V2H補助金の予算残額が約5億円になりました|9月30日を待たずに終わる前に、個人宅でそろえる書類と写真の撮り方【東北・2026年版】

先に結論
国のV2H補助金は、配分額約55億円のうち残りが約5億円になりました(2026年8月21日、次世代自動車振興センター公表)。
8月4日は約25億円、8月10日は約15億円でしたので、17日間で約20億円が減っています。
この制度は先着順で、予算額に達した日以降に届いた申請は受理されず無効になります。「9月30日まで」は、もう期限として使えません。
東北で動くなら、書類より先に要部写真3点をGPSを入れて撮るところから始めてください。ここが最初の詰まりどころです。
2026年8月21日、一般社団法人次世代自動車振興センターが「V2H充放電設備・外部給電器 予算残高に関するお知らせ」を公表しました。
そこに書かれていたのは、8月21日(金)現在、予算残額が約5億円という数字です。
当社にも「V2Hの補助金、まだ間に合いますか」というお問い合わせが増えています。この記事は、その質問に対して今日時点で公式に確認できることだけでお答えするものです。金額の話(いくらもらえるか)はV2H補助金は最大130万円。でも「入れて損する家」がありますに書いていますので、ここでは「申請そのものが通るかどうか」に絞ります。

▲ 要部写真は、この設置予定場所を工事前に撮ります(※イメージ写真)
予算残額は約5億円になりました(2026年8月21日公表)
センターは、配分額と予算残額を随時公表しています。今年の公表を並べると、こうなります。
| 公表日 | 予算残額 | 前回からの減り |
|---|---|---|
| 2026年8月4日 | 約25億円 | - |
| 2026年8月10日 | 約15億円 | 6日間で約10億円 |
| 2026年8月21日 | 約5億円 | 11日間で約10億円 |
配分額は約55億円です。8月21日時点で、そのうち約50億円が申請済みという計算になります。
残りがいつ無くなるかは、公式には示されていません。
センターは「予算残高および終了見込み時期を随時更新する予定」としていますが、終了予定日は公表されていません。当社も日付の予想はしません。
確実なのは、残っているうちに申請が到着した人だけが対象になるということだけです。
交付申請の受付期間そのものは、応募要領で令和8年7月17日(金)〜令和8年9月30日(水)17時と定められています。開始から1か月あまりで配分額の9割が動いた計算です。
「9月30日まで」を期限として使わないでください
応募要領には、次のように書かれています。
申請額の累計が予算額を超えると予想される場合には、交付申請期間中であっても受付を終了します。その場合は、センターのホームページ上で告知します。
8月21日のお知らせには、さらに踏み込んだ表現があります。
本事業は先着順で申請を受け付けており、交付申請額の累計が予算額に達した時点で受付を終了いたします。その場合、次世代自動車振興センターへの交付申請の到着日が、予算額に達した日以降の申請については受理されず、無効となります
「無効」という言葉が使われている点が重要です。順番待ちにも、次回への繰り越しにもなりません。到着が1日遅れたら、その申請は無かったことになります。
昨年から今年にかけて、同じことが実際に起きました。国の家庭用蓄電池のDR補助金は、12月10日までの公募予定で始まりながら2026年5月29日に受付を終えています。詳しくは国の蓄電池補助金(DR補助金)は2026年5月29日に終わりましたに書きました。
「締切まで日があるから、秋になったら考えよう」という判断は、この制度では通用しません。
審査にも時間がかかり始めています
同じ8月21日、センターはもう1本お知らせを出しています。「令和7年度補正 V2H充放電設備・戸建て住宅充電用コンセント 補助金 申請内容の審査状況について」です。
そこには、短期間に大量の申請が集中したため、審査に時間を要する可能性があるという趣旨のことが書かれています。個別案件の進捗はコールセンターでは回答せず、オンライン申請システムで各自確認してほしい、とも案内されています。
これが東北の工事にとって何を意味するか。次の章で書く「交付決定の前に工事を始められない」というルールと合わせると、申請から着工までの待ち時間が読みにくくなっているということです。
申請を出した日=工事ができる日ではありません。
交付決定通知が届くまで、V2Hの発注も基礎工事も始められません。混雑期はその待ち時間が伸びます。
個人宅の申請で出す書類は、大きく5つです
応募要領の「5.交付申請の提出」を、個人宅(戸建て)の申請に必要なものだけに絞ると、次のようになります。
| No | 書類 | 中身 |
|---|---|---|
| 1 | 申請者本人確認書類 | 個人の場合は運転免許証など |
| 2 | V2H充放電設備本体の購入にかかる見積書 | 内訳書を含む |
| 3 | 設置工事にかかる見積書 | 内訳書を含む。工事の申告はオンライン入力 |
| 4 | 要部写真 | 施工前の3点(次章) |
| 5 | 電気自動車等を保有していることを証する書類 | 車検証、または発注書 |
このほか、設置場所の所有者がご本人でない場合は土地・施設の利用に関する許諾書が必要です。二世帯で名義がお父さま、というケースが東北では珍しくありません。ここは早めにご確認ください。
手続き上の要点も押さえておきます。
- 申請はオンライン申請システムで完結します。書類の郵送は不要です
- アップロードできるファイル形式はPDF・JPEG・PNGの3種類(要部写真はJPEGとPNGのみ)
- ファイル形式に変換したあとで編集・加筆した書類は不備として再提出になります
- 解像度が低くて文字や数字が読めない書類も、不備として再提出です
- 「本補助金の事業開始日以降の日付の記載」と指定された書類は、令和8年3月3日(火)以降の日付である必要があります
- 工事の申告部分は、工事施工会社に入力を依頼できます
3の工事見積書について補足します。個人宅の設置工事は、工事の項目ごとに補助の上限額が国によって決められていて、1基あたりの上限は55万円です。機器のほうは「購入費(税抜)×1/2以内」と「型式ごとにセンターが定める上限額」の低いほうになります。この仕組みはV2Hが高いのは、箱の中身が理由ですで内訳まで分解していますので、見積書を見る前に読んでおくと話が早くなります。
いちばん差し戻されやすいのは「要部写真」です
書類のなかで、当社がいちばん気をつけているのがこれです。要件が細かく、あとから撮り直しがきかないものが混じっています。
交付申請の時点で出すのは、施工前の3点です。
| 写真 | 何が写っていればよいか |
|---|---|
| 建屋全景 | V2Hの給電対象になる建物の全景と駐車スペースの位置関係が分かること |
| 駐車スペース全景(施工前) | 駐車スペースの全景と、V2Hの設置予定場所が写っていること |
| V2H設置予定場所 | V2H全体が収まる距離で、設置予定場所が確認できること |
そして、撮り方の条件がこれだけあります。
- GPS情報が含まれていることが必須です。カメラのGPS機能を有効にして撮ってください
- 撮影情報(Exif)は撮影時のまま。修正や削除をしたものは認められません
- AIで生成した画像、インターネットで取得した画像、スクリーンショット、加工・修正した画像は不可。応募要領には「本事業では解析ツール等を導入します」と明記されています
- 予定場所を枠で囲むのも「加工」に当たります。良かれと思ってやると不備になります
- 事業開始日以降に実際に撮影したものであること
- 車や障害物がない状態で撮ること。やむを得ず写り込む場合は、隠れている床面や壁面の写真を別に複数枚撮って添えます
- カラーで、1枚20MB以下
- 実績報告のときは、原則として交付申請時と同じアングルで撮ります
「駐車スペースに車を停めたまま撮ってしまった」
これが当社でいちばん多い撮り直しです。V2Hを入れるお宅にはたいてい車があるので、撮影の日は車を出しておいていただく必要があります。
なお、施工管理ソフトウェア産業協会(J-COMSIA)が認定した改ざん検知対応の撮影アプリで撮った、電子小黒板入りの写真は認められています。工事会社が普段から現場写真アプリを使っているなら、そのまま使えます。
実績報告のときには、さらに施工後の写真が6点必要です。駐車スペース全景(施工後)、V2H設置場所、V2Hの銘板、充電確認、放電・自立運転確認、基礎工事。このうち充電確認と放電・自立運転確認は、実際に動かしているところを撮る必要があり、スマートフォンのスクリーンショットは認められません。
これは東北では地味に効いてきます。工事が冬にずれ込むと、この撮影を雪の中でやることになります。
電気自動車をまだ持っていない場合の出し方
「車はこれから買うのですが、V2Hを先に申し込めますか」というご質問をよくいただきます。答えは申し込めます。ただし出す書類が変わります。
すでに持っている場合は、車検証です。次の項目が読み取れる必要があります。
- 型式
- 燃料の種類(電気または圧縮水素が確認できること)
- 所有者・使用者(所有者と使用者が違う場合は使用者も)
- 使用の本拠の位置(=申請で入力した設置場所の住所と一致すること)
- 有効期限(申請時に有効であること)
ここで一つ注意があります。2023年1月以降(軽自動車は2024年1月以降)に発行された車検証は「電子車検証」になっていて、券面には基礎的な情報しか印字されていません。所有者・使用者の住所や有効期限が載っていないため、「自動車検査証記録事項」も一緒に提出する必要があります。
紛失した場合は、電子車検証のICチップを国土交通省の車検証閲覧アプリで読み取ってPDF出力できます。
まだ購入していない場合は、発注書です。次の記載が必要です。
- 宛先(購入先)
- 注文日/発注日/契約日
- 車名
- メーカー指定の型式
- 納車希望日または納車予定日(実績報告の期限内に車検証が発行される予定であること)
- 使用者名義人の住所・氏名
- 捺印または署名
対象になるのは、電気自動車(EV)・プラグインハイブリッド車(PHEV)・燃料電池車(FCV)の登録車および軽自動車です。
交付決定の前に発注・着工すると、補助金は出ません
これは制度の根幹なので、はっきり書きます。
応募要領の補助事業の流れには、「V2H充放電設備の発注および設置工事の施工開始は交付決定日以降に行う必要があります」と注記されています。
さらに「設置工事の施工開始」の定義が広いことに注意してください。
設置工事の施工開始とは、V2H充放電設備の搬入やV2H充放電設備等設置の基礎工事などの準備やV2H充放電設備等設置工事の一部または全部の施工の開始のことをいいます
機器を現場に運び込んだ時点でも、基礎のコンクリートを打った時点でも「施工開始」です。「交付決定を待っていると雪が降るから、基礎だけ先に打っておこう」——これをやると補助金が出ません。
流れを通しで書くと、こうなります。
- 交付申請(書類一式をオンラインで提出)
- 受付・審査
- 交付決定通知書の発行
- ここから発注・設置工事開始
- 工事完了・支払完了
- 実績報告
- 受付・審査
- 補助金額の確定
- 補助金の交付
- 保有義務期間(設置完了した日から5年間)
10の保有義務期間も見落とされがちです。5年間は勝手に処分できません。交付決定通知書も、この5年間は書面で保管しておく必要があります。
(余談ですが、センターは2026年8月19日付で、令和8年熊本地震・令和8年8月千葉豪雨で被災した設備の財産処分について、被災状況の写真・罹災証明・廃棄証明を添えれば返納義務が免除される、という案内を出しています。災害で壊れた場合の道は用意されています。)
東北の逆算:実績報告の期限は2027年1月29日
もう一つの期限が、実績報告の提出期限=令和9年1月29日(金)です。センターは「期限間際に集中することを避けるため、工事もしくは支払いの完了の日から30日以内を目途に」と案内しています。
東北で暮らしていると、この日付の意味がすぐ分かると思います。1月29日は、雪のいちばん深い時期のど真ん中です。
気象庁の平年値では、雪の初日は青森が11月8日、仙台が11月17日です(雪が降る前にやることは4つだけですで確認した数字です)。
ここから逆算すると、東北のV2H工事の現実的な段取りはこうなります。
- 申請 → 交付決定を待つ(いま審査が混んでいると公式に告知されている期間)
- 交付決定後に発注(機器の納期がここから始まる)
- 基礎工事と電気工事(コンクリートの養生は気温が下がるほど時間がかかる)
- 施工後の写真6点を撮る(充電・放電の動作を実際に動かして撮る)
- 実績報告
つまり、雪が積もる前に工事を終えたいなら、逆算の起点は「交付決定がいつ出るか」になります。そして、それは今のところ読みにくい。だからこそ、申請そのものを早く出すことに意味があります。
駐車スペースが雪捨て場になっていませんか。
V2Hは駐車スペースの脇に立てます。東北では、そこが冬に雪の置き場になっているお宅が多いです。設置場所を決める段階で、除雪の動線と落雪の行き先を一緒に見ておくと、あとから「置き場所を変えたい」という計画変更を避けられます。
間に合わないと分かったときに残る選択肢
正直に書きます。今から検討を始めて、国の補助金に間に合うとは限りません。残りは約5億円です。
そのときに残る道は、主に3つあります。
1つ目は、自治体の補助金です。東北の市町村には、V2Hを対象にした独自の制度を持つところがあります。国の制度が終わっても、自治体のほうは動いていることがあります。ただし自治体側も予算に限りがあり、契約・着工前の申請を求めるところがほとんどです。お住まいの市町村の制度は、当社が運営する「ソラカルテ」の補助金検索で県別に確認できます。
2つ目は、来年度を待つという判断です。ただし、次年度の公募があるかどうか、いつ始まるかは、現時点で公式に示されていません。「来年もあるはず」を前提にした計画は立てないでください。実際、家庭用蓄電池のDR補助金は「再開の予定はありません」と告知されたまま今日に至っています。
3つ目は、V2Hではない形で目的を達するという判断です。「停電に備えたい」が目的なら、蓄電池という選択肢があります。「電気代を下げたい」が目的なら、また別の設計になります。V2Hが向く家と向かない家の切り分けはV2H補助金は最大130万円。でも「入れて損する家」がありますに、国の制度全体の見取り図は【2026年7月時点】太陽光・蓄電池・V2Hの補助金の今に書きました。
補助金は、目的ではなく手段です。補助金に間に合わせるために、要らない設備を入れるほうが損になります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 予算残額が約5億円ということは、あと何件くらい申請できるのですか。
A. 公式には示されていません。1件あたりの交付額は機器の型式と工事の内容で変わるため、残額を件数に換算した数字はセンターも公表していません。当社も推計は出しません。分かるのは「残っているうちに到着した申請が有効になる」ということだけです。最新の残額は次世代自動車振興センターのホームページでご確認ください。
Q2. 見積書だけ先にもらって、書類は後から出してもいいですか。
A. 交付申請は、必要書類をすべてアップロードして「申請」ボタンを押した時点で申請になります。一部でも不備があると、センターから修正の連絡が来て、不備が解消するまで受付されません。先着順の制度で「受付されない期間」が発生するのは不利です。1回で通る状態にしてから出すのが結果的に早くなります。
Q3. 申請の手続きを施工会社に任せることはできますか。
A. 工事の申告部分は、応募要領で工事施工会社に入力を依頼できると定められています。また、手続きの一部を代行者へ依頼する場合の様式も用意されています。ただし申請者はあくまでご本人で、交付決定通知書の保管義務や5年間の保有義務もご本人にかかります。当社にご依頼いただく場合も、この点は必ず書面でご説明しています。
まとめ:期限ではなく、予算残高を見て動く
- 国のV2H補助金は、配分額約55億円に対し、2026年8月21日時点で予算残額が約5億円
- 8月4日=約25億円、8月10日=約15億円、8月21日=約5億円。17日間で約20億円が減った
- 先着順で、予算額に達した日以降に届いた申請は受理されず無効。「9月30日まで」は期限として使えない
- 8月21日にはセンターから、申請集中により審査に時間を要する可能性があるという告知も出た
- 個人宅の必要書類は本人確認・機器の見積書・工事の見積書・要部写真・EV等の保有証明の5つ
- 要部写真はGPS情報必須、加工・AI生成・スクショ不可、車のない状態で施工前に3点
- 発注も基礎工事も交付決定日以降。先に始めると補助金は出ない
- 実績報告の期限は2027年1月29日。東北では雪の最中になるので、逆算して段取りを組む
「うちは間に合うのか」「この見積書で申請が通るのか」は、屋根や駐車スペースの条件で変わります。お手元に見積書があれば、そのままお持ちください。書類の並びと写真の撮り方まで含めて、一緒に確認します。
※本記事は2026年8月22日時点の公式情報にもとづいています。V2H補助金は先着順で、予算額に達した時点で受付を終了します。記載の予算残額は2026年8月21日にセンターが公表した数字であり、この記事をお読みの時点ではさらに減っている可能性があります。申請前に必ずセンターの最新のお知らせと応募要領をご確認ください。
出典
- 一般社団法人次世代自動車振興センター「令和7年度補正 V2H充放電設備・外部給電器 補助金 予算残高について(8月21日公表)」 https://www.cev-pc.or.jp/notice/pdf/20260821_v2h_v2l_oshirase.pdf
- 一般社団法人次世代自動車振興センター「令和7年度補正予算 V2H充放電設備の導入補助金」応募要領 https://www.cev-pc.or.jp/hojo/v2h.html
- 一般社団法人次世代自動車振興センター(トップページ・お知らせ一覧) https://www.cev-pc.or.jp/
- 国土交通省「電子車検証特設サイト 車検証閲覧アプリについて」 https://www.denshishakensho-portal.mlit.go.jp/user/application/
当社が運営する「ソラカルテ」では、太陽光・蓄電池の見積書をその場で無料AI診断できます。電話番号の登録は不要です。
監修・執筆:株式会社ファナス 代表取締役 不藤政次|宮城県・福島県・山形県・岩手県・秋田県・青森県・新潟県の各市町村で太陽光発電・蓄電池・V2H・エコキュートを施工販売。無料相談はこちら
他社のお見積りでも、ご相談をお受けしています
宮城県・福島県・山形県・岩手県・秋田県・青森県・新潟県で自社施工。設計・申請・施工・アフターまで自社で対応します。
しつこい営業はしません。お電話(022-796-7018/9:00〜20:00)・フォーム・LINEからどうぞ。





