先に結論。オムロンの蓄電池 KPBP-A は、停電すると自動で自立運転に切り替わります|使える電力(特定負荷2000VA・全負荷 片相2000VA)、残量6%の停止、復電後に見るところを取扱説明書で【東北・2026年版】

ご主人
AIふどうくん
奥様
AIふどうくん※登場人物はイメージです。
先に結論
- オムロン KPBP-A は、停電すると自動で自立運転に切り替わります。お客様の操作は要りません(取扱説明書 5647732-7W)。
- 使える電力は、特定負荷用分電盤のシステムで合計2000VA以下(取扱説明書は500W程度を推奨)、全負荷用分電盤のシステムで片相2000VA・両相4000VAまでです。
- 蓄電池の残量が6%(ユニットによっては9%)になると放電を止めます。太陽光のあるシステム(A-2・B・C)は、太陽光で規定の量まで充電されると再開します(太陽光のないA-1は補充できません)。
- 復電すると、蓄電システムは最大5分程度で自動で元の運転(連系運転)に戻ります。ただし、自分で自立運転を止めていた場合は自動では戻りません。太陽光が別のパワコンのシステム(A-2)は、太陽光パワコン側の復帰もその取扱説明書で確かめます。
先に結論を書きます。KPBP-A の停電時に、ご家族がやることはほとんどありません。大事なのは、停電の前に「どのシステムか」と「使える電力」を知っておくことです。
KPBP-A は、オムロン ソーシアルソリューションズの家庭用蓄電システム「マルチ蓄電プラットフォーム」です。この記事は、2026年10月26日に、オムロンが公開している取扱説明書(品番 5647732-7W)を開いて、停電時・復電時の動きを整理したものです。型番の見方はオムロン KPBP-A の型番の見方に、停電が長引いたときの残量の配り方は大雪の停電が3日目に入った夜、蓄電池の残量をどう配るかにまとめています。

▲図解:停電→自動で自立運転→使える電力はシステムで違う→復電で自動で戻る
まず、自分の家が「どのシステム」かを確かめます
取扱説明書は、KPBP-A のシステムを次の4つに分けて説明しています。停電時に使える電力や設定は、システムで変わります。
| 取扱説明書の区分 | 構成 | 停電時に使える場所 |
|---|---|---|
| システムA-1 | 蓄電専用・特定負荷用分電盤あり・太陽光なし | 特定負荷用分電盤(または特定負荷用コンセント) |
| システムA-2 | 蓄電専用・特定負荷用分電盤あり・太陽光あり(太陽光は別のパワコン) | 同上 |
| システムB | ハイブリッド蓄電システム・特定負荷用分電盤あり・太陽電池あり | 同上 |
| システムC | ハイブリッド蓄電システム・全負荷用分電盤あり・太陽電池あり | 全負荷用分電盤−主分電盤 |
取扱説明書によると、パワーコンディショナ・PVユニット・トランスユニットは外観が同じなので、本体左側面の定格ラベルで機器を見分けます。分からないときは、工事をした販売施工店に「うちはどのシステムか」を聞いておくのが早道です。全負荷型と特定負荷型の違いは全負荷型と特定負荷型の記事にあります。
停電したとき:操作は不要。表示で「ジリツ」を確かめる
取扱説明書には、次のように書かれています。
停電などで電力会社からの電力供給が停止すると、自動で連系運転から自立運転に切り替わるため、お客様での切り替え操作は必要ありません。
確かめ方は2つです。
- ゲートウェイのメインメニューの「ウンテンジョウタイ」が「ジリツ」と表示されているか
- ゲートウェイのランプが、状態ランプ=緑色、運転ランプ=橙色に点灯しているか(充放電ランプは、充電中が橙色、放電中が緑色)
システムA-2(太陽光が別のパワコン)の場合、太陽光パワコンの自立運転への切り替えは、太陽光パワコンの取扱説明書に従います。
使える電力は、システムで違います
奥様
AIふどうくん特定負荷用分電盤のシステム(A-1・A-2・B)
- 特定負荷用分電盤(または特定負荷用コンセント)につないだ電気製品の合計消費電力は2000VA以下(AC 100V で最大20A以下)
- 電池残量や太陽光の発電量によって、2000VAが供給されない場合がある
- 電気製品によっては、定格のワット数(W)以上の電力(VA)を使うので、2000W以下でも使えない場合がある
- 安定して、より長い時間使うため、合計500W程度に抑えることを推奨
また、取扱説明書の「安全上のご注意」は、特定負荷用コンセント・特定負荷用分電盤・全負荷用分電盤のどれにも、次の機器を接続しないでくださいとしています(全負荷のシステムも同じです)。
- すべての医療機器
- 灯油やガスを用いる冷暖房機器や、ヒータを持つ機器
- デスクトップパソコンなど、バッテリを持たない情報機器
- その他、途中で止まると生命や財産に損害を及ぼす機器
東北の冬では、FF式の石油ストーブや石油給湯機を蓄電池で動かしたい、という相談があります。KPBP-A の取扱説明書は、灯油やガスを用いる冷暖房機器を、特定負荷・全負荷のどちらにも接続しない機器に挙げています。FF式ストーブの停電時の扱いは停電時のFF式ストーブ・石油給湯機の記事に書いています。
全負荷用分電盤のシステム(C)
- 全負荷用分電盤−主分電盤で、同時に使う電気製品の合計消費電力が、最大片相2000VA、両相4000VAを超えないようにする
- 上の「接続しない機器」(医療機器、灯油・ガスの冷暖房機器やヒータを持つ機器など)は、全負荷用分電盤にも接続しない
- 電池残量や太陽光の発電量によって、4000VAが供給されない場合がある
- 定格のワット数が4000以下でも、使えない場合がある
自立運転が止まったら
取扱説明書では、掃除機や冷蔵庫など、電流が急に流れる機器を使うと、保護機能が働いて運転が止まることがあるとしています。止まったら、使っている機器の一部を止めて消費電力を減らします。数分後に自動で自立運転を再開します。
システムA-2(太陽光が別のパワコン)では、取扱説明書はさらに次の対応を挙げています。
- 太陽光パワコンの運転が止まった場合は、太陽光パワコンの取扱説明書に従って運転を再開させる
- 「テイデンジモード」が「ジドウ」または「タイヨウコウキュウデン」のときは、「テイデンジジュウデン」(停電時に太陽光から充電する電力)を小さな値に変える
そのうえで、数分後の自動再開を待ちます。再開しない場合は、「運転停止/運転再開のしかた」の操作で一度止めてから、もう一度運転させます。
停電中の使い方のコツ
- 特定負荷のシステムは「合計500W程度」が目安。冷蔵庫・照明・スマホの充電から考える
- 掃除機など、電流が急に流れる機器は止まる原因になる
- 止まったら、機器を減らして数分待つ
残量が少なくなったときの止まり方
KPBP-A は、蓄電池ユニットの過放電を防ぐため、停電中は規定の残量で放電を止めます。
| 蓄電池ユニット | 放電を止める残量 | 放電を再開する残量 |
|---|---|---|
| KP-BU164-S/-2S、KP-BU98B-S/-2S、KP-BU127-B、KP-BU97C-A、KP-BU130C-A | 6% | システムA-2は7%以上、システムB・Cは16%以上 |
| KP-BU65B-S/-2S、KP-BU63-B、KP-BU65C-A | 9% | システムA-2は10%以上、システムB・Cは19%以上 |
再開に必要な残量までは、太陽光の余った電気で充電します(太陽光のあるシステムA-2・B・Cの場合。太陽光のないA-1は、停電中に補充できません)。システムA-2では、残量が規定値以下でも、太陽光の電気を家の機器へ送ることができます。
残量が少なく放電できないときは、表示部に「C9-3.0」(放電停止SOC到達)が出ます。残量が0%になると「C9-1.0」(蓄電残量低下(停電時))が出て、約30分後にシステムの電源が切れ、待機状態(パワーセーブモード)になります。電源が切れた場合は、復電後に再起動します。長く電源が切れていた場合は、再起動後に日時の設定画面が出るので、日時を合わせます。
「SOCカゲン」を20%以下にしていないか
取扱説明書は、残量の下限の設定「SOCカゲン」を20%以下にすると、停電時に電気をすぐに使えない場合があるとしています。経済モード・グリーンモードの初期値は30%で、停電時に電気を使えるようにしています。雪の多い季節の前に、販売施工店と設定を確かめておくと安心です。冬の設定の考え方は蓄電池の冬の設定の記事にまとめています。
システムA-2の人だけ:「テイデンジモード」を確かめる
太陽光が別のパワコンにつながっているシステムA-2では、停電時の給電のしかたを「テイデンジモード」で設定します。
| 設定値 | 内容 |
|---|---|
| ジドウ(自動)(推奨) | 「チクデンチキュウデン」と「タイヨウコウキュウデン」を自動で選んで給電 |
| チクデンチキュウデン(蓄電池給電) | 蓄電池にためた電力を給電 |
| タイヨウコウキュウデン(太陽光給電) | 太陽電池の発電電力を給電 |
取扱説明書は、システムA-1では「タイヨウコウキュウデン」に設定しないでくださいとしています。停電時に蓄電池からの給電ができなくなるためです。
停電中に太陽光から蓄電池へ充電する電力は「テイデンジジュウデン」で、ジドウ(初期値)/0W/200W/500W/1000W/1500Wから選びます(システムA-2のみ。「テイデンジモード」がジドウまたはタイヨウコウキュウデンのとき)。
停電が直ったら:最大5分程度で自動で戻る
取扱説明書では、復電すると自動で自立運転から連系運転に切り替わり、お客様の操作は要りません。切り替わるまで最大5分程度です。ゲートウェイの「ウンテンジョウタイ」が「レンケイ」になっているかを確かめます。連系運転中は、状態ランプと運転ランプが緑色に点灯します。
システムA-2では、太陽光パワコンの連系運転への切り替えは、太陽光パワコンの取扱説明書に従います。蓄電システムが戻っても、太陽光パワコン側が戻っているかは別に確かめてください。
ただし、自分で自立運転を止めていた場合は、復電しても自動では連系運転に戻りません。「運転停止/運転再開のしかた」の操作で運転を再開します。また、取扱説明書は、長時間の運転停止をしないようにと書いています。停止が長く続くと、蓄電池ユニットが完全放電して使えなくなる場合があるためです。
東北の冬の前に、やっておくこと
- 自分の家が、システムA-1・A-2・B・Cのどれかを確かめる(販売施工店に聞くのが早い)
- 特定負荷の家は、停電時に使う機器を決めておく(合計500W程度が目安)
- 灯油・ガスの暖房機器を、特定負荷・全負荷のどちらにもつないでいないか確かめる
- 「SOCカゲン」が20%以下になっていないか確かめる(初期値は経済・グリーンモード30%、安心モード50%)
- ゲートウェイの「ジリツ」「レンケイ」の表示とランプの色を、家族で見ておく
よくあるご質問
停電したら、何か操作が必要ですか?
取扱説明書では、停電すると自動で自立運転に切り替わり、お客様の切り替え操作は要りません。ゲートウェイの「ウンテンジョウタイ」が「ジリツ」になっているかを確かめてください。システムA-2(太陽光が別のパワコン)の場合、太陽光パワコンの自立運転は、太陽光パワコンの取扱説明書に従います。
停電中に、エアコンは使えますか?
システムで違います。特定負荷のシステムは合計2000VA以下(AC100Vで最大20A以下)で、取扱説明書は500W程度を勧めています。全負荷用分電盤のシステムは片相2000VA・両相4000VAまでです。定格のワット数が上限以下でも使えない場合があるので、販売施工店に、ご自宅の機器で使えるかを確かめてください。
蓄電池が空になったら、どうなりますか?
残量が6%(ユニットによっては9%)で放電を止めます。太陽光のあるシステム(A-2・B・C)は、太陽光で規定の量まで充電されると再開します。太陽光のないシステムA-1は、停電中に補充できません。残量が0%になると「C9-1.0」が出て、約30分後にシステムの電源が切れ、待機状態になります。電源が切れた場合は、復電後に再起動します。
まとめ
- KPBP-A は、停電すると自動で自立運転に切り替わる。操作は要らない。表示は「ジリツ」
- 使える電力は、特定負荷のシステムで合計2000VA以下(500W程度を推奨)、全負荷のシステムで片相2000VA・両相4000VA
- 灯油・ガスの冷暖房機器は、特定負荷・全負荷のどちらにも接続しない
- 残量6%(または9%)で放電を止め、太陽光のあるシステムは太陽光で充電されると再開(A-1は補充できない)。「SOCカゲン」は20%以下にしない(初期値は経済・グリーンモード30%、安心モード50%)
- 復電後は最大5分程度で自動で連系運転に戻る。自分で止めていた場合は手動で再開。A-2は太陽光パワコン側の復帰も確かめる
※本記事は2026年10月26日時点で、オムロン ソーシアルソリューションズが公開している KPBP-A の取扱説明書(品番 5647732-7W)にもとづいています。ソフトウェアの版や機器の組み合わせで動作が異なる場合があります。実際の操作は、お手元の取扱説明書と販売施工店の説明に従ってください。
出典
- オムロン ソーシアルソリューションズ「マルチ蓄電プラットフォーム KPBP-A 取扱説明書(5647732-7W)」 https://socialsolution.omron.com/jp/ja/products_service/energy/doc/mnu/5647732-7w_inst_kpbp-a.pdf
- オムロン ソーシアルソリューションズ「マルチ蓄電プラットフォーム KPBP-A」製品ページ https://socialsolution.omron.com/jp/ja/products_service/energy/product/bt/kpbp.html
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監修・執筆:株式会社ファナス 代表取締役 不藤政次|宮城県・福島県・山形県・岩手県・秋田県・青森県・新潟県の各市町村で太陽光発電・蓄電池・V2H・エコキュートを施工販売。無料相談はこちら
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