.5kWhですで詳しく書いています。
補助金の書類では、表記が変わることがある
製品ページには、SII(令和6年度ZEH化支援事業)のWebサイトでは、半角スペースを詰めて全部大文字で表示されるという注記があります。つまり「EP Cube HES-JP2-610G」が「EPCUBEHES-JP2-610G」のように見えることがあります。同じ型式なので、見積書と補助金の書類で表記が違っても、あわてなくて大丈夫です。
見積書には、機器ごとの型番も並ぶ
カタログの構成表を見ると、EP CUBEは次の機器の組み合わせです。
| 機器 | 型番 | 数 |
|---|---|---|
| ハイブリッドパワコン | EP Cube PCS-JP2-6G | 1台 |
| 蓄電池パック | EP Cube B1-3G | 606G=2個/610G=3個/613G=4個 |
| ベース | EP Cube Base1-G | 1台 |
| 電源切替BOX | EP Cube ATS11-75 | 1台 |
オプションとして、カラーモニタ(EP Cube HMI1-7W)とCTセンサ(EP Cube CT1-100)があります。
カタログの注記によると、SIIには個別機器の型番ではなくパッケージ型番で登録されており、電源切替BOX(EP Cube ATS11-75)はパッケージ型番に含まれません。見積書で「システム型番」と「電源切替BOX」が別の行になっていても、それは自然なことです。
見積書の型番の並び方が分かりにくいときは、長州産業の蓄電池は「2種類」ありますで、システム型番と機器の型番の読み分けを別の例で書いています。
停電時は最大5.9kVA。全負荷200Vに対応
停電時の出力は、東北の冬の停電で暖房をどこまで動かせるかに直結します。公式の記載は次のとおりです。
自立出力:最大5.9kVA/定格出力電圧 202V・101V(単相3線)
公式FAQ:「自立出力は5.9kVA、全負荷200Vに対応します」
全負荷型なので、停電時は家全体の回路に電気が送られます。200Vのエアコンも、出力の範囲内なら停電時に動かせる構成です。
ただし、住宅用カタログの仕様表では、自立出力の欄が「5.9kVA/2.95kVA(力率1.00時)」と2つの数字で書かれています。2.95kVAが何を指すのかは、カタログに説明がありません。停電時に1つの回路・1つの相でどこまで使えるかは、販売施工店に必ず確認してください。
全負荷型と特定負荷型の違いは、全負荷型と特定負荷型、どっちの蓄電池?で整理しています。
系統連系時の出力
ふだん(電力会社とつながっているとき)の定格は、製品ページでは「定格入出力有効電力(太陽電池含)」として5.6kW(力率0.95時)/5.9kW(力率1.0時)です。EP CUBEはハイブリッド蓄電システム(太陽光と蓄電池を1台のパワコンで扱う方式)です。
東北で読む温度の記述:充電は0℃から
ここからが、東北の冬にいちばん効く部分です。

▲図解:EP CUBEは「放電できる温度」と「充電できる温度」が違う。氷点下の朝は、充電の範囲から外れる
仕様表:充電0℃〜45℃、放電−20℃〜45℃
製品ページとカタログの仕様表では、動作温度が充電と放電で別々に書かれています。
充電:0℃〜45℃
放電:−20℃〜45℃
つまり、氷点下の朝は、充電できる温度の範囲から外れます。放電(電気を使うこと)は−20℃まで動作する範囲ですが、充電(ためること)は0℃からです。
性能表示ラベルの注記は「放電−10℃まで」
もう1つ、気をつけたい点があります。性能表示ラベルのPDFの冒頭には、次の注記があります。
注記:放電動作は−10℃まで動作、充電動作は0℃まで動作
仕様表は放電−20℃まで、ラベルの注記は放電−10℃までと、放電の下限が違う数字で書かれています。どちらの条件が自宅の設置に当てはまるのかは、販売施工店からメーカーに確認してもらってください。この記事では、どちらが正しいかを推測で決めません。
低温で充電できないとき、余った電気は売電に回ることがある
カタログの注記には、次の一文があります。
低温および高温の影響で蓄電池パックの充電能力が低下した場合、余剰電力の一部が充電されず、そのまま売電されることがあります
冬の晴れた日、朝のうちは本体が冷えていて、太陽光の電気を思ったほどためられない。そういうことが起こりうる、ということです。
「冬季モード」がある
カタログの「インテリジェント管理」の欄には、「寒冷地等で発生しやすい過放電を予防(冬季モード)」と書かれています。この欄には「ネットワーク接続必須」の注記があり、仕様表の注記でもEP CUBE本体はインターネット接続必須とされています。冬の機能を使うためにも、本体をつなぐネットワーク環境を工事の段階で確かめてください。
東北で施工店に聞くこと
- ① 冬の朝の本体の温度は、充電の範囲(0℃〜)に入るか。設置場所でどう変わるか
- ② 放電の下限は、仕様表の−20℃とラベル注記の−10℃のどちらで考えるか
- ③ 冬季モードを使うための通信環境はあるか
低温で蓄電池に何が起きるかの全体像は、蓄電池は冬に弱い?で整理しています。
−10℃の性能表示ラベルは「-」。25℃と40℃で読む
当社では、メーカーを主題にした記事で、性能表示ラベルの−10℃の欄を必ず確認しています。東北の冬にいちばん近い条件だからです。
EP CUBEの性能表示ラベル(JIS C 4414に基づく表示・v1.0)では、システム容量利用率の−10℃の欄は、系統連系時・停電時とも「-」になっています。数値は載っていません。
「-」は、劣っているという意味ではない
性能表示ラベルは、メーカーが参加して表示する仕組みです。−10℃の値が載っていないことは、性能が劣ることを意味しません。ただ、読者が自分でラベルから冬の性能を確かめることはできない、ということです。
やることは1つです。氷点下で、どのくらい充電・放電できるのかを、販売施工店に聞いて確認してください。当社は、公表されていない数値を推測でお答えしません。
25℃・40℃の値(JET版・TÜV版とも同じ)
ラベルに載っている値は次のとおりです。JP1とJP2は同じ値でした。
| 型式 | 初期実効容量 | 系統連系時 25℃/40℃ | 停電時 25℃/40℃ | 充放電効率 |
|---|---|---|---|---|
| 606G | 6.2kWh | 89.9%/86.9% | 81.2%/78.4% | 79.2% |
| 610G | 9.4kWh | 90.4%/87.0% | 80.8%/77.8% | 84.5% |
| 613G | 12.6kWh | 91.3%/87.4% | 81.9%/78.4% | 86.9% |
停電時のほうが、系統連系時より約9ポイント低いのが読み取れます。停電時に使える量は、ふだんより少なくなると考えておいてください。ラベルには、初期停電時放電容量として606Gが5.6kWh、610Gが8.4kWh、613Gが11.3kWhと書かれています。
ほかに、想定使用期間15年・運転音30dB・防じん防水性能IP65が全型式共通で載っています。

▲ 出典:カナディアン・ソーラー・ジャパン株式会社「EP CUBE 性能表示ラベル v1.0」
ラベルには「EP Cube2 JE-S」も載っている
同じラベルPDFの2ページ目には、HES-JP 613Gのほかに、「EP Cube2 JE-S-5G/10G/15G/20G」という4型式のラベルも載っています(5kWh〜20kWhのシステム)。
ただし、2026年10月13日時点で、カナディアン・ソーラー・ジャパンの製品ページ・住宅用カタログには、EP Cube2の仕様は載っていません。出力・設置条件・保証などは公式で確認できなかったので、この記事では扱いません。見積書にJE-Sの型番が出てきたら、仕様書を販売施工店から受け取ってください。

▲ 出典:カナディアン・ソーラー・ジャパン株式会社「EP CUBE 性能表示ラベル v1.0」
設置は「屋外推奨」。塩害と雪は施工店と決める
屋外推奨・IP65
製品ページの設置場所は「屋外推奨」、防じん防水の保護等級はIP65です。公式FAQでは、設置の離隔として左右・手前30cm、上20cmが案内されています。
塩害は「重塩害地域以外では概ね設置可能」
公式FAQでは、「重塩害地域以外では概ね設置可能」としたうえで、地域と海岸線からの距離などにより設置可能な地域を設けていると書かれています。三陸や仙台湾沿い、日本海側の海に近いお宅は、施工店に設置できる範囲かを確かめてもらってください。
雪についての記載は見当たらない
製品ページ・カタログ・FAQでは、積雪や寒冷地での設置に関する注記を見つけることができませんでした。記載がないから大丈夫、という意味ではありません。屋外に置く以上、落雪の当たらない場所か、吸排気や離隔が雪で埋まらないかは、設置場所を決める段階で施工店と確認してください。
雪囲いをするときの注意は、雪囲いをする前に、蓄電池とパワコンの吸排気口を確かめてくださいで書いています。
保証は15年。増設は「連系から1年以内」
カタログ・製品ページによると、製品保証は15年です。対象はハイブリッドパワコン本体・蓄電池パック本体・ベース本体で、付属品等は1年保証と注記されています。
カタログには「15年間の品質保証を提供(蓄電池容量保証60%以上)」とも書かれています。ただし、60%以上が何年目の時点の条件なのかなど、詳しい条件は今回確認できた公開資料にはありませんでした。保証書・保証規定で確認してください。
もう1つ、公式FAQに大事な一文があります。
増設は可能ですが、系統連系日から1年以内を条件とさせていただきます
「まず小さく入れて、あとで足す」と考えている方は、1年以内という条件を契約前に頭に入れておいてください。容量の考え方は蓄電池は何kWhが正解?で書いています。
見積書に並ぶ型番や容量が妥当か気になるときは、当社が運営する「ソラカルテ」の見積書AI診断で、相談前に確認することもできます。
よくあるご質問
HES-JP1とHES-JP2で、性能は違いますか。
性能表示ラベルの値(実効容量、系統連系時・停電時の容量利用率、充放電効率など)は、JP1とJP2で同じでした。製品ページでは、初期実効容量の準拠規格の違いで、TÜV版が6.1/9.3/12.6kWh、JET版が6.2/9.4/12.6kWhと書かれています。
氷点下の日は、蓄電池は使えないのですか。
仕様表では、放電(電気を使うこと)は−20℃から、充電は0℃からの動作範囲です。ただし性能表示ラベルの注記では放電は−10℃までとなっています。氷点下でどれだけ充電・放電できるかは、販売施工店を通じてメーカーに確認してください。
型番の「HES」や「G」は何の意味ですか。
公式には説明がありません。公式に書かれているのは、JP1がTÜV版、JP2がJET版であることと、606G・610G・613Gが公称6.6・9.9・13.3kWhのシステムに対応していることです。
まとめ
- HES-JP1はTÜV版、HES-JP2はJET版。カタログに載っているのはJP2の3型式
- 606G・610G・613G=公称6.6・9.9・13.3kWh。蓄電池パック2・3・4個の構成
- 停電時は最大5.9kVA・全負荷200V。カタログの「2.95kVA」の意味は施工店に確認
- 充電は0℃から、放電は−20℃から(仕様表)。ラベル注記は放電−10℃まで
- −10℃のラベル欄は「-」。冬の性能は施工店に聞いて確かめる
- 保証は15年。増設は系統連系日から1年以内
ランキングや優劣ではなく、ご自宅の冬の条件に合うかどうかで読んでください。
※本記事は2026年10月13日時点の情報です。仕様・保証・設置条件はメーカーの最新の資料と、販売施工店からの説明でご確認ください。
出典
- カナディアン・ソーラー・ジャパン株式会社「EP CUBE」製品ページ https://csisolar.co.jp/products/ep-cube/
- カナディアン・ソーラー・ジャパン株式会社「住宅用カタログ(2026年5月版)」 https://csisolar.co.jp/wp-content/themes/canadian_solar/pdf/CSJ_ResidentialCatalog_2026-5_HP.pdf
- カナディアン・ソーラー・ジャパン株式会社「EP CUBE 販売店・施工店向けページ(よくあるご質問)」 https://csisolar.co.jp/partners/epcube/
- カナディアン・ソーラー・ジャパン株式会社「EP CUBE 性能表示ラベル v1.0」 https://csisolar.co.jp/wp-content/themes/canadian_solar/pdf/EPCUBE_PerformanceLabel_V1.0.pdf
- 一般社団法人 日本電機工業会「蓄電システム 性能表示ラベルのススメ」 https://www.jema-net.or.jp/living/chikuden/label.html
当社が運営する「ソラカルテ」では、太陽光・蓄電池の見積書をその場で無料AI診断できます。電話番号の登録は不要です。
監修・執筆:株式会社ファナス 代表取締役 不藤政次|宮城県・福島県・山形県・岩手県・秋田県・青森県・新潟県の各市町村で太陽光発電・蓄電池・V2H・エコキュートを施工販売。無料相談はこちら
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