村田製作所 All-in-Oneの停電時の使い方|購入時の設定は「手動」。自立運転ボタンの押し方、2000Wの上限、つないではいけない機器、復電後の約300秒の待機を取扱説明書で確かめました【東北・2026年版】

ご主人
AIふどうくん
奥様
AIふどうくん※登場人物はイメージです。
先に結論
- 蓄電池があれば、停電したら勝手に電気が来る——村田製作所のAll-in-One蓄電池システムは、購入時の設定のままだと、そうなりません。
- 取扱説明書では、停電時の自立運転の始め方が購入時は「手動」(自動切替は「OFF」)です。停電すると、リモコンの自立運転ボタンの上のランプが緑に点滅します。そのボタンを押すと、自立運転が始まります。
- 使えるのは特定負荷として選んだ回路か、非常時兼用コンセントだけ。つなぐ機器の合計は2000W/20A以下です。
- 停電が直ると、自動で通常の運転に戻ります。
- ※メーカーから使用停止を求められている機器は、停電時も運転しません(運転可能の連絡があるまで)。
この記事は、2026年10月28日に、村田製作所が公開しているAll-in-One蓄電池システムの取扱説明書(MPR01S4023MR・MPR01S5535MR)を開いて、停電したときと停電が直ったときの動きを整理したものです。
先に確かめてください:メーカーから「使用停止」を求められている機器は、停電時も動かしません
村田製作所は2024年7月から、この製品の一部に使用停止をお願いしてきました。公式の「よくあるご質問」では、停止をお願いしている機器はメーカーから運転可能の連絡があるまで停止し、停電が発生した場合も運転停止を続けるよう案内しています。
この記事の操作は、メーカーから運転を再開してよいと案内されている機器が対象です。ご自宅の機器が運転してよい状態か分からないときは、先にメーカーに確かめてください。
型番の見方と、2026年6月18日に公表された、保護機構の追加(基板交換)に関する案内は、村田製作所 All-in-One蓄電池の型番の記事にまとめています。この製品は、すべての型式で製造・出荷が終わっています。この記事は、いま付いている蓄電池を、停電の夜にどう使うかだけを扱います。

▲図解:購入時は「手動」。停電したら自立運転ボタンを押す。使えるのは決めておいた回路だけ
まず、ご自宅の設定が「手動」か「自動」かを確かめます
取扱説明書には、次のように書かれています。
ご購入時の初期設定では、手動(自動切替は「OFF」)になっています。
設定によって、停電したときにやることが変わります。
| 設定 | 停電したとき | 停電が直ったとき |
|---|---|---|
| 手動(購入時の設定) | リモコンの自立運転ボタンを押すと、自立運転が始まる | 自動で通常の運転(連系運転)に戻る |
| 自動 | 操作なしで、自立運転が始まる | 自動で通常の運転(連系運転)に戻る |
どちらの設定でも、取扱説明書は「停電/復電の切替時に使用していた電気機器は一旦停止します」と書いています。この製品は無停電電源装置(UPS)ではないので、停電した瞬間に電気が途切れないわけではありません。

▲ 出典:株式会社村田製作所 公式製品ページ(MPR01S5535MR)
「手動」の場合:停電したら、自立運転ボタンを押す
取扱説明書の手順は、次の3つです。
- 停電すると、リモコンにサブボタンが自動で表示され、自立運転ボタンの上のランプが緑に点滅します。電池の残量(%)も表示されます
- 自立運転ボタンを押すと、自立運転が始まり、あらかじめ決めておいた特定負荷の回路か非常時兼用コンセントに電気が流れます
- 停電が直ると、自動で通常の運転(連系運転)に戻ります
もう一度自立運転ボタンを押すと、自立運転は止まります。取扱説明書には、自立運転を止めても、太陽電池からの充電は行うとも書かれています。
自立運転中は、リモコンの電池ボタンを押すと、蓄電池の残量(%)に加えて電池の使用可能残時間(分)が表示されます。この残時間は、自立運転のときだけ表示されます。停電が長引きそうなときの目安になります。
奥様
AIふどうくん「自動」にしておく場合
取扱説明書では、自動に設定してあれば、停電すると自動で自立運転を始め、停電が直ると自動で通常の運転に戻ります。停電時の切り替えも、停電が直ったときの切り替えも、10秒以内です。
設定は、屋内用リモコンの「見える化画面」から行います。取扱説明書の手順は次のとおりです。
- 「PCS1」メニューの「PCS設定」を押す(2台設置の場合は「PCS2」も同じように設定する)
- 自立運転自動切替の「自動/手動」を選ぶ
- 「更新」を押し、「更新されました」と出たら設定完了
見える化画面の開き方が分からないとき、本体を2台設置しているときは、施工した会社に聞いてください。
自動にする前に、つながっている機器を確かめます
自動にすると、停電したときに、特定負荷の回路につながっている機器へ操作なしで電気が流れ始めます。取扱説明書は「電源が入ると自動的に運転を開始する機器」を、自立運転中につながない機器に挙げています。自動にする前に、特定負荷の回路にどんな機器がつながっているかを確かめてください
使えるのは2000W/20Aまで。つないではいけない機器
合計2000W/20A以下
取扱説明書には、「特定負荷回路または非常時兼用コンセントに接続する電気機器の消費電力の合計は2000W/20A以下でご使用ください」とあります。電気機器の種類にもよりますが、おおよそ1500W〜2000W程度の機器が使える、とも書かれています。
仕様表の自立運転の出力は、単相2線式101V・2.0kVAです。100Vの機器だけで、200Vのエアコンやエコキュートは停電時に動きません。増設用の蓄電池ユニット(MPR01H2035MR)を足しても、最大出力は2000W(100V/20A)のままです。増えるのは「何時間もつか」のほうです。
2.0kW以上をつなぐと、リモコンにエラーコード「E1.013」など(特定負荷過負荷異常)が出ます。取扱説明書では「Ex.013」と書かれていて、xは1桁の数字(1・2はPCS番号)です。取扱説明書は、つないでいる機器を見直し、エラーコードを解除してから運転を再開するよう書いています。
自立運転中に、つながない機器
取扱説明書は、蓄電池の残量や発電の状況によって電気が止まることがあるため、次の機器は自立運転中につながないようにと書いています。
- 医療機器など、生命に関わるすべての機器
- 途中で電源が切れると、データなどに不具合が出るおそれのある機器
- 灯油やガスなどを使って熱を出す暖房機器
- 電源が入ると自動で運転を始める機器
- モーターやポンプなど、突入電流の大きい機器
- その他、生命や財産に損害を受けるおそれのある機器
取扱説明書が挙げている例は、デスクトップ型パソコンなどの情報機器、灯油ストーブ、ガスストーブ、電気ストーブ、遠赤外線ヒーター、掃除機、エアコン、洗濯機、乾燥機、電子レンジです。
東北の冬は、停電したら石油ファンヒーターやFF式ストーブを蓄電池で動かしたい、というご相談が多くあります。この取扱説明書は、灯油やガスを使う暖房機器を、自立運転中につながない機器に挙げています。暖房の考え方は停電時のFF式ストーブ・石油給湯機の記事に書いています。
夜、残量がなくなると止まる
取扱説明書では、夜間など太陽電池が発電していない、かつ電池の残量がないときは、出力を止めます。使う機器や電池の残量によって、停電時に使える機器は限られます。冷蔵庫がどれくらいもつかは停電したら冷蔵庫は何時間もつ?を、長い停電での残量の配り方は大雪の停電が3日目に入った夜、蓄電池の残量をどう配るかを読んでください。
停電が直ったら:約300秒の待機があります
設定が手動でも自動でも、停電が直ると自動で通常の運転(連系運転)に戻ります。リモコンで戻す操作は要りません。
ただし、取扱説明書には「停電からの復電時も同様に300秒の待機時間があります」と書かれています。停電が直ってすぐに太陽光の発電や蓄電池の充電が始まらなくても、約5分は待ってください。
また、特定負荷の切替開閉器・切替盤が切り替わる瞬間、つながっている機器が一瞬止まります。取扱説明書は、これは故障ではないとしています。
東北の冬に、知っておきたいこと
気象警報連動機能を有効にしていれば、警報で「備蓄優先コース」に
取扱説明書には「気象警報連動機能」があります。大雨・洪水などの気象警報を受けると、運転コースを備蓄優先コースに自動で変え、蓄電池を満充電にするための充電を始めます。警報が解けたら、翌朝3時55分〜4時35分の間に元のコースに戻ります。
この機能を使うには、屋内用リモコンをインターネットにつないで、見える化画面でユーザ情報を登録し、そのうえで「設定」→「リモコン」→「基本設定」で気象警報連動機能を「有効」にして「更新」しておく必要があります。上の動きは、この機能を有効にしている場合のものです。取扱説明書は、地震は気象警報に含まれないとも書いています。
なお、2024年3月の製造・出荷終了の案内では、気象警報連動機能(自立運転中を除く)などは、ユーザ情報登録日から15年たった日か2041年9月30日のどちらか早い日を過ぎると使えなくなる、とされています。
寒い日は、満充電にならないことがある
取扱説明書では、製品の内部が10℃を下回ると、蓄電池を守るために充電の電力を抑えます。0℃以下では、残量が100%に届かずに止まる場合がありますが、異常ではないとしています。外の温度が動作範囲(−20℃〜50℃)を外れると、充電や放電が一時的に止まります。
冬の朝の停電では、思ったより残量が少ないことがあります。低温での充電の段階や、性能表示ラベルの−10℃の値は、型番の記事の温度の章にまとめています。
この冬の前に、やっておくこと
- リモコンの設定が「手動」か「自動」かを確かめる(購入時は手動)
- 手動のままにするなら、自立運転ボタンの場所を家族で確かめる
- 特定負荷の回路(停電時に電気が来る部屋・コンセント)を書き出しておく
- 灯油・ガスの暖房機器や、電源が入ると勝手に動く機器が、特定負荷の回路につながっていないか確かめる
- メーカーから運転を再開してよいと案内されているかを確かめる(使用停止を求められている機器は、停電時も運転しない。分からなければメーカーに確かめる)
- 保護機構の追加(基板交換)の案内が届いていないか確かめる(届いていれば、案内に従う)
よくあるご質問
停電したのに、蓄電池から電気が来ません。故障ですか?
購入時の設定(手動)のままなら、リモコンの自立運転ボタンを押すまで自立運転は始まりません。停電すると、自立運転ボタンの上のランプが緑に点滅します。押しても電気が来ないときは、特定負荷の回路か非常時兼用コンセントにつないでいるか、合計が2000Wを超えていないか(エラーコード「E1.013」などが出ていないか)を確かめてください。
停電中に、200Vのエアコンは使えますか?
使えません。自立運転の出力は単相2線式101V・2.0kVAです。取扱説明書は、エアコンを自立運転中につながない機器の例にも挙げています。
「自動」にしたほうがいいですか?
夜中や留守中に停電しても自立運転が始まる一方で、特定負荷の回路につながっている機器に、操作なしで電気が流れます。取扱説明書は、電源が入ると自動で運転を始める機器を、自立運転中につながない機器に挙げています。回路につながっている機器を確かめてから、施工した会社と相談して決めてください。
まとめ
- 村田製作所のAll-in-Oneは、購入時の設定が「手動」。停電したら自立運転ボタンを押す(ランプが緑に点滅)
- 自動にしてあれば操作は不要。切り替えは10秒以内。設定は見える化画面の「PCS設定」から
- 使えるのは特定負荷の回路か非常時兼用コンセントだけ。合計2000W/20A以下、101Vのみ。超えるとエラーコードE1.013など
- 灯油・ガスの暖房機器、電源が入ると勝手に動く機器、突入電流の大きい機器はつながない
- 停電が直ると自動で通常の運転に戻る。ただし約300秒の待機がある
- 冬は充電が抑えられ、0℃以下では満充電にならないことがある
※本記事は2026年10月28日時点で、株式会社村田製作所が公開しているAll-in-One蓄電池システムの取扱説明書・製造出荷終了の案内・お知らせ・よくあるご質問にもとづいています。実際の操作は、お手元の取扱説明書と施工した会社の説明に従ってください。保護機構の追加(基板交換)の対象かどうかは、メーカーからの案内でご確認ください。
出典
- 株式会社村田製作所「All-in-One蓄電池システム 取扱説明書(MPR01S4023MR・MPR01S5535MR)」 https://solution.murata.com/ja-jp/products/ess_residential/asset/customer/pdf/mpr01s4023mr-mpr01s5535mr_manual.pdf
- 株式会社村田製作所「All-in-One 蓄電池システムの製造・出荷終了について」(2024年3月) https://solution.murata.com/ja-jp/products/ess_residential/asset/cmn/pdf/guideline_end_of_sale.pdf
- 株式会社村田製作所「住宅用All-in-One蓄電池システムの保護機構追加作業に関するお知らせ」(2026年6月18日) https://corporate.murata.com/ja-jp/newsroom/news/company/general/2026/0618
- 株式会社村田製作所「製品不良および使用停止依頼に関するご質問」 https://solution.murata.com/ja-jp/products/ess_residential/faq/s_error/
- 株式会社村田製作所「All-in-One蓄電池システム 製品情報」 https://solution.murata.com/ja-jp/products/ess_residential/product/
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監修・執筆:株式会社ファナス 代表取締役 不藤政次|宮城県・福島県・山形県・岩手県・秋田県・青森県・新潟県の各市町村で太陽光発電・蓄電池・V2H・エコキュートを施工販売。無料相談はこちら
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