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いまの電気代は、1kWhあたり4円50銭を国が肩代わりしています|電気代の中身と、2028年度に始まる「化石燃料賦課金」【東北・2026年版】

電気代の内訳と化石燃料賦課金|2028年度に何が乗るか

先に結論
2026年9月分の電気代からは、国の支援で1kWhあたり4円50銭が差し引かれています。
この支援は期間を区切ったもので、外れればその分がそのまま戻ってきます。
さらに2028年度から「化石燃料賦課金」という新しい負担が始まります(GX推進法)。
単価はまだ決まっていませんが、「徐々に引き上げていく」という方針は政府資料に明記されています。

まず、東北電力の実際の数字から入ります。

2026年7月30日、東北電力は2026年9月分の燃料費等調整単価を公表しました。低圧のお客さまに適用される単価は1kWhあたり▲11円74銭。契約電流30A・使用電力量260kWhの平均的なモデルで、電気料金は7,788円です。

「マイナス11円74銭も引かれているなら安いじゃないか」と思われるかもしれません。

ただ、この数字の中身を見ると、話が変わります。

この記事では、いまの電気代が何でできているのか、そこに国のお金がどれだけ入っているのか、そしてこれから何が乗ってくるのかを、公式資料だけで並べます。数字はすべて出典を付けました。

戸建て住宅の外観。屋根に太陽光パネル、敷地にカーポート

▲ 当社施工事例:屋根の太陽光とカーポート

電気代は、4つの部品でできています

検針票に書かれている金額は、次の4つの足し算です。

部品 何で決まるか 東北電力・従量電灯Bの例
基本料金 契約アンペア 30Aで月1,108円80銭
電力量料金(第1段階) 最初の120kWhまで 1kWhにつき29円62銭
電力量料金(第2段階) 120kWhをこえ300kWhまで 1kWhにつき36円37銭
電力量料金(第3段階) 300kWhをこえる分 1kWhにつき40円32銭
燃料費等調整額 燃料の輸入価格 2026年9月分は1kWhあたり▲11円74銭
再エネ賦課金 国が毎年決める 1kWhあたり4円18銭(2026年5月分〜2027年4月分)

電力量料金が3段になっているところに注目してください。使えば使うほど、1kWhあたりの単価そのものが上がります。

最初の120kWhは29円62銭ですが、300kWhを超えた分は40円32銭。同じ1kWhでも1.36倍です。

東北の冬は暖房と給湯で使用量が伸びる季節ですから、多くのご家庭が、いちばん高い第3段階の単価で電気を買う月が続きます。「冬だけ電気代が跳ね上がる」と感じるのは、使用量が増えているだけでなく、単価そのものが上の段に乗っているからです。

このうち、ご自身の努力で減らせるのは「使った量」だけです。

基本料金はアンペアを下げれば減りますが、東北の冬にアンペアを下げるのは現実的ではありません。燃料費等調整額と再エネ賦課金は、電気を買っているかぎり、使った量に比例して自動的に付いてきます。プランを変えても、電力会社を変えても、この2つは付いてきます。

料金プランごとの違いは太陽光・蓄電池がある家の電気料金プランで整理しました。


その「▲11円74銭」には、国のお金が入っています

ここが今日いちばんお伝えしたいところです。

東北電力の同じお知らせに、注釈としてこう書かれています。

平均燃料価格で算定した調整単価から、低圧は1キロワット時につき2026年8月分および10月分は3.5円、2026年9月分は4.5円を、高圧は1キロワット時につき2026年8月分および10月分は1.8円、2026年9月分は2.3円を差し引く特別措置。

つまり、9月分の▲11円74銭のうち、4円50銭は「国の電気・ガス料金支援」による差し引きです。燃料価格が安いから安いのではなく、そのうち4円50銭は税金で肩代わりされているということです。

260kWh使うご家庭なら、9月分だけで1,170円が国のお金で消えている計算になります。

そして、この支援は月ごとに単価が変わる、期間を区切った措置です。8月分と10月分は3.5円で、9月分だけ4.5円。ひと月ごとに国が決めています。

支援が終われば、その分はそのまま請求書に戻ります。 値上げの発表がなくても、電気代は上がります。

ここだけ押さえてください
「電気代が落ち着いてきた」という実感の一部は、国の支援でつくられています。
支援は恒久的なものではありません。
単価は月ごとに変わり、2026年9月分は4円50銭、8月分と10月分は3.5円です。
つまりいまの請求書は、支援が無い状態より1割前後安く見えているということです。


再エネ賦課金は、毎年のように上がってきました

2つ目の要素です。

再生可能エネルギー発電促進賦課金は、経済産業省が毎年3月に決めます。2026年3月19日に決まった単価は1kWhあたり4円18銭で、2026年5月分から2027年4月分の電気料金に適用されます。前年は3円98銭でした。

東北電力の発表では、30A・260kWhの平均的なモデルで月額1,086円。年間にすると約1万3,000円です。

これは電気を買った量に比例するので、節電しない限り減りません。太陽光や蓄電池を入れて自家消費を増やした分だけが、この賦課金の対象から外れます。電気代高騰と自家消費の関係は電気代高騰にどう備えるかで詳しく書きました。


2028年度、ここに「化石燃料賦課金」が加わります

3つ目、これが本題です。

2023年に成立したGX推進法(脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律)で、新しい2つの負担が法律に書き込まれました。環境省の資料「我が国におけるカーボンプライシングの導入に向けた検討状況」から、そのまま引きます。

化石燃料賦課金 特定事業者負担金(有償オークション)
開始年 2028年度 2033年度
対象者 化石燃料の採取または輸入事業者 発電事業者のうちCO2排出量が多い者
徴収額 賦課金単価(円/tCO2)× 化石燃料に係るCO2排出量 負担金単価(円/tCO2)× 有償で割り当てる排出枠の量
収入の使途 GX経済移行債の償還 同左

読み方の注意を先に書きます。

どちらも、直接の負担者は私たち家庭ではありません。 化石燃料賦課金を払うのは輸入事業者で、有償オークションで払うのは発電会社です。請求書に「化石燃料賦課金」という行が立つわけではありません。

ただ、燃料を輸入して発電している以上、そのコストは電気の原価に入ります。 電力の原価に入ったものが電気料金に反映されるのは、燃料費調整制度で私たちがすでに毎月経験しているとおりです。

「徐々に引き上げていく」と、政府資料に書いてあります

そして、ここが軽く読めないところです。

内閣官房GX実行推進室の資料(2025年8月26日・第15回GX実行推進会議)は、成長志向型カーボンプライシングの枠組みについてこう説明しています。

企業がGXに取り組む期間を設けた上で導入し、徐々に引き上げていく方針をあらかじめ明示
⇒ 早期に取り組むほど将来の負担が軽くなる仕組みとすることで、意欲ある企業のGX投資を引き出す。

「上がるかもしれない」ではありません。「徐々に引き上げる」ことが、制度の設計思想として先に宣言されています。 早く動いた者の負担が軽くなる仕組みにする、と書いてあるのですから、動かなければ重くなるということです。

環境省の資料には、日本エネルギー経済研究所の試算として、2050年時点の化石燃料賦課金の単価が約2,000〜6,000円/tCO2、有償オークションの単価が約12,000〜19,000円/tCO2という数字も紹介されています。

この数字は研究機関の試算であって、国が決めた単価ではありません。 実際の単価はまだ決まっていません。ここを「電気代が1kWhあたり◯円上がる」と言い換える説明を見かけたら、それは根拠のない話だとお考えください。当社も書きません。

「総額は増やさない」という説明の、読み方

政府は、国民負担の総額が増えないように設計したと説明しています。実際、環境省の資料には次のように書かれています。

毎年、化石燃料賦課金と有償割当収入の合計が、石油石炭税収の減少幅と再エネ賦課金の減少幅の合計を上回らないように設定。

言い換えると、再エネ賦課金が下がった分を、化石燃料賦課金が埋めるという設計です。

ここを冷静に読むと、こういうことになります。

  • 再エネ賦課金がこの先下がったとしても、下がった分がそのまま家計に返ってくるとは限らない
  • 総額の上限が決まっているだけで、下がる保証はどこにもない
  • そして、その総額の枠は2050年度までにGX移行債(20兆円規模)を償還するために使われる

「増えないように設計した」は、「減るように設計した」ではありません。負担の名前が変わっていくと読むほうが実態に近い、というのが公式資料を通しで読んだ率直な感想です。

屋外の地面に据えられた積層型の蓄電池ユニット。隣に室外機

▲ 当社施工事例:屋外に据えた蓄電池ユニット


東北の家にとって、何が問題なのか

ここまでは全国共通の話です。東北の事情を足します。

東北は、電気を使う量そのものが多い地域です。 暖房期間が長く、日照時間が短く、オール電化の比率も高い。同じ単価が乗っても、kWhあたりで効く負担は使用量に比例するので、東北の家のほうが金額として重く出ます

具体的に見ます。仮に月400kWh使うご家庭なら、再エネ賦課金だけで月1,672円、年間で約2万円です。ここに、国の支援が外れる分(9月分の水準なら1kWhあたり4円50銭=月1,800円)が戻り、さらに2028年度から化石燃料賦課金の影響が電気の原価に乗っていきます。

冬の使用量はもっと増えます。暖房と給湯で使用量が跳ねる月に、単価の上乗せが重なるのが東北の構図です。


では、どうするか

対策の話をします。ここまで読んでいただいて、答えが「節電しましょう」では意味がありません。

これまで見てきたとおり、燃料費等調整額も、再エネ賦課金も、これから乗る化石燃料賦課金の影響も、すべて「電力会社から買った量」に比例します。プランの見直しでは単価そのものは変えられません。

減らせるのは、買う量だけです。

  1. 昼につくって、昼に使う(太陽光)。発電した分は買わないので、単価がいくつであっても関係なくなります
  2. 昼につくって、夜に使う(蓄電池)。東北の冬は日照が短いので、貯める発想がないと自家消費率が上がりません
  3. 買う時間帯をずらす(プランと運転設定)。単価は変えられませんが、安い時間帯に寄せることはできます

蓄電池で実際にどの家電をどれだけ動かせるかは蓄電池が停電のとき何を何時間動かせるかで、家電の消費電力から逆算しています。

当社が運営する「ソラカルテ」では、お住まいの地域と電気の使い方を入れると、太陽光と蓄電池でどのくらい買電を減らせるかを概算できます。営業の電話はかかりません。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 化石燃料賦課金で、電気代は1kWhあたりいくら上がりますか。

A. 現時点では分かりません。 単価がまだ決まっていないためです。GX推進法では、化石燃料賦課金の総額に上限と下限の計算式が定められていて、単価はその範囲を化石燃料に係るCO2排出量で割った値とされています。決まっていない数字を「◯円上がる」と説明することはできません。決まり次第、この記事を更新します。

Q2. 国の電気・ガス料金支援は、いつまで続きますか。

A. これも決まっていません。月ごとに単価が公表される仕組みで、2026年8月分と10月分は低圧1kWhあたり3.5円、9月分は4.5円です。次の月にどうなるかは、その都度の公表を待つことになります。だからこそ、支援がある前提で家計を組まないほうが安全だと考えています。

Q3. いま太陽光を入れると、この先の値上げにどこまで対応できますか。

A. 太陽光が効くのは「買う量を減らす」ところだけです。単価の上昇そのものは止められません。 ただ、単価が上がるほど、1kWh自家消費したときの節約額は大きくなります。単価が上がるという前提に立つなら、自家消費の価値は上がる方向に働きます。どのくらい減らせるかは屋根の向き・面積・使い方で変わりますので、見積りの段階で試算をお出しします。


まとめ

  • 2026年9月分の電気代は、国の支援で1kWhあたり4円50銭が差し引かれています(8月分・10月分は3.5円)。いまの請求書は支援込みの金額です
  • 再エネ賦課金は4円18銭(2026年5月分〜2027年4月分)。前年の3円98銭から上がりました
  • 2028年度から化石燃料賦課金2033年度から発電事業者への有償オークションが始まります(GX推進法)
  • 単価はまだ決まっていません。「◯円上がる」と書いている説明には根拠がありません
  • ただし政府資料には「徐々に引き上げていく方針をあらかじめ明示」と書かれています。上がる方向であること自体は、隠されていません
  • 総額は「再エネ賦課金の減少幅の範囲内」に収める設計です。負担が消えるのではなく、名前が変わっていくと読むのが妥当です
  • 単価が上がる前提に立つなら、家庭側で効く手は買う量を減らすことしかありません

不安を煽るつもりはありませんが、制度としてそう設計されているという事実は、知っておいて損はないと思います。ご自宅で年間どれだけ買っているかは、検針票の使用量を12か月ぶん足せば出ます。まずそこからで構いません。

出典・確認先(2026年8月23日確認)

※本記事は2026年8月23日時点の情報です。化石燃料賦課金・特定事業者負担金の単価はいずれも未確定で、詳細の制度設計は今後定められます。国の電気・ガス料金支援の単価は月ごとに公表されます。最新の単価は必ず公式サイトでご確認ください。

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監修・執筆:株式会社ファナス 代表取締役 不藤政次|宮城県・福島県・山形県・岩手県・秋田県・青森県・新潟県の各市町村で太陽光発電・蓄電池・V2H・エコキュートを施工販売。無料相談はこちら

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