V2H補助金は最大130万円。でも「入れて損する家」があります|東北で申し込む前に確認する5つのこと【2026年・9月30日締切】

「V2Hの補助金が過去最高だそうですね。うちも今のうちに入れたほうがいいですか?」——ここ数週間、当社へのご相談でいちばん増えているのがこの質問です。
たしかに2026年のV2H補助金は手厚く、条件がそろえば設備と工事で合わせて130万円規模の補助を受けられます。EVをすでにお持ちで、太陽光の電気が昼に余っているご家庭にとっては、またとない機会です。
ただ、正直にお伝えします。V2Hは「補助金が出るから」という理由だけで入れると、期待した効果が出ない設備でもあります。V2H本体だけでは電気を1kWhも貯められません。電気を貯めるのは車の側だからです。ここを外したまま契約すると、補助金を差し引いてもなお残る自己負担が、そのまま「使いこなせない設備」の代金になってしまいます。
この記事では、2026年7月29日時点で次世代自動車振興センター(NeV)が公開している公式の応募要領を確認したうえで、①いくら出るのか、②いつまでに何をすればいいのか、③どんな家なら得をして、どんな家なら損をするのか、そして④東北・寒冷地ならではの注意点を整理します。
蓄電池とV2Hのどちらを選ぶかで迷っている方は蓄電池とV2H、2026年はどっちを選ぶ?を、補助金全体の地図を知りたい方は2026年後半、東北の戸建てで今使える省エネ補助金はどれ?をあわせてご覧ください。

▲ V2Hは駐車場のそばに基礎を据えて設置します(※イメージ写真)
※2026年8月10日追記:予算残額が約15億円になりました
この記事の公開後に状況が変わりましたので、最初にお伝えします。
次世代自動車振興センターが2026年8月10日付で公表した「予算残高に関するお知らせ」によると、配分額約55億円に対して、8月10日(月)現在の予算残額は約15億円です。同センターの前回公表(8月4日)は約25億円でしたので、6日間で約10億円が消化されたことになります。
同センターは次のように明記しています。
交付申請額の累計が予算額に達した場合は、交付申請受付期限(令和8年9月30日)を待たずに受付を終了いたします
さらに、先着順であり、予算額に達した日以降にセンターへ到着した申請は受理されず、無効になるとも書かれています。
つまり、タイトルにある「9月30日締切」は、もはや当てにできません。この記事の以降の内容は9月30日という日付を前提に書いていますが、実際にはそれよりかなり早く閉まる可能性が高いとお考えください。V2Hを検討していて、まだ販売店と話をしていない方は、今週の動きが結果を分けます。
最新の予算残額は次世代自動車振興センターのトップページで随時更新されています。同センターは「予算残高および終了見込み時期を随時更新する予定」としていますので、申し込む前に必ずご自身でもご確認ください。
① まず金額の事実:個人宅は「機器+工事」で最大130万円
V2H充放電設備の補助金は、国のクリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てん設備等導入促進補助金(通称CEV補助金/令和7年度補正予算)の一部です。窓口は一般社団法人次世代自動車振興センター(NeV)です。
公式の応募要領(令和8年7月版)で確認できる、個人宅の場合の交付額の決まり方は次のとおりです。
設備(機器)費
- 購入費(税抜)×補助率1/2以内 と、型式ごとにセンターが定める補助金交付上限額の、いずれか低いほう
- 型式ごとの上限額は随時更新されるため、必ずセンターの「型式ごとの補助金交付上限額(補助対象V2H充放電設備一覧表)」で、検討中の機種の額を確認します
- 公表されている上限額の最大は75万円です
つまり「どの機種でも75万円もらえる」わけではありません。機種ごとに上限が違い、さらに購入費の半分が頭打ちになります。本体価格が100万円(税抜)なら、補助は最大でも50万円です。
設置工事費
個人宅(マンション共用部・その他施設を含む「公共施設・災害拠点以外」の区分)の工事費は、工事項目ごとに上限が決まっていて、その合計が55万円です。応募要領に記載された内訳は次のとおりです。
| 工事項目 | 項目ごとの補助上限額 |
|---|---|
| 基礎工事 | 35,000円 |
| 据付工事 | 80,000円 |
| 本体搬入費 | 15,000円 |
| 電気関連工事 | 300,000円 |
| 諸費用 | 120,000円 |
| 1基設置の場合の上限 | 550,000円 |
工事費は補助率1/1(全額)ですが、項目ごとの上限を超えた分は自己負担です。たとえば電気関連工事が45万円かかっても、補助されるのは30万円までになります。見積りをもらったら、「この工事費のうち、どこまでが補助対象で、いくらが自己負担になるのか」を項目ごとに説明してもらってください。
機器75万円+工事55万円=最大130万円という数字は、この2つの上限をどちらも満たしたときの最大値です。実際の交付額はご家庭ごとに変わります。
② 期限は2つある:9月30日の「申請」と、1月29日の「実績報告」
補助金の話で見落とされやすいのが、締切が1つではないことです。公式の応募要領には次の2つが明記されています。
- 交付申請期間:2026年(令和8年)7月17日(金)〜9月30日(水)17時
- 実績報告期限:2027年(令和9年)1月29日(金)
さらに、応募要領には「申請額の累計が予算額を超えると予想される場合には、交付申請期間中であっても受付を終了します」と書かれています。終了する場合はセンターのホームページで告知されます。つまり9月30日は「最長でここまで」であって、それより早く閉まる可能性があるということです。V2Hと外部給電器を合わせた予算規模は55億円と公表されており、先着順です。
そして、ここがいちばん大事な部分です。
発注も着工も支払いも「交付決定日以降」
応募要領の申請要件には、次の内容がはっきり書かれています。
- V2H充放電設備の発注は、交付決定日以降であること
- 設置工事の施工開始日、ならびに設備・工事代金の支払は、交付決定日以降であること(前払い金等の一部の支払は交付決定日前でも可)
つまり、「先に契約して工事してしまってから、あとで補助金を申請する」ことはできません。この順番を間違えると、要件を満たさず補助の対象外になります。
しかも交付決定は、応募要領によれば不備のない申請を受け付けてからおおむね1〜2か月程度(申請が集中した場合はさらにかかることも)とされています。ここから逆算すると、実際のスケジュール感はこうなります。
- 今(7〜8月):機種選定・現地調査・見積り取得 ← 申請前に終わらせておく必要がある
- 〜9月30日17時:オンライン申請システムで申請(予算到達で早期終了あり)
- 申請の1〜2か月後:交付決定 → ここでようやく発注・着工できる
- 2027年1月29日まで:工事完了・支払完了・実績報告
東北にとっては、この逆算が特に重い
9月ぎりぎりに申請すると、交付決定は11月前後になります。そこから発注し、工事をするのは東北の12月〜1月です。V2Hの設置は基礎工事と屋外の電気配線工事を伴うため、積雪・凍結の時期は工程が読みにくくなります。
さらに、応募要領では除雪費は補助対象外と明記されています。真冬に工事をして除雪が必要になっても、その費用は補助されません。実績報告の期限は1月29日で、これを過ぎた報告は受け付けられません。
東北でこの補助金を使うなら、「9月30日に間に合うか」ではなく「雪が本格化する前に工事を終えられるか」で逆算する——これが実務上の結論です。動くなら今月・来月です。
③ V2Hで損をする3つのパターン
ここからは金額ではなく、設備としての向き・不向きの話です。当社がご相談を受けていて「これは合わないですね」とお伝えすることが多いのは、次の3パターンです。
パターン1:EVを持っていない・買う予定もない
当たり前に思えますが、いちばん多い誤解がここです。V2Hは電気を貯める装置ではありません。電気を貯めるのはEVのバッテリーで、V2Hはそれを家との間で行き来させる「変換と制御の装置」です。
補助金の要件としても、応募要領には「設置場所が個人宅の場合は、設置場所を使用の本拠の位置とする電気自動車等があること」と定められています(購入のための発注が完了している場合は、実績報告でEVがあることを報告すれば可)。EVありきの制度なのです。
そして費用の全体像も、V2H単体では見えません。V2H本体と工事で200万円前後、EVがもっとも安い部類でも200万円台からです。補助金を差し引いても、設備と車を合わせた総額で判断する必要があります。
パターン2:昼間、EVが家にいない
V2Hを検討する方の多くは「太陽光の余った電気を、捨てずに貯めて夜に使いたい」という動機をお持ちです。ところが、その貯める先である車が、発電している昼間に家にないなら、太陽光の余剰は結局そのまま売電に回ります。
通勤で毎日EVを使うご家庭では、V2Hの効果は大きく削られます。この場合の現実的な対策は2つです。
- 蓄電池も併設できるタイプ(トライブリッド型など)を選ぶ:昼の余剰をいったん家庭用蓄電池に貯めておき、夜に車が帰ってきてから車へ移す、という運用ができる製品があります
- そもそも家庭用蓄電池を選ぶ:昼に車がいない生活なら、素直に蓄電池のほうが噛み合います
パターン3:太陽光の余剰電力が少ない
「余った電気を活かす」設備なので、余りがなければ活きません。太陽光の設置容量が小さいご家庭、あるいは昼間の在宅時間が長くて発電をその場で使い切っているご家庭は、V2Hに回す原資がそもそも少ない状態です。
これは感覚ではなく、数字で確認できます。
- すでに太陽光がある方:電力会社の検針票やWEB明細で、月ごとの売電量(kWh)を見てください。これが「余っている電気」の実測値です
- これから太陽光を載せる方:年間発電量の目安は設置容量(kW)×1,000〜1,100kWh前後。ここから年間の自家消費分を引いた残りが、おおよその余剰量になります
東北の場合、ここで必ず月別で見てください。年合計では余っていても、11〜2月は積雪と日照の短さで余剰が大きく減るのが東北の実態です。冬に余剰がほとんど出ない家では、V2Hが働くのは春〜秋が中心になります。地域別の発電量の考え方は東北・雪国の太陽光は本当に発電する?で詳しく解説しています。
④ 東北・寒冷地で見落とされやすい設置条件
ここは、補助金の要件と寒冷地の現場条件が交差する部分です。応募要領で確認できる内容と、当社が現場で確認していることを並べます。
駐車スペースの条件
- 駐車スペース1台分につき、V2Hは1基。応募要領は駐車スペースの目安を幅2.5m×奥行5mとしています
- 充電中にEVが公道にはみ出すような配置は認められません
- 個人宅の場合、設置できるのは1基まで。追加設置や「追加+入替」の申請はできません
東北では、ここに冬の除雪動線が加わります。V2H本体と充電ケーブルを扱う位置が、雪寄せ場や落雪の下になっていないか。冬に車の乗り降りをする側にケーブルが伸びないか。図面の上では成立しても、1月の駐車場の実際の使い方で見直すと配置が変わることがよくあります。
補助対象にならない工事に注意
応募要領は、補助対象にならない工事の例も明記しています。東北で関係しやすいものを挙げます。
- 除雪費
- 屋根・小屋・防護用部材の材料費および設置労務費(=V2Hに雪よけの屋根を付けたい、という工事は対象外)
- 既存駐車スペースのアスファルト舗装(駐車スペースが未舗装の場合の舗装費も対象外)
- 太陽光発電システム(パネル等)の機器・部材・設置労務費
- 既設V2Hの撤去や移設、処分等にかかる費用
- 申請手続代行費、客先協議費、一般管理費・現場管理費
「雪から守る屋根も一緒に付けたい」というご要望は寒冷地では自然ですが、その部分は補助の外です。見積りの段階で、補助対象と自己負担を分けて示してもらってください。
寒さそのものへの備え
補助金の話とは別に、寒冷地でEVとV2Hを使ううえで知っておきたいことがあります。リチウムイオン電池は低温で性能が出にくく、冬はEVの電費(走行効率)も落ちます。加えて、車内暖房に電力を使うため、同じ充電量でも冬の走行可能距離は短くなります。
つまり冬は「家で使える分」と「走るために残す分」の取り合いになります。停電への備えとしてV2Hに期待するなら、この点も含めて運用を考えておく必要があります。冬の停電対策の全体像は冬の停電にどう備える?にまとめています。
⑤ 申請の実務:誰が何をするのか、他の補助金と併用できるのか
最後に、手続き面で質問の多い点を整理します。いずれも応募要領で確認できる内容です。
- 申請者は購入者本人(個人・地方公共団体・法人等)。オンライン申請システムで申請データの入力と書類のアップロードを行い、「申請」ボタンを押して完了します
- 国の他の補助金との重複はできません。ただし地方公共団体の制度とは重複して申請できる場合があります(自治体ごとに扱いが異なるため、各自治体へ確認が必要)
- 設備は「新品」であること
- 設置場所・給電対象施設の使用権限が必要。土地や建物が本人名義でない場合は、所有者が5年間の設置を許諾したことを証する書類を提出します
- 処分制限期間は5年。補助を受けた設備を5年以内に処分(廃棄・譲渡・移設など)する場合は、事前にセンターの承認が必要です
- 支払方法は原則として金融機関による振込。ただし個人が個人宅に設置する場合は、割賦販売・ローン契約・クレジット契約による支払も可
- 工事代金の支払完了後にキャッシュバック(代金還元)を受けた場合は、補助金の返還を求められることがあります。センターへの報告が必要です
なお、応募要領には虚偽記載や不正受給に対して加算金(年10.95%)を付した返還や刑事罰の規定があることも明記されています。「補助金を通すために書類を調整しましょう」といった提案をする業者があれば、その時点でお付き合いを見直したほうがいい、というのが率直なところです。業者選びの基準は太陽光・蓄電池は「一番安い見積り」で選ぶと損をする?で解説しています。
よくある質問(FAQ)
Q1. EVをまだ持っていませんが、V2Hの補助金だけ先に申請できますか?
A. 個人宅への設置では、「設置場所を使用の本拠の位置とする電気自動車等があること」が申請要件です。ただし応募要領では、購入のための発注が完了している場合は、実績報告の段階で電気自動車等があることを報告すればよいとされています。したがって「車は発注済みで納車待ち」という状態であれば申請できる可能性があります。納車時期が実績報告期限(2027年1月29日)に間に合うかどうかも含め、申請前にセンターの応募要領で最新の要件をご確認ください。
Q2. 9月30日の締切まで、まだ2か月あります。ゆっくり検討しても大丈夫でしょうか?
A. おすすめしません。理由は2つあります。1つは、予算額に達すると見込まれた時点で、期間中でも受付が終了すると応募要領に明記されているためです。もう1つは、発注・着工が交付決定日以降でなければならないためです。交付決定には申請受付からおおむね1〜2か月かかるため、9月末に申請すると着工は11月以降、東北では真冬の工事になります。除雪費は補助対象外で、実績報告の期限も動きません。検討されているなら、現地調査と見積りは今のうちに済ませておくのが安全です。
Q3. 太陽光がなくてもV2Hを付ける意味はありますか?
A. あります。ただし目的が変わります。太陽光がない場合、V2Hは「安い時間帯の電気を車に貯めて、高い時間帯に家で使う」という時間シフトと、停電時にEVから家へ給電する非常用電源としての役割が中心になります。また、V2Hは一般的な200V普通充電より速く充電できるため、日常の充電時間の短縮というメリットもあります。一方で「太陽光の余剰を活かす」という最大の効果は得られないため、費用対効果は太陽光がある場合より小さくなります。ご家庭の電気の使い方と契約プランを見たうえで判断してください。
まとめ:金額より先に「順番」と「うちの数字」を確認する
- 2026年のV2H補助金は個人宅で機器費(購入費の1/2以内・型式ごとの上限、最大75万円)+工事費(項目別上限の合計55万円)=最大130万円
- 申請期間は2026年7月17日〜9月30日17時。ただし予算到達が見込まれた時点で期間中でも終了する
- 発注・着工・支払はすべて交付決定日以降。交付決定まで申請受付からおおむね1〜2か月かかる。先に契約すると対象外
- 実績報告期限は2027年1月29日。東北は雪が本格化する前に工事を終える逆算が必須。除雪費・雪よけの屋根は補助対象外
- 向かないのは①EVがない②昼に車が家にいない③太陽光の余剰が少ない、の3パターン。判断は検針票の売電量(月別)で数字にする
補助金が過去最高だからこそ、「もらえるか」ではなく「使いこなせるか」で決めるべき設備だと考えています。当社では、まず売電量と購入電力量の実績を月別で拝見し、V2Hが向くのか、家庭用蓄電池のほうが噛み合うのか、それとも今は太陽光の増設が先なのかを、正直にお伝えしています。「うちは対象になりますか」「間に合いますか」——その確認だけでも、お気軽にご相談ください。
出典(2026年7月29日確認)
- 一般社団法人次世代自動車振興センター(NeV)「令和7年度補正予算 V2H充放電設備の導入補助金」【公式】:https://www.cev-pc.or.jp/hojo/v2h.html
- 同センター「令和7年度補正 クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てん設備等導入促進補助金 応募要領(V2H充放電設備)」(令和8年7月):https://www.cev-pc.or.jp/hojo/
- 経済産業省「令和7年度補正予算 クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てん設備等導入促進補助金」:https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/automobile/cev/r7hosei_juden.html
※本記事の本体は2026年7月29日時点で公開されている公式の応募要領等にもとづいています。V2H補助金の予算残額については2026年8月10日に更新しました(冒頭の追記を参照)。補助金の受付状況・金額・要件は予算の消化状況により変わり、受付は期間中でも終了する場合があります。型式ごとの補助金交付上限額は随時更新されるため、契約前に必ずセンターの最新の一覧表と応募要領をご確認ください。記載の費用感は一般的な目安であり、実際の金額はご家庭の条件・機種・工事内容により異なります。
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監修:株式会社ファナス|宮城県・福島県・山形県・岩手県・秋田県・青森県・新潟県の各市町村で太陽光発電・蓄電池・V2H・エコキュートを施工販売。無料相談はこちら
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