蓄電池14分で読めます

−10℃でも88.2〜90.1%。ただし、いま★1は取れていません|ファーウェイの蓄電池6型番を、ラベルと認証の両面から読む【東北・2026年版】

ファーウェイ蓄電池の低温性能とJC-STARの現況

先に結論
ファーウェイの蓄電池は、性能表示ラベルを6型番ぶん公開しています。
−10℃のシステム容量利用率は88.2〜90.1%、25℃からの落ち幅は4.1〜5.9ポイントです。
6型番とも、停電時の数字が系統連系時とまったく同じでした。
ただしJC-STARは2026年9月8日時点で未取得です。2027年10月の適用までに取得予定があるか、必ず確認してください。

−10℃で88.2〜90.1%。 これが、ファーウェイが公開している性能表示ラベルの数字です。

数字の話から始めます。蓄電池のカタログに載っている容量は、25℃・新品時に測ったものです。東北の冬の朝、屋外に置いた蓄電池の周囲温度は氷点下になります。そのとき何%を使えるのかは、カタログではなく性能表示ラベルに書かれています。

当社は記事:−10℃の読み方を6社で並べるで、メーカー6社のラベルを同じ物差しで並べました。今回はそこにファーウェイを加えて、同じ読み方で数字を読みます。 そのうえで、数字とは別の論点であるJC-STAR(セキュリティ適合ラベル)の現況も書きます。

この記事はファーウェイの家庭用蓄電池を東北で選ぶなら(2026年7月)の最新版です。前回はシリーズ構成と寒冷地5項目を中心に書きました。今回はラベルの数字と認証の2点に軸を移しています。

この記事は順位づけではありません
容量も構成も電池の種類も設置条件も違う製品どうしを、数字の大小で並べることに意味はありません。
目的は「自分の見積書に書かれた型番を、自分で読めるようにする」ことだけです。

・ ・ ・

ラベルは、製品ページではなく「資料ダウンロード」にありました

先に、探し方の話をします。

性能表示ラベルは、JEMA(日本電機工業会)が掲載メーカーの一覧を公開しています。2026年9月8日時点で、この一覧に載っているのは7社(エリーパワー/オムロン/京セラ/シャープ/エネテラス/ニチコン/パナソニック)です。ファーウェイは載っていません。

それでも、ラベルは公開されていました。ファーウェイ日本語サイトの「サポート」→「資料ダウンロード」の中に、「性能表示ラベル」としてPDFが1本置かれています。 6型番ぶんのラベルが1ページにまとまっていて、事業者名は華為技術日本株式会社と記載されています。

一覧に無い=ラベルが無い、ではありません
ハンファ、住友電工に続いて、これで3社目です。
ラベルは製品ページに無くても、サポートや資料ダウンロードのページにPDFで置かれていることがあります。
サイト内のキーワード検索が0件でも「無い」と結論しないでください。

この「一覧に無いメーカーをどう扱うか」は住友電工の6機種のラベルと、ラベルが無い機種で聞くことに詳しく書きました。

型番の読み替えに注意してください

ここでつまずきやすい点が1つあります。ラベルの型番と、製品ページの型番が違います。

どこの型番か 表記 意味
性能表示ラベル LUNA2000-4.95-7-N など 4.95kWのパワーコンディショナと組み合わせたシステムの型番
製品ページ(S1) LUNA2000-7/14/21-NHS1 蓄電池ユニット側の型番
製品ページ(S0) LUNA2000-5/10/15-NHS0 同上

ラベルの「4.95」はパワーコンディショナの出力、そのうしろの数字が蓄電池の容量です。LUNA2000-4.95-7-N は、S1の7kWhタイプのシステムということになります。見積書に書かれているのがどちらの型番かで、探す先が変わります。

ファーウェイの家庭用蓄電池 LUNA2000-S1 の本体外観。白い据置型ユニットの前面にHUAWEIのロゴ

▲ 出典:ファーウェイ 公式製品ページ(LUNA2000-7/14/21-NHS1)


6型番の数字を、そのまま並べます

公開されている6型番のラベルです(2026年9月8日にPDFを取得して確認)。数字はすべてシステム容量利用率で、左から−10℃/25℃/40℃の順です。

型番(ラベル) 蓄電池容量 初期実効容量 系統連系時 停電時
LUNA2000-4.95-7-N 7.1kWh 6.7kWh 90.1/94.3/92.9 90.1/94.3/92.9
LUNA2000-4.95-14-N 14.3kWh 13.4kWh 89.5/93.7/92.3 89.5/93.7/92.3
LUNA2000-4.95-21-N 21.5kWh 20.1kWh 89.3/93.4/92.0 89.3/93.4/92.0
LUNA2000-4.95-5-N 5.1kWh 4.8kWh 88.2/94.1/92.1 88.2/94.1/92.1
LUNA2000-4.95-10-N 10.2kWh 9.6kWh 88.2/94.1/92.1 88.2/94.1/92.1
LUNA2000-4.95-15-N 15.3kWh 14.4kWh 88.2/94.1/92.1 88.2/94.1/92.1

ラベルの他の項目は、6型番で共通するものが多くありました。

項目
システム充放電効率 96.8%(6型番とも)
想定使用期間 15年(6型番とも)
運転音 29dB(6型番とも)
防じん防水性能 IP66(7/14/21)・IP65(5/10/15)
蓄電池劣化時の安全性 蓄電池の劣化監視機能あり(6型番とも)
システム生涯蓄電容量 27,067〜117,260kWh(容量による)

いちばん珍しいのは「停電時と、ふだん使いが同じ」ということでした

上の表をもう一度見てください。系統連系時と停電時の数字が、6型番とも3点すべて一致しています。

これは、他社のラベルを読んできた立場からすると、かなり珍しい形です。

  • ある製品では、停電時のほうが大きく落ちます
  • 別の製品では、停電時のほうが落ち幅が小さくなります
  • 同じメーカーの中でも、シリーズによって向きが変わります

つまり、「ふだん使いの数字が良いから、停電のときも同じように使える」とは限らないのが普通です。ここが一致しているということは、自立運転に切り替わっても、温度による目減りの割合は同じと読めます。

停電時に何をどれだけ動かせるかは、この割合だけでは決まりません。全負荷型か特定負荷型か、200Vに対応しているかで変わります。そこは全負荷型と特定負荷型の違いを参照してください。

屋外の壁ぎわに設置された積層型の蓄電池ユニット

▲ 当社施工事例:屋外に設置した積層型の蓄電池ユニット


3つの物差しで読み直します

6社を並べた記事で整理した3つの物差しを、そのまま当てます。系統連系時の数字で計算しています。

型番 ①−10℃の絶対値 ②25℃からの落ち幅 ③25℃を100とした比
LUNA2000-4.95-7-N 90.1% 4.2ポイント 95.5
LUNA2000-4.95-14-N 89.5% 4.2ポイント 95.5
LUNA2000-4.95-21-N 89.3% 4.1ポイント 95.6
LUNA2000-4.95-5/10/15-N 88.2% 5.9ポイント 93.7

読み取れることを3つ書きます。

1つめ。容量を増やしても、数字はほとんど動きません。 S1は7.1→14.3→21.5kWhと容量が3倍になっても、−10℃の値は90.1→89.5→89.3%と0.8ポイントしか動きません。S0にいたっては、5.1/10.2/15.3kWhの3型番が6つの数字すべて完全に一致しています。

2つめ。40℃が25℃より低くなっています。 6型番とも、40℃の値(92.0〜92.9%)が25℃(93.4〜94.1%)を下回りました。他社のラベルでは40℃が25℃と同じか上回る製品が多いので、ここは逆の並びです。寒さだけでなく、暑さでも少し下がるという読み方になります。

3つめ。落ち幅は小さい部類に入ります。 当社がこれまで確認したメーカー各社のラベルでは、落ち幅は0.0〜21.7ポイントまで開いていました。4.1〜5.9ポイントは、その中では小さい側です。

ただし、これを「優れている」とは書きません。 物差しを①絶対値にするか②落ち幅にするか③比にするかで、製品の並び順は入れ替わります。落ち幅0.0ポイントの製品もありますし、−10℃の絶対値がもっと高い製品もあります。容量も電池の種類も設置条件も違うものを、1本の線で並べることに意味はありません。


なぜ落ちにくいのか。その理由は、公表資料からは読み取れませんでした

正直に書きます。ラベルは「結果」を示すもので、「なぜその数字になるのか」は書かれていません。

日本語の公式データシートから確認できたのは、次の内容です。

項目 S1(LUNA2000-7/14/21-NHS1) S0(LUNA2000-5/10/15-NHS0)
動作温度・使用環境温度 −20℃〜+55℃ −20℃〜+55℃
電池セル リン酸鉄リチウム(LiFePO4) リン酸鉄リチウムイオン電池
冷却 自然対流 自然空冷(ファンレス設計)
保護等級 IP66 IP65
湿度 相対湿度5%〜95% 設置湿度(結露なし)5%〜95%
騒音 29dB未満 29dB未満

S1のデータシートには、特徴として 「防塵防水等級IP66/重塩害地域、寒冷地対応/筐体40cmまで耐浸水(72時間まで)」 という記載もあります。

一方で、低温時に電池を温める仕組みがあるかどうかは、日本語の公式資料では確認できませんでした。 記載があるのは冷却(自然対流・ファンレス)だけです。ですから、この記事では「ヒーターが入っているから落ちない」とは書きません。 分かっているのは、ラベルに表示された結果の数字だけです。

理由を知りたい場合は、「−10℃で90%前後を保てるのは、どういう仕組みによるものですか」と販売施工店を通じてメーカーに聞いてください。 推測で答えるべきところではありません。

カタログの「使用可能容量」と、ラベルの「初期実効容量」は別の数字です

これも実務でよく混乱するところです。S1の7kWhタイプで比べます。

  • データシートの蓄電池システム使用可能容量:6.9kWh
  • ラベルの初期実効容量:6.7kWh

どちらもメーカーの公式値で、どちらも正しい数字です。測り方の定義が違うだけです。見積書やカタログで容量を比べるときは、同じ名前の項目どうしで比べてください。 容量の考え方は蓄電池の容量の選び方にまとめています。


JC-STARは、2026年9月8日時点で取れていません

ここは必ず書きます。数字が良いことと、認証を取っていることは別の話だからです。

2027年10月から、低圧で新しく系統に連系する太陽光・蓄電池は「JC-STAR★1」を取得した製品であることが必須になります。制度の中身は2027年10月から、蓄電池に「★」が要りますに整理しました。

IPA(情報処理推進機構)が公開している適合ラベル取得製品リスト(2026年9月4日更新版)を当社で確認したところ、ファーウェイ/HUAWEI/LUNA2000/SUN2000のいずれも1件も載っていませんでした(2026年9月8日確認)。

これをどう受け止めるか、はっきり書きます。

「未取得だから選べない」ではありません。「いま確認する項目がある」ということです
適用は2027年10月からで、まだ1年あります。
取得は各メーカーが順次進めている段階です。
ですから、「この型番はJC-STAR★1の取得予定がありますか。時期はいつですか」を、販売施工店とメーカーに確認してください。

当社としては、取得済みかどうかを機種選びの唯一の基準にはしません。 ただし、未取得であることを伏せることもしません。 2027年10月以降に新しく連系する予定があるなら、契約前に確認しておくべき項目です。この記事の時点では、「ラベルの数字は確認できる/認証はこれから」という2つの事実が並んでいる、というのが正確なところです。

当社が運営するサイト「ソラカルテ」では、お手元の見積書に書かれた型番や容量が妥当かどうかを確かめられます。型番が分かれば、この記事の読み方でラベルを引くこともできます。

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東北で追加して確認したい5項目

メーカーを問わず、寒冷地で確認する項目です。公式資料で分かる範囲と、施工店に聞く範囲を分けて書きます。

項目 公式資料で分かること 施工店に聞くこと
1. 動作温度 S1・S0とも−20℃〜+55℃ 氷点下の朝、充電と放電はどこまで制限されるか
2. 屋外設置・防塵防水 IP66(S1)/IP65(S0)。S1は「重塩害地域、寒冷地対応」と記載 積雪でどこまで埋まってよいか。除雪の離隔をどう取るか
3. 全負荷/特定負荷・200V データシートに記載なし どちらの構成で見積もっているか。200V機器を残すか
4. 単機能/ハイブリッド 組み合わせ可能なパワーコンディショナはSUN2000-4.95K-LB0-NHSUN5000-4.95K-LB0-NH 既設のパワコンを使うのか、入れ替えるのか
5. 保証年数と条件 ラベルの想定使用期間は15年 保証書の容量維持率とサイクル数の定義。寒冷地で条件が変わるか

もうひとつ、S1のデータシートには設置環境についての注記があります。屋外・屋内の両方に置ける製品ですが、屋内の場合は 「子どもの手が届かない、仕事・生活の場(例:寝室、リビング、キッチン、書斎、サンルーム、トイレ、浴室、洗濯室、屋根裏部屋、それらに類する場所)から離れた場所」 と条件が付いています。

東北では「玄関の土間」「暖房のない物置」「車庫」に置きたいという相談をよくいただきます。その場所がメーカーの言う条件に当てはまるかは、現地を見て判断する話です。図面の段階で決めきらず、必ず現地調査で確認してください。寒冷地での置き場所の考え方は寒冷地の蓄電池の選び方にも書いています。


よくある質問

Q1. −10℃で88%なら、7kWhの蓄電池からは何kWh取り出せますか。

A. ラベルの数字は「システム容量利用率」で、蓄電池容量に対する割合です。7.1kWhの型番なら、−10℃での目安は7.1×90.1%=約6.4kWhになります。ただし、これはラベルの試験条件での値です。実際は使い方や設定される放電下限でも変わりますので、設計上どれだけ見込めるかは施工店に確認してください。

Q2. JC-STARを取っていない蓄電池は、いま設置しても大丈夫ですか。

A. 2027年10月からの適用は「新しく連系する設備」が対象です。すでに連系している設備が、その日から使えなくなるわけではありません。詳しくはJC-STARの記事にまとめました。これから契約される場合は、連系の時期と、その型番の取得予定を突き合わせて判断してください。

Q3. 氷点下でも自立運転で暖房を動かせますか。

A. ラベルからは答えられません。 ラベルにあるのは容量の利用率で、出力(kW)の温度別の値は項目そのものがありません。 停電時に何kW出せるかは、蓄電池の定格出力とパワーコンディショナの構成で決まります。「氷点下のとき、自立運転で何kWまで出せますか」を販売施工店に確認してください。 ここを推測で答えることはしません。


まとめ

  • ファーウェイの性能表示ラベルは6型番ぶん公開されている。JEMAの掲載メーカー一覧(7社)には載っていないが、サポートの資料ダウンロードにPDFがある
  • −10℃のシステム容量利用率は 88.2〜90.1%、25℃からの落ち幅は 4.1〜5.9ポイント
  • 6型番とも、停電時の数字が系統連系時と完全に一致している。自立運転でも温度による目減りの割合は同じと読める
  • 40℃が25℃より低い(92.0〜92.9% 対 93.4〜94.1%)。他社と逆の並び
  • 落ちにくい理由は、日本語の公式資料からは読み取れなかった。推測で書かず、メーカーに確認する項目とする
  • JC-STARは2026年9月8日時点で未取得(IPAの2026年9月4日更新版リストに記載なし)。2027年10月の適用までに取得予定があるかを、契約前に必ず確認する

数字は自分で読めます。認証は自分では取れません。この2つを分けて確認するのが、いまいちばん確実な進め方です。

※本記事は2026年9月8日時点の情報です。ラベルの掲載型番・数値、認証の取得状況は変わることがあります。契約前に必ずメーカー公式サイトでご確認ください。

出典

施工会社がつくった、見積書のセカンドオピニオン。(ソラカルテ)

当社が運営する「ソラカルテ」では、太陽光・蓄電池の見積書をその場で無料AI診断できます。電話番号の登録は不要です。

監修・執筆:株式会社ファナス 代表取締役 不藤政次|宮城県・福島県・山形県・岩手県・秋田県・青森県・新潟県の各市町村で太陽光発電・蓄電池・V2H・エコキュートを施工販売。無料相談はこちら

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