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「一覧に載っていないメーカーは、ラベルも無いんですか」|住友電工の蓄電池6機種のラベルと、ラベルが無い機種で聞くこと【東北・2026年版】

住友電工の蓄電池と性能表示ラベルの読み方|東北

先に結論
一覧に名前が無いことと、ラベルが無いことは別です。
住友電工はJEMAの掲載メーカー一覧に載っていませんが、自社サイトで6機種のラベルを公開しています。
25℃を100とすると、−10℃で残るのは機種によって83.8%から74.8%まで開きます。
東北でいちばん効いたのは温度の数字ではなく、機種ごとに違う「屋外に置けない地域」の条件でした。

「性能表示ラベルのメーカー一覧に名前が無いんですが、この機種はラベルが無いということですか」

こういうご質問をいただくことがあります。答えはいいえです。

一覧に載っているかどうかと、ラベルを公開しているかどうかは、別のことです。実際に、JEMA(日本電機工業会)の掲載メーカー一覧は2026年9月7日時点で7社ですが、そこに名前が無いメーカーが自社サイトでラベルを公開している例があります。

今回取り上げる 住友電気工業(住友電工) が、まさにそれでした。同社の家庭用蓄電池「POWER DEPO」のページには、6つの型番のラベルが並んでいます。

そしてもう一つ、この記事を書く理由があります。同じ住友電工の中でも、ラベルがある機種と無い機種が並んでいるということです。「ラベルが無い機種をどう確認するか」を、実例つきで書ける数少ない組み合わせでした。

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なお、この記事はメーカーの優劣を付けるものではありません。容量も構成も設置条件も違う製品を並べて順位を付けても、読者の役には立たないからです。「自分の家の条件では、どの欄を見ればいいか」を整理するために使います。

「一覧に載っていない」と「ラベルが無い」は別のことです

まず、性能表示ラベルという仕組みの整理から。

  • 性能表示ラベル … 蓄電システムの性能を、決められた11項目・決められた様式で表示するもの。測定は JIS C 4413、様式は JIS C 4414 で決まっています
  • JEMAの掲載メーカー一覧 … そのラベルをどこで見られるかを、JEMAがまとめたページ。2026年9月7日時点で エリーパワー/オムロン/京セラ/シャープ/エネテラス/ニチコン/パナソニック の7社

ここで大事なのは、ラベルはメーカーが自主的に参加して表示する仕組みで、法律上の義務ではないということです。

つまり一覧は「参加を表明した会社のリンク集」であって、業界の全メーカーの名簿ではありません。 載っていないメーカーが自社サイトで同じ様式のラベルを出していることは、実際にあります。

一覧に無い=劣る、ではありません
ラベルが無い機種は「確認できない」のではなく「確認のしかたが違う」だけです。
ラベルがある機種は自分の目で数字を確かめられます。
ラベルが無い機種は、販売施工店に聞いて確かめます。
やることが違うだけで、良し悪しの話ではありません。

同じことは、当社が以前に扱ったハンファ(Qセルズ)でも起きていました。JEMAの一覧に名前はありませんでしたが、製品ページにラベル画像が並んでいました。→同じシリーズでも−10℃の落ち方が違う

メーカーの製品ページを最後まで見る。 これが最初の一手です。


住友電工が公開しているのは、6つの型番です

住友電工の「蓄電システムの性能表示ラベル」のページには、次の6型番が並んでいます(2026年9月7日確認)。

型番 シリーズ 蓄電池容量 初期実効容量 初期停電時放電容量
PDR-5900S01A-X POWER DEPO R 13.0kWh 12.3kWh 12.3kWh
PDR-5900S01A-M POWER DEPO R 7.7kWh 7.3kWh 7.3kWh
PDH-6000S01 POWER DEPO H 12.8kWh 11.9kWh 11.8kWh
PDH-6000S01A POWER DEPO H 12.8kWh 11.9kWh 11.8kWh
PDH-6000S01B POWER DEPO H 12.8kWh 11.9kWh 11.8kWh
PDS-1600S03E POWER DEPO Ⅴ 3.3kWh 2.8kWh 2.7kWh

住友電工 POWER DEPO R(PDR-5900S01A-M/PDR-5900S01A-X)

▲ 出典:住友電気工業株式会社 公式製品ページ(POWER DEPO R/PDR-5900S01A-M・PDR-5900S01A-X)

ここでもう一つ、確認しておきたいことがあります。住友電工の製品ラインアップは5シリーズ(R/H/Ⅴ/Ⅳ/Ⅲ)ですが、ラベルが公開されているのは3シリーズぶんだけです。

  • ラベルあり … POWER DEPO R・H・Ⅴ
  • ラベルなし … POWER DEPO Ⅳ・Ⅲ

同じメーカーの中に、両方が並んでいます。この記事の後半で、ラベルが無いほうをどう確認するかを書きます。


25℃を100として並べ直すと、機種の差が見えます

ラベルの「システム容量利用率」は、−10℃・25℃・40℃の3点で表示されます。東北で見るのは−10℃の欄です。

ただし、−10℃の数字をそのまま並べても比べにくいところがあります。25℃の時点の数字が機種ごとに違うからです。そこで、25℃を100としたときに−10℃で何%残るかという比に直します。この読み方は、当社がエネテラスの記事で使ったものと同じです。→蓄電池を2台にしても、氷点下の目減りは変わりません

系統連系時(ふだん使い)

型番 −10℃ 25℃ 40℃ 25℃を100とした−10℃
PDR-5900S01A-X 79.1% 94.4% 94.8% 83.8
PDR-5900S01A-M 77.1% 94.3% 94.5% 81.8
PDH-6000S01/01A/01B 74.4% 93.2% 93.2% 79.8
PDS-1600S03E 64.3% 86.0% 86.0% 74.8

停電時(自立運転)

型番 −10℃ 25℃ 40℃ 25℃を100とした−10℃
PDR-5900S01A-X 80.1% 94.5% 94.9% 84.8
PDR-5900S01A-M 73.5% 94.3% 95.1% 77.9
PDH-6000S01/01A/01B 76.0% 92.5% 92.5% 82.2
PDS-1600S03E 64.2% 82.9% 82.9% 77.4

読み取れることは3つです。

1. 落ち幅は機種ごとにかなり違います。 ふだん使いの比で 83.8 から 74.8 まで、9ポイントの開きがあります。同じメーカーの中でこれだけ違うので、「このメーカーは寒さに強い/弱い」というくくり方は成り立ちません。

2. 停電時のほうが落ちる機種と、落ちない機種があります。 PDR-5900S01A-M は、ふだん使いの比 81.8 に対して停電時は 77.9 と、さらに4ポイント下がります。一方 PDH は、ふだん使い 79.8 に対して停電時 82.2 と逆に上がります

3. 40℃の欄は、ほとんど動きません。 PDH と PDS では 25℃と40℃が完全に同じ数字です。温度で気にすべきは、上ではなく下だということが、この一点でも分かります。

数字の意味を取り違えないでください
ラベルの値は参考値で、保証値ではありません。
システム容量利用率は「蓄電池容量のうち、実際に出し入れできる割合」です。
79.1%(−10℃)は「94.4%のときより約16%少ない」ではなく、
「13.0kWhのうち約10.3kWhが使える」という読み方をします。


同じシリーズでも容量が違えば数字は動き、末尾の記号が違っても動きません

上の表には、実は2つの重要な性質が出ています。

容量が違うと、数字は動きます。

POWER DEPO R の X(13.0kWh)と M(7.7kWh)は、同じシリーズの容量違いです。それでも比は 83.8 と 81.8 で違いますし、停電時に至っては 84.8 と 77.9 で7ポイント近く開きます。システム充放電効率も 86.7% と 84.4% で違います。

型番の末尾が違っても、数字は動きません。

POWER DEPO H の 01/01A/01B は、ラベルの数字が11項目すべて完全に一致します。蓄電池容量12.8kWh、初期実効容量11.9kWh、利用率6つの数字、充放電効率79.3%、想定使用期間15年、システム生涯蓄電容量60,517kWh、運転音56dB、IP45——どれも同じです。

つまり 末尾の記号は、ラベルに出る性能とは別の理由で分かれているということです。同じ構造は、当社がパナソニックの記事で確認した「耐塩害仕様にしても数値は1つも変わらない」というケースとまったく同じでした。→置き場所を決めてから機種を決めてほしい

見積書に並んだ型番の末尾が違うとき、性能差だと思い込まないでください。 違う理由は販売施工店に聞けばすぐ分かります。


東北で効いたのは、温度よりも「置けない地域」の条件でした

ここが、今回いちばん現場に効いた発見です。

住友電工の各シリーズのカタログには、屋外設置の条件が書かれています。シリーズごとに、除外される地域がまったく違いました。

シリーズ 動作温度 設置場所 屋外設置で除外される条件
POWER DEPO R −20℃〜45℃ 屋外 海岸線からの距離(北海道・東北の日本海側は700m以上/その他は300m以上)
POWER DEPO H −20℃〜45℃ 屋外・屋内 重塩害・塩害地域・積雪地域を除く
POWER DEPO Ⅴ −20℃〜45℃ 屋外/屋内 耐塩害仕様(重塩害地域は除く)。塩害地域の屋外は保証が10年
POWER DEPO Ⅳ −10℃〜40℃ 屋外/屋内 省エネルギー基準区分1/2/8地域を除く

動作温度の欄だけ見れば、R・H・Ⅴ は−20℃までで、東北ならどこでも足りそうに見えます。ところがその下の欄で、置ける場所が絞られています。

POWER DEPO H の「積雪地域を除く」。 これは東北の広い範囲に効きます。屋外に置けないなら、屋内に置ける場所があるかどうかの話に変わります。

POWER DEPO R の「東北の日本海側は海岸線から700m以上」。 沖縄が300m以上、瀬戸内海が100m以上でよいのに対し、北海道と東北の日本海側だけ700mという別枠が設けられています。青森・秋田・山形の日本海側で検討する場合、地図で距離を測る作業が先に来ます。

POWER DEPO Ⅳ の「省エネルギー基準区分1/2/8地域を除く」。 カタログの括弧書きは「北海道・沖縄・離島等」ですが、国の告示(告示第265号 別表第10)を確認すると、東北にも2地域があります。

  • 岩手県 … 八幡平市、葛巻町、岩手町、西和賀町、久慈市(旧山形村に限る)
  • 青森県 … 十和田市(旧十和田湖町に限る)、七戸町(旧七戸町に限る)、田子町

この8市町村では、カタログの但し書きどおりに読むとPOWER DEPO Ⅳ の屋外設置は対象外になります。「北海道・沖縄」という括弧書きだけを見て読み飛ばすと、見落とすところです。

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置き場所を先に決めるという考え方そのものは、蓄電池は「どこに置くか」を機種より先に決めるにまとめています。

住友電工 POWER DEPO H(PDH-6000S01)

▲ 出典:住友電気工業株式会社 公式製品ページ(POWER DEPO H/PDH-6000S01)


ラベルが無い機種では、何を聞けばいいのか

POWER DEPO Ⅳ・Ⅲ のように、ラベルが公開されていない機種はどうするか。

カタログの一般仕様には、ラベルとは別の情報が載っています。 ラベルが無いからといって、何も分からないわけではありません。実際、POWER DEPO Ⅳ のカタログからは次のことが読めました。

  • 動作温度 −10℃〜40℃/保管温度 −20℃〜45℃
  • 交流出力容量(初期実効容量)2.8kWh(25℃時
  • 定格出力可能時間 約3時間(25℃時)/自立運転 約2時間(25℃時
  • 保証は蓄電池が10年または4,000サイクルのいずれか早いほう

ここで注目したいのが、カタログの数字にはすべて「25℃時」と書いてあることです。カタログ値は、温度が良い条件での値だとメーカー自身が明記しています。

だから、ラベルが無い機種では次の3つを販売施工店に聞きます。

  1. 「氷点下のとき、使える容量は25℃のときの何割になりますか」 … ラベルがあれば自分で読める数字です。無ければ聞くしかありません。答えられない場合は「分かりません」と正直に言ってもらったほうが安全です
  2. 「動作温度の下限は何℃ですか。下回るとどうなりますか」 … 停止するのか、出力を絞って動き続けるのかで、冬の朝の使い勝手が変わります
  3. 「うちの敷地は、屋外設置の除外条件に当たりませんか」 … 上の表のとおり、これは機種ごとに違います。メーカー名ではなく型番で確認してもらってください

そして、出力(kW)の温度別の値は、ラベルにも項目がありません。 これはラベルがある機種でも同じです。「氷点下の朝に自立運転で何kW出せますか」は、機種を問わず聞くしかない項目です。

当社が運営するサイト「ソラカルテ」では、お手元の見積書をそのまま診断できます。型番と設置場所が見積書に書かれているかを確かめるところから始めてみてください。


数字を読むときに、必ず添えて考えること

ラベルの数字は測定条件が決まっているぶん、公平です。ただしそのまま自分の家の話にはなりません。

周囲温度は外気そのものではありません。 −10℃の欄は、蓄電池の周囲温度が−10℃のときの値です。屋外設置なら外気にほぼ従いますが、屋内なら室温に従います。POWER DEPO Ⅴ のように「完全密閉型の筐体設計のため、脱衣所など高湿度な環境下にも設置できる」と公式に書かれている機種なら、屋内に置くことで温度の問題そのものを小さくできるという選び方もあります。

リモコンの動作温度は別です。 住友電工の場合、本体は−20℃まででも、リモコンは−10℃〜40℃・屋内設置です。本体の温度だけ見て安心しないでください。

東北の冬は、−10℃の欄が現実の話になります。 気象庁の平年値では、仙台・福島・山形・青森・盛岡の5地点とも12〜2月の日最低気温の月平均が1℃以下です。屋外設置の蓄電池の周囲温度は、外気にほぼ従います。カタログの25℃だけで年間の得を計算すると、東北では必ず多めに出ます。

保証の読み方については蓄電池は何年もつ?「10年保証」と寿命、寒冷地での機種選びの全体像は蓄電池は冬に弱い?東北・寒冷地での選び方にまとめています。容量の決め方は蓄電池は何kWhが正解?、全負荷か特定負荷かは全負荷型と特定負荷型、どっちの蓄電池をご覧ください。


よくあるご質問

Q1. JEMAの一覧に載っているメーカーのほうが、安心なのでしょうか。

A. 一覧はラベルの掲載場所をまとめたリンク集で、品質の認定ではありません。ラベルの表示は法律上の義務ではなく、メーカーが参加して表示する仕組みです。一覧に載っていないメーカーでも、自社サイトでラベルを公開している例があります(住友電工がそうでした)。まずメーカーの製品ページを最後まで確認してみてください。

Q2. 蓄電池の容量が大きいほうが、寒さに強いということですか。

A. そうとは限りません。住友電工の POWER DEPO R では、13.0kWh のほうが 7.7kWh より25℃比の残り方が良い結果でしたが、これは同じシリーズの中での話です。別のメーカーでは、蓄電池ユニットを1台から2台に増やしても数字が1ポイントも変わらない例もあります。容量と低温での残り方は、別の話として確認してください。

Q3. 「動作温度−20℃まで」と書いてあれば、東北の屋外に置けますか。

A. 温度だけでは決まりません。この記事で見たとおり、同じメーカーの中でも「積雪地域を除く」「海岸線から700m以上」「省エネルギー基準区分1/2/8地域を除く」と、機種ごとに違う条件が付いていました。動作温度の欄の下まで読んで、ご自宅の住所と敷地の条件で、型番ごとに確認してもらってください。


まとめ

  • 一覧に載っていないことと、ラベルが無いことは別です。 住友電工はJEMAの掲載メーカー一覧(2026年9月7日時点で7社)に無いまま、自社サイトで6型番のラベルを公開していました
  • 同じメーカーの中に、ラベルがある機種と無い機種が並びます。 POWER DEPO R・H・Ⅴ にはあり、Ⅳ・Ⅲ にはありません
  • 25℃を100とすると、−10℃で残るのは83.8から74.8まで開きます。 「このメーカーは寒さに強い/弱い」というくくり方は成り立ちません
  • 停電時のほうが落ちる機種と、上がる機種があります。 停電時の備えを主目的にするなら、停電時の欄を必ず見てください
  • 型番の末尾が違っても、ラベルの数字が完全に同じことがあります。 末尾の違いを性能差だと思い込まないでください
  • 東北でいちばん効いたのは、温度ではなく屋外設置の除外条件でした。 積雪地域・海岸線からの距離・省エネルギー基準の地域区分は、機種ごとに違います
  • ラベルが無い機種は「確認できない」のではなく「聞いて確認する」だけです。 氷点下の残り容量・動作温度の下限・敷地の除外条件の3つを、型番で聞いてください

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※本記事は2026年9月7日時点の情報です。仕様・保証条件・掲載型番は変更されることがあります。ご検討の際は、必ずメーカー公式ページと販売施工店で最新の内容をご確認ください。

出典

施工会社がつくった、見積書のセカンドオピニオン。(ソラカルテ)

当社が運営する「ソラカルテ」では、太陽光・蓄電池の見積書をその場で無料AI診断できます。電話番号の登録は不要です。

監修・執筆:株式会社ファナス 代表取締役 不藤政次|宮城県・福島県・山形県・岩手県・秋田県・青森県・新潟県の各市町村で太陽光発電・蓄電池・V2H・エコキュートを施工販売。無料相談はこちら

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