2027年10月から、蓄電池に「★」が要ります|JC-STARとは何か、いま東北で検討する方が確認する3つのこと【2026年版】

2025年12月16日、蓄電池と太陽光の「つなぎ方のルール」が変わることが決まりました。
決まった内容はひとことで言うと、セキュリティの認証を取った製品でないと、電力会社の系統につなげなくなるというものです。適用は2027年10月から。いまから設備を検討する方には、まさに関係してくる時期です。
先に結論
2027年10月から、低圧で新しく連系する太陽光・蓄電池は「JC-STAR★1」を取得した製品であることが必須になります。
決めたのは国で、資源エネルギー庁の資料に明記されています。
すでに動いている設備は対象外です。買い替えや増設のときに関係してきます。
東北で2027年秋以降に連系を申し込む予定なら、いま見積もりに載っている機種の取得状況を確認してください。
「JC-STAR」という言葉を、販売店やYouTubeで耳にされた方もいるかもしれません。制度の名前だけが先に広まって、中身と時期が正確に伝わっていないというのが、いまの状況です。
この記事は、IPA(情報処理推進機構)と資源エネルギー庁の公式資料だけを根拠に、何が決まっていて何が決まっていないのかを整理したものです。

▲ 当社施工事例:壁面のパワコンと屋外の蓄電池
JC-STARとは、IoT機器のセキュリティを「見える化」する国の制度
正式名称は「セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度」といいます。運用しているのはIPA(独立行政法人 情報処理推進機構)です。
もとになったのは、2024年8月23日に経済産業省が公表した「IoT製品に対するセキュリティ適合性評価制度構築方針」です。IPAの公式ページには、制度の目的がこう書かれています。
インターネットとの通信が行える幅広いIoT製品を対象として、共通的な物差しで製品に具備されているセキュリティ機能を評価・可視化することを目的としています。
背景にあるのは、買う側も売る側も困っていたという実情です。IPAは「ベンダー側が調達者・消費者にアピールすることが難しく、調達者・消費者から見ても、製品のセキュリティ対策が適切か否か判断できないという課題があった」と説明しています。
適合が認められた製品には、二次元バーコード付きの適合ラベルが付きます。読み取ると、製品の詳細や評価内容、セキュリティ情報の問い合わせ先が確認できる仕組みです。
「★」は4段階ある
ラベルは★1から★4まであります。IPAの定義をそのまま整理すると、次のようになります。
| レベル | 中身 | 誰が評価するか |
|---|---|---|
| ★1 | 製品として共通して求められる最低限のセキュリティ要件 | IoT製品ベンダーが自ら宣言する(自己適合宣言) |
| ★2 | 製品類型ごとの特徴を考慮し、★1に追加すべき基本的な要件 | ベンダーが自ら宣言する |
| ★3・★4 | 政府機関・重要インフラ・大企業の重要システム向けに、★1★2へ追加した汎用的な要件 | 独立した第三者が評価し、IPAが認証 |
住宅用の太陽光・蓄電池に関係してくるのは、いちばん下の★1です。
「★1」はメーカーの自己申告。ただし取り消される仕組みがある
ここは誤解が生まれやすいところなので、正確に書きます。
★1と★2は、メーカーが自分で評価してチェックリストを出し、それをもとにIPAがラベルを付与する方式です。第三者機関の試験を通ったわけではありません。IPAも「評価の信頼性はベンダーの信頼性に依存することになります」と、はっきり書いています。
では意味が薄いのかというと、そうではありません。IPAは同じページでこう続けています。
適合基準への適合に疑義が生じた場合に、IPAが検査やサーベイランスを実施し、その結果次第で適合ラベルの取消しも有り得る仕組みを入れることで信頼性のバランスをとっています。
つまり、低コスト・短期間で取れるかわりに、嘘をつけば取り消されるという設計です。メーカーが公に責任を負う形になっている、と読むのが正確なところだと思います。
もうひとつ、IPAが明記している大事な注意があります。
適合ラベルが付与されているからといって、完全・完璧なセキュリティが確保されていることを保証するものではないことにご注意ください。
「★1が付いているから安全」でも、「★1がないから危険」でもありません。共通の物差しで測ったことが分かる、というのがこのラベルの意味です。
なぜ蓄電池に関係するのか——2027年4月と、低圧の2027年10月
ここからが本題です。
資源エネルギー庁が2026年2月9日に次世代電力系統ワーキンググループへ提出した資料「グリッドコードについて」に、次のように書かれています。
第20回グリッドコード検討会(2025年12月16日)において、分散型電源を対象にJC-STAR制度の★1を取得した製品を用いることを要件化することとした。
グリッドコードというのは、新しく系統につなぐ電源が守るべき技術要件をまとめたルールのことです。そこにセキュリティの条件が入った、ということになります。
時期は2段構えです。同じ資料から引きます。
特に、太陽光や蓄電池については、今後も多数の連系が見込まれることを踏まえると、早期に対応する必要があることから、2027年4月の系統連系技術要件の改定においてJC-STAR★1を取得した製品を用いることを必須の要件とすることとした。
なお、太陽光および蓄電池のうち、低圧(50kW未満)で連系する製品については、メーカーがJC-STAR★1を取得した製品を導入した後も、一定期間、流通網に旧製品の在庫が一定数発生すると見込まれることから、経過措置期間を半年程度置くこととし、適用開始時期を2027年10月とすることとした。
戸建て住宅の太陽光・蓄電池は、ほぼすべてが低圧(50kW未満)です。つまり、皆さんに効いてくるのは2027年10月のほうになります。
出力の区分そのものについては、10kWを超えると、国への届出が2つ増えますでも整理しています。低圧・高圧の線引きが気になる方はあわせてご覧ください。
「基本的に接続できない」とは、どういう意味か
同じ資料の最後のページに、周知についての記述があります。ここがいちばん実務に効きます。
2027年10月において、低圧電源を対象とした系統連系技術要件の改定が予定されている。系統連系技術要件の改定以降に連系の契約申込みを行う案件については、要件に適合しない発電等設備を系統に接続することは基本的に不可能になる。
読み取れることが3つあります。
1つめ。起点は「連系の契約申込み」です。 設置した日でも、運転を始めた日でもありません。2027年10月以降に電力会社へ申し込む案件が対象になります。
2つめ。すでに動いている設備は対象外です。 グリッドコードは「新規に系統に接続される電源が遵守すべき技術要件」を定めたものだと、資料の冒頭に書かれています。いま使っている太陽光や蓄電池を、この制度のために交換する必要はありません。
3つめ。前倒しで動くことが推奨されています。 資料はこう続けます。
低圧電源においては流通在庫が存在することを考慮して経過措置期間を設定しているものの、発電等設備の設置から申込みまでに一定のリードタイムが存在するケースもあることから、最新の連系要件に適合した製品を早期に利用することが望まれる。
東北で雪の時期をはさむ工事だと、契約から連系の申込みまでに数ヶ月かかることは珍しくありません。2027年の春から夏に契約する方は、申込みが10月をまたぐ可能性がある——ここは頭に入れておいてください。

▲ 当社施工事例:壁掛けのパワーコンディショナ
いま、どれくらいのメーカーが取得しているのか
「そんな認証、まだどこも取っていないのでは」と思われるかもしれません。実際に見てみます。
IPAは適合ラベル取得製品リストを公開していて、誰でも無料で確認できます。当社が2026年8月18日更新版を確認したところ、掲載されていたのは324製品でした。
そのうち、いちばん多い製品類型が「エネルギー関連機器(エネファーム、PCS、ガス給湯器など)」で、134件。太陽光・蓄電池まわりの機器が、掲載製品の4割を占めている計算になります。
住宅用の蓄電池を手がける主要なメーカーは、この分野にひととおり名前が並んでいます。個社ごとの優劣を論じる話ではないので社名の羅列はしませんが、「まだ誰も取っていない」という段階ではないことは、リストを開けばすぐ分かります。
リストを見て気づく、いちばん大事なこと
登録されている製品名を眺めると、ある傾向が見えてきます。
並んでいるのは、蓄電池の本体だけではありません。リモコン、ゲートウェイ、電力計測制御ユニット、パワーコンディショナ——つまり、ネットワークにつながる部分の機器が数多く登録されています。
考えてみれば当然で、この制度はIoT製品のセキュリティを見るものです。電池そのものはインターネットにつながりません。つながるのは、モニターやリモコン、外部と通信する制御ユニットのほうです。
ここから言えるのは、「メーカー名で調べても足りない」ということです。同じメーカーでも、機種や構成部品ごとに登録の有無が変わります。確認するときは、見積書に書かれた型番の単位で見る必要があります。
登録製品リストで、自分の機種を確かめる手順
リストの見方はシンプルです。IPAの凡例にしたがって、次の5つを見ます。
- 登録番号 — 番号から製品情報のページに飛べます
- ラベル取得事業者 — 製造したメーカーの名前
- 製品名称 — ここを見積書の型番と突き合わせます
- レベル — ★1か★2か。2026年8月18日時点では、掲載324件はすべて★1でした
- ステータス — 「有効」「失効猶予(延長申請中)」「失効(有効期限切れ)」「失効(自主取下げ)」「取消し」の5種類
★ここで見落としやすいのが「有効期間」です。 ラベルには満了日があり、確認した範囲では取得日から2年でした。延長手続きによって期間が延びることはありますが、一度取れば永久に有効というものではありません。
とはいえ、これは読者が心配する話ではなく、メーカーが管理する話です。皆さんが確認するのは「いま有効か」だけで十分です。
確認したい1行
「見積書のこの型番は、JC-STARの登録製品リストに載っていますか」
型番で答えられる販売店なら、この話をきちんと追いかけています。
「JC-STAR対応予定です」と言われたら
ここは、読者に必ず知っておいていただきたい部分です。
IPAは2026年5月13日に、「適合ラベルを取得済/取得見込であるかのように誤認させる表示について」という注意を公式ページに掲載しました。内容を引用します。
IPAでは、申請が受理され、IPAから受理番号(受領番号ではありません)又は仮登録番号が発行された場合を除き、「適合ラベル対応」、「JC-STAR適合予定」や「適合ラベル取得申請中」などの表記は認めておりません。
さらに、こう続きます。
「仮登録番号の記載がない形での適合ラベル対応/JC-STAR適合予定/適合ラベル取得申請中」などの表記は、IPAでは許可していない「不正な表示」に当たります
つまり、仮登録番号を示さずに「JC-STAR対応予定」と書くこと自体が、IPAの認めていない表示だということです。IPAは不正な表示が判明した場合、事実公表を含めた対処を行う可能性があるとまで書いています。
営業の場面に置き換えると、こうなります。
- 「この機種はJC-STAR対応です」→ 登録製品リストで型番を確認する
- 「JC-STAR適合予定です」「申請中です」→ 仮登録番号または受理番号を聞く。番号を示せないなら、その表示自体が認められていない
きつい言い方に聞こえるかもしれませんが、これはメーカーや販売店を疑うための話ではありません。制度が新しく、社内の認識が追いついていない会社が実際にあるという話です。IPAは2026年7月31日付で「現在、申請件数が急増しており、確認作業に通常より時間を要しております」とも告知しています。現場が混み合っている時期なのです。
見積書の妥当性そのものが気になる方は、当社が運営する「ソラカルテ」で、お手元の見積書をアップロードして内訳や単価を確認できます。電話番号の登録は不要です。型番がきちんと書かれた見積書かどうかを見るだけでも、判断の材料になります。
東北でいま検討する方が、確認する3つのこと
情報を整理したうえで、実際にやることは3つだけです。
1. 連系の申込みが2027年10月をまたぐかどうか
いますぐ契約して年内に連系するなら、この制度は関係ありません。2027年の春以降に契約する予定の方は、申込み時期を施工店と確認してください。東北は冬期に屋根工事ができない期間があり、その分だけ工程が後ろにずれます。
2. 見積書の型番が、登録製品リストにあるか
メーカー名ではなく型番で見ます。リモコンやゲートウェイまで含めた構成で確認するのが正確です。
なお、掲載がないことは「不適合」を意味しません。申請していない、あるいは審査中というだけの場合もあります。リストは随時更新されるので、確認した日付とセットで見てください。
3. 買い替え・増設の予定があるか
いま動いている設備は対象外ですが、将来パワーコンディショナを交換したり蓄電池を増設したりするときに、あらためて連系の手続きが必要になることがあります。手続きが必要かどうかは工事の内容によって変わるので、その時点で施工店と電力会社にご確認ください。
パワーコンディショナの交換時期の考え方は、卒FITで蓄電池を勧められたらで整理しています。
よくある質問
Q1. 補助金の要件にもなるのですか。
A. 制度ごとに違うので、公募要領で確認するのが確実です。当社が確認できたのは、資源エネルギー庁の資料にある系統連系技術要件としての要件化(2027年4月/低圧は2027年10月)までです。補助金の要件については、その制度の公募要領に書かれていなければ断定できません。「JC-STARがないと補助金が出ません」と言われたら、根拠となる公募要領の該当ページを見せてもらってください。 国の補助金の状況は蓄電池の国の補助金は終わりましたでも整理しています。
Q2. 今つけたら、2027年10月に何かしないといけませんか。
A. 必要ありません。グリッドコードは新しく系統につなぐ設備のルールで、すでに連系している設備は対象外です。買い替えや増設のときに、その時点のルールが適用されます。
Q3. ★2以上が必要になることはありますか。
A. 現時点では決まっていません。資源エネルギー庁の資料には「分散型電源固有の脅威や特性、PCS等に必要な機能を考慮した分散型電源独自のJC-STAR★2以上の適合基準の整備や導入に関しては、国の審議会等で議論を進める」と書かれています。議論を進める段階であって、時期も対象も決まっていません。ここを「★2が必要になります」と断定する説明があれば、根拠を確認してください。
まとめ
新しい制度の話は、どうしても不安をあおる形で伝わりがちです。事実だけ並べると、そこまで身構える話ではありません。
- JC-STARはIoT機器のセキュリティを見える化する国の制度。運用はIPA
- 住宅用に関係するのは★1。メーカーの自己適合宣言だが、疑義があればIPAが検査し、取消しもある
- 2025年12月16日のグリッドコード検討会で要件化が決定。太陽光・蓄電池は2027年4月、低圧(50kW未満)は経過措置で2027年10月から
- 起点は連系の契約申込み。すでに動いている設備は対象外
- 2026年8月18日時点で登録製品は324件、うちエネルギー関連機器が134件。「まだ誰も取っていない」段階ではない
- 登録されているのはリモコン・ゲートウェイ・計測制御ユニットなど、ネットにつながる機器。メーカー名ではなく型番で確認する
- 「適合予定」「申請中」の表示は、仮登録番号がなければIPAが認めていない
東北で2027年以降に連系を申し込む予定があるなら、いま見積もりを取る段階で一度確認しておけば足ります。慌てて買い替える必要はありません。
※本記事は2026年8月25日時点の情報です。制度の内容・適用時期・登録製品は変更されます。実際のご検討にあたっては、必ず下記の公式サイトで最新の情報をご確認ください。
出典
- 情報処理推進機構(IPA)「セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR)」 https://www.ipa.go.jp/security/jc-star/index.html
- 情報処理推進機構(IPA)「適合ラベル取得製品リスト」(2026年8月18日更新/本記事の件数はこの版を集計) https://www.ipa.go.jp/security/jc-star/list/jc-star-product-list/index.html
- 資源エネルギー庁「グリッドコードについて」2026年2月9日(総合資源エネルギー調査会 次世代電力系統ワーキンググループ 第7回 資料2) https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/saisei_kano/smart_power_grid_wg/007.html
- 経済産業省「IoT製品に対するセキュリティ適合性評価制度構築方針」(2024年8月23日) https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/sangyo_cyber/wg_cybersecurity/iot_security/20240823.html
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監修・執筆:株式会社ファナス 代表取締役 不藤政次|宮城県・福島県・山形県・岩手県・秋田県・青森県・新潟県の各市町村で太陽光発電・蓄電池・V2H・エコキュートを施工販売。無料相談はこちら
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