長州産業 スマートPVマルチの停電時の使い方|自立運転には自動で切り替わります。確かめておくのは「SOC下限」と「つないではいけない機器」、復電後の表示【東北・2026年版】

ご主人
AIふどうくん
奥様
AIふどうくん※登場人物はイメージです。
先に結論
- スマートPVマルチは、停電すると自動で自立運転に切り替わり、復電後も最大5分程度で自動で戻ります。
- 停電中に使えるのは、特定負荷なら2000VAまで(500W程度がおすすめ)、全負荷なら片相2000VA・両相4000VAまでです。
- SOC下限の初期値は経済・グリーンモードで30%、安心モードで50%。20%以下にすると停電時にすぐ使えない場合があります。
- 蓄電池ユニットの使用周囲温度は−10〜45℃で、その範囲内でも充放電を制限することがあります。
長州産業のスマートPVマルチをお使いの方へ。
この蓄電池は、停電したときに自分で切り替える操作が要らないタイプです。そのぶん、ふだん触らないまま冬を迎える方が多いと思います。ただ、停電の夜に「思ったより早く止まった」「つないだ機器が動かない」ということは、設定や使い方で起こりえます。
この記事は、長州産業の公式サイトに掲載されているマルチ蓄電プラットフォームの取扱説明書(2025年12月版)と、性能表示ラベル、停電に備えるための案内ページに書かれていることだけで、停電したときの動きと停電の前に確かめておくことを整理したものです。スマートPVマルチとスマートPVプラスの違いは、長州産業の蓄電池は「2種類」ありますにまとめています。

▲図解:切り替えは自動。停電の前に確かめるのはSOC下限、電気が戻ったら表示を確かめる
まず、型番でスマートPVマルチか確かめる
長州産業の家庭用蓄電池には、スマートPVマルチとスマートPVプラスの2つの系統があります。型番が「CB-P」で始まるのがスマートPVマルチです。
長州産業の性能表示ラベルのページには、スマートPVマルチのパッケージ型番として、次のようなものが載っています。
- 06シリーズ:CB-P65M06A(6.5kWh)、CB-P98M06A(9.8kWh)、CB-P164M06A(16.4kWh)、CB-P63M06A(6.3kWh)、CB-P127M06A(12.7kWh)、CB-P65BM06A(6.5kWh)、CB-P97BM06A(9.7kWh)、CB-P130BM06A(13.0kWh)
- 05シリーズ:CB-P65M05A、CB-P98M05A、CB-P164M05A、CB-P63M05A、CB-P127M05A
- 重塩害対応:型番に「MS」が入るもの(CB-P164MS06A など)
見積書や保証書、パワーコンディショナの近くに貼られた銘板で確かめてください。この記事の内容は、マルチ蓄電プラットフォームの取扱説明書にもとづいています。

▲ 出典:長州産業 CIC 公式製品ページ(スマートPVマルチ)
停電したら、自動で自立運転に切り替わる
切り替えの操作は要らない
取扱説明書には、こう書かれています。
停電などで電力会社からの電力供給が停止すると、自動で連系運転から自立運転に切り替わるため、お客様での切り替え操作は必要ありません。
ここが、停電のたびにリモコンで「はい」を選ぶ機種との大きな違いです(パナソニックの創蓄連携システムS+の例はこちら、シャープの例はこちら)。
確かめるのは、ゲートウェイの表示とランプ
切り替わったかどうかは、ゲートウェイ(室内に付いている操作・表示の機器)で確かめられます。
- メインメニューの「ウンテンジョウタイ」で「ジリツ」と表示されているか
- 自立運転中は、ゲートウェイの状態ランプが緑色、運転ランプが橙色に点灯する
- 充放電ランプは、充電中は橙色、放電中は緑色
停電の前に家族で確かめておくこと
- ゲートウェイがどこにあるか
- 「ウンテンジョウタイ」の見方(ジリツ/レンケイ)
- 停電中に電気が来るコンセント・部屋はどこか
太陽光が別のパワコンの家は、太陽光側の切り替えも
太陽光のパワーコンディショナが蓄電池とは別になっている構成(取扱説明書の「システムA-2」)では、取扱説明書が「ソーラーパワーコンディショナの自立運転への切り替えについては、ソーラーパワーコンディショナの取扱説明書をお読みください」としています。長州産業の「停電時に太陽光発電の電気を使うには」のページに、パワーコンディショナの品番別の切り替え方法が載っています。
停電がうちだけか地域全体かを確かめる手順は、停電したら、まずうちだけか地域全体かにまとめています。
停電中に使える量と、つないではいけない機器
特定負荷は2000VAまで、おすすめは500W程度
停電中に電気が来る範囲と量は、分電盤の構成で決まります。取扱説明書の数字は次のとおりです。
| 構成 | 停電中に同時に使える上限 | 取扱説明書のすすめ |
|---|---|---|
| 特定負荷用分電盤・特定負荷用コンセント | 2000VA以下(AC100Vで最大20A以下) | 合計500W程度に抑える |
| 全負荷用分電盤(トランスユニット接続) | 最大片相2000VA、両相4000VA | - |
出典:長州産業 マルチ蓄電プラットフォーム 取扱説明書(2025年12月版)
仕様の欄でも、自立運転時の定格出力は「単機能/ハイブリッド:2.0kVA、ハイブリッド(トランスユニット接続時):4.0kVA」とされています。
500W程度をすすめる理由について、取扱説明書は「電気製品を安定してお使いいただくため、また停電時により長い時間お使いいただくため」と書いています。また、蓄電池の残量や太陽光の発電量によっては、上限の電力が出ない場合があることも書かれています。
奥様
AIふどうくんつないではいけない機器
特定負荷用分電盤・特定負荷用コンセントには、「突然停止しても安全性に問題がない電気製品を接続してください」として、次のものをつながないよう求めています。
- すべての医療機器
- 灯油やガスを用いる冷暖房機器やヒータを持つ機器
- デスクトップパソコンなどのバッテリを持たない情報機器
- その他、途中で止まると生命や財産に損害を及ぼす機器
東北の冬で特に気をつけたいのは、2つ目です。灯油のファンヒーターやFF式ストーブを、停電中に蓄電池で動かす前提にしないでください。灯油の暖房と停電の関係は、灯油の暖房なら停電でも大丈夫、ではありませんで詳しく書いています。
止まったら、使う機器を減らす
取扱説明書には、掃除機や冷蔵庫など、電流が急激に流れる機器を使うと、保護機能が働いて運転が止まることがあると書かれています。止まったときは、つないでいる機器の一部を止めて消費電力を減らします。そうすると「数分後に自動で自立運転を再開します」。再開しない場合は、取扱説明書の「運転停止/運転再開のしかた」で一度止めてから、もう一度運転させます。
残量の設定:SOC下限の初期値と、20%以下の注意
SOC下限は「ふだん使わずに残しておく量」
SOC下限は、ふだんの運転で蓄電池をどこまで使うかの下限です。ここまで使うと放電を止めて、残りを停電に備えて残します。取扱説明書の初期値は次のとおりです。
| 蓄電動作モード | SOC下限の初期値 | 選べる値 |
|---|---|---|
| 経済モード・グリーンモード | 30% | 100%〜0%(10%ごと) |
| 安心モード | 50% | 100%〜0%(10%ごと) |
安心モードは、取扱説明書の説明で「停電時に使用できる蓄電残量を優先させるモード」です。深夜に100%まで充電し、50%(初期値)まで使って、残りを停電に備えて残します。
20%以下にすると、停電時にすぐ使えない場合がある
取扱説明書は、こう注意しています。
「SOC カゲン」の設定を 20% 以下に設定した場合、停電時に電気をすぐに使用できない場合があります。停電時に電気を使用したい場合は、余裕を持った設定にしてください。
ふだんの電気代を下げるために下限を低くしている家は、冬の前にいまの値を確かめてください。ゲートウェイのユーザ設定メニュー(「チクデン」→「SOC カゲン」)で見られます。分からなければ、販売施工店に聞いてください。
停電中に残量が少なくなったとき
停電中は、蓄電池を守るために決まった残量で放電を止めます。
- CB-LMP164A/A2・CB-LMP98A/A2・CB-LMP127A・CB-LMP97B2・CB-LMP130B2:残量6%で放電を停止
- CB-LMP65A/A2・CB-LMP63A・CB-LMP65B2:残量9%で放電を停止
その後、太陽光で一定の量(構成により7〜19%)まで充電されると、放電を再開します。残量が0%になると表示部に「C9-1.0」が出て、約30分後にシステムの電源が切れて待機状態になります。電源が切れた場合は、復電後に再起動します。長く切れていた場合は、日時の設定画面が出るので設定し直します。
雪がパネルに積もっていると、翌朝になっても充電されません。停電が長引いたときの残量の配り方は、大雪の停電が3日目に入った夜、蓄電池の残量をどう配るかを参考にしてください。
台風・大雪の前にできること:強制充電モード
長州産業は「停電に備えるための操作方法」のページで、スマートPVマルチについて強制充電モードへの切り替えを案内しています。
強制充電モードにすると、時間帯に関わらず満充電になるまで充電、その後待機状態となります。
同じページには、注意が2つ書かれています。
- 満充電を優先するため、購入電力(電力会社の電気)で充電する場合がある
- 停電の可能性が低くなったら、変更前の設定に戻す
取扱説明書でも、強制充電は「計画停電に備えるなど、蓄電池ユニットを満充電の状態にしておきたい場合に設定」するもので、ふだんは使わないモードとされています。切り替え方法は、長州産業のページにゲートウェイ版と遠隔モニタリングサービス版の資料があります。
暴風雪・大雪の予報が出たら
- 強制充電モードに切り替えるか考える(購入電力で充電する場合がある)
- 停電の心配がなくなったら、もとの蓄電動作モードに戻す
- 戻し忘れると、ふだんの運転にならない
太陽光が別のパワコンの家の「停電時モード」
太陽光のパワコンが別の構成(システムA-2)では、停電時にどこから給電するかを「テイデンジモード」で選べます。初期値は「ジドウ」で、取扱説明書は「ジドウ(自動)(推奨)」としています。停電時に太陽光から蓄電池へ充電する電力(「テイデンジジュウデン」)の初期値も「ジドウ」です。ふだんは初期値のままでかまいません。
電気が戻ったら:最大5分程度で自動で戻る
戻す操作は要らない
取扱説明書には、こうあります。
復電すると自動で自立運転から連系運転に切り替わるため、お客様での切り替え操作は必要ありません。
復電後、最大5分程度で自動的に連系運転に切り替わります。ゲートウェイの「ウンテンジョウタイ」で「レンケイ」と表示されているかを確かめます。
自分で自立運転を止めていた場合は、戻らない
ひとつだけ例外があります。停電中に「運転停止/運転再開のしかた」の操作で自立運転を止めていた場合は、
自立運転の停止中に復電した場合は、自動で連系運転に切り替わりません。
と書かれています。この場合は、もう一度「運転停止/運転再開のしかた」の操作で運転を再開して、連系運転に切り替えます。電気が戻ったら、まずゲートウェイの表示を見る、と覚えておくと安心です。
東北の冬に確かめる、低温の条件
蓄電池ユニットは−10〜45℃
取扱説明書の仕様では、蓄電池ユニット(CB-LMP164A・CB-LMP98A・CB-LMP65Aなど)の使用周囲温度は−10〜45℃(結露・氷結なきこと)です。注記には、こうあります。
使用周囲温度範囲内であっても、蓄電池保護のために充放電を制限することがあります。
マルチ蓄電パワーコンディショナの使用周囲温度は−20〜50℃です。蓄電池ユニットが低温になると、表示部に「P1-3.1」(蓄電池ユニットが低温状態になっています)が出ることがあると、取扱説明書の異常表示の一覧に書かれています。
性能表示ラベルの−10℃の数字
長州産業公式の性能表示ラベルで、スマートPVマルチの3つの型番の「システム容量利用率」を読むと、次のとおりです。
| パッケージ型番 | 系統連系時(−10℃/25℃) | 停電時(−10℃/25℃) | 初期停電時放電容量 |
|---|---|---|---|
| CB-P164M06A(16.4kWh) | 82.9%/86.0% | 73.8%/76.2% | 12.5kWh |
| CB-P98M06A(9.8kWh) | 81.6%/85.7% | 72.4%/76.5% | 7.5kWh |
| CB-P97BM06A(9.7kWh) | 72.2%/85.6% | 66.0%/77.3% | 7.5kWh |
出典:長州産業「スマートPVマルチ 性能表示ラベル」(CB-P98M06Aは2026年7月9日改訂後の値)
スマートPVマルチのラベルでは、停電時の数字が系統連系時より低く並んでいます(メーカーによっては逆になります)。冷え込んだ夜の停電では、カタログの容量どおりには使えないと考えておくのが安全です。
この表で型番の優劣を決めないでください。見ていただきたいのは、ご自宅の型番の−10℃の数字と、停電時の放電容量です。ラベルの読み方全体は、長州産業の家庭用蓄電池を東北で選ぶならにまとめています。
よくあるご質問
停電したのに、つないだ電子レンジが動きません。故障ですか?
故障とは限りません。取扱説明書には、定格のワット数が2000以下でも、それ以上の電力(VA)を使うため動かない機器があると書かれています。特定負荷の機器の合計は500W程度に抑えるのがすすめられています。止まった場合は、使う機器を減らすと数分後に自動で再開します。
停電が終わったのに、ゲートウェイの表示が「ジリツ」のままです。
取扱説明書では、復電後は最大5分程度で自動的に連系運転に切り替わります。停電中に自分で自立運転を止めていた場合は、自動では戻りません。「運転停止/運転再開のしかた」の操作で運転を再開してください。分からなければ販売施工店に相談してください。
台風や大雪の前に、蓄電池を満タンにしておけますか?
長州産業は、停電に備える操作として強制充電モードへの切り替えを案内しています。時間帯に関わらず満充電まで充電しますが、購入電力で充電する場合があります。停電の心配がなくなったら、もとの設定に戻してください。
まとめ
- スマートPVマルチ(型番CB-P…)は、停電すると自動で自立運転に切り替わる。確かめるのはゲートウェイの「ジリツ」表示
- 停電中に使えるのは、特定負荷なら2000VAまで(500W程度がおすすめ)、全負荷なら片相2000VA・両相4000VAまで
- 医療機器、灯油やガスの冷暖房機器、ヒータを持つ機器は特定負荷につながない
- SOC下限の初期値は経済・グリーン30%、安心50%。20%以下だと停電時にすぐ使えない場合がある
- 台風・大雪の前は強制充電モードも選べる。購入電力で充電する場合があり、あとで設定を戻す
- 復電後は最大5分程度で自動で連系運転に戻る。自分で自立運転を止めていた場合だけは手動で再開
- 蓄電池ユニットは−10〜45℃で、範囲内でも充放電を制限することがある。ラベルの停電時の−10℃の数字を見ておく
切り替えが自動の蓄電池は、ふだん意識しないまま冬を迎えがちです。電気があるうちに、ゲートウェイを開いて「SOC カゲン」の値を一度だけ見ておいてください。それだけで、停電の夜の安心が変わります。
※本記事は2026年10月17日時点の情報です。動きや設定は構成(システムの種類)によって違います。必ずお使いの機器の取扱説明書と長州産業の案内でご確認ください。
出典
- 長州産業「マルチ蓄電プラットフォーム 取扱説明書」(品番3682299-0 G・2025年12月版) https://cic-solar.jp/wp-content/uploads/m_toriatsukai_F-1973H.pdf
- 長州産業「ユーザー様へ」(スマートPVマルチ関連の資料) https://cic-solar.jp/for_users/
- 長州産業「スマートPVマルチ 性能表示ラベル」 https://cic-solar.jp/for_users/spvm-seinou-label/
- 長州産業「停電に備えるための操作方法につきまして」 https://cic-solar.jp/info/teiden_sonae/
- 長州産業「停電時に太陽光発電の電気を使うには」 https://cic-solar.jp/switching/
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監修・執筆:株式会社ファナス 代表取締役 不藤政次|宮城県・福島県・山形県・岩手県・秋田県・青森県・新潟県の各市町村で太陽光発電・蓄電池・V2H・エコキュートを施工販売。無料相談はこちら
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