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オムロンの新しいトリプル蓄電システム「KPTP-B」は2027年1月発売予定|V2H・蓄電池・太陽光を1台で。ニチコンのトライブリッド(ESS-T5/T6)と仕様を並べて、東北の冬に見る点を整理【2026年版】

オムロン KPTP-Bとニチコン トライブリッドESS-T5/T6の仕様比較

先に結論

  • オムロンが、太陽光・蓄電池・V2Hを1台のパワコンで動かす「KPTP-Bシリーズ」を2027年1月に発売する予定です。
  • 自立出力は6.0kVA、蓄電池は1台9.7kWh(2台で19.5kWh)、EVへは最大12kWで充電できます。
  • 同じ「1台で3つ」の考え方のニチコン トライブリッド(ESS-T5/T6)とは、温度・塩害・増設の条件が違います。
  • 発売前の製品なので、仕様は変わる可能性があります。契約前に最新の仕様書で確かめてください。

6.0kVA、12kW、19.5kWh。

2026年10月8日、オムロン ソーシアルソリューションズ(以下、オムロン)が発表した新しい蓄電システム「KPTP-Bシリーズ」の数字です。それぞれ、停電時に家へ送れる電力、EVへ充電できる電力、蓄電池を2台にしたときの容量を表しています。

KPTP-Bは、太陽光発電・蓄電池・V2H(EVと家の間で電気をやりとりする設備)を1台のパワコンでまとめて動かす「トリプル蓄電システム」です。同じ考え方の製品として、ニチコンの「トライブリッド蓄電システム」がすでに販売されています。

この記事では、オムロンの公式の発表と、ニチコンの公式カタログに書かれていることだけで、2つの仕様を並べます。どちらが優れているかを決める記事ではありません。東北の冬に、どこを確かめればいいかを整理します。

オムロン KPTP-Bシリーズの機器。左からトリプル蓄電パワーコンディショナ、蓄電池ユニット、トリプル蓄電用EVユニット、計測機能付き全負荷用分電盤

▲ 出典:オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社 ニュースリリース(2026年10月8日・KPTP-Bシリーズ)

KPTP-Bシリーズは、4つの機器でできている

オムロンの発表では、KPTP-Bシリーズは次の機器で構成されます。

機器 形式 発売時期(予定)
トリプル蓄電パワーコンディショナ KPTP-B 2027年1月
同(重塩害対応タイプ) KPTP-B-S 2027年1月
蓄電池ユニット(9.7kWh) KP-BU97D-S 2027年1月
トリプル蓄電用EVユニット(V2H) KP-DDV-C 2027年秋頃
計測機能付き全負荷用分電盤 KP-DB75C-M 2027年1月
エネルギーマネジメント対応 計測機能付き全負荷用分電盤 KP-DB75C-HM 2027年1月

V2Hの機器(EVユニット)は「2027年秋頃」

  • パワコン・蓄電池・分電盤は2027年1月の予定ですが、EVとつなぐユニットは2027年秋頃です
  • さらに発表の注記では、太陽光だけの構成、蓄電池やV2Hを組み合わせた構成、エコキュートなどの自動制御といった機能も「2027年秋ごろより順次対応予定」とされています
  • 発売日・出荷日は「現時点での予定」と明記されています

オムロンの発表では、販売目標は3年間で累計15万システムとされています。

長州産業ブランドでも販売されると思われます

オムロン製の蓄電システムは、これまでも長州産業ブランドで販売されてきました(記事「長州産業の蓄電池は「2種類」あります」で書いています)。KPTP-Bシリーズも、長州産業ブランドでOEM販売されると思われます。

ただし、2026年10月13日時点で、長州産業からの公式発表は確認できていません。長州産業ブランドの型番・発売時期・保証の条件は、公式発表が出てからこの記事に追記します。


いまのKPBP-Aから、何が変わるのか

オムロンの今の蓄電システム「KPBP-Aシリーズ」の型番の見方は、オムロン KPBP-Aの型番の見方で書きました。発表では、KPTP-Bの変更点が次のように説明されています。

全負荷の構成が、6ユニットから最小3ユニットに

KPBP-Aで停電時に家全体へ電気を送る「全負荷ハイブリッド」を組むには、パワコン・PVユニット・トランスユニット・ゲートウェイ・全負荷用分電盤・蓄電池の6ユニットが必要でした。

KPTP-Bでは、PVユニットとトランスユニットの機能をパワコンに、ゲートウェイの機能を全負荷用分電盤にまとめ、パワコン・蓄電池・全負荷用分電盤の最小3ユニットで組めるようになります。V2Hを加えても4ユニットです。

KPBP-AとKPTP-Bの全負荷ハイブリッド蓄電システムの構成比較。KPBP-Aは全負荷用分電盤・トランスユニット・PVユニット・マルチ蓄電パワーコンディショナ・マルチ蓄電システム用ゲートウェイ・蓄電池ユニットの6ユニット、KPTP-Bは計測機能付き全負荷用分電盤・トリプル蓄電パワーコンディショナ・蓄電池ユニットの3ユニット

▲ 出典:オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社 ニュースリリース(2026年10月8日・KPTP-Bシリーズ)

東北のお宅では、外壁に機器を何台も並べる場所が取れない、雪の当たらない場所が限られるというご相談をよくいただきます。機器の数が減ることは、置き場所を考えるうえで意味があります。

自立出力は4kVAから6kVAへ

発表では、自立出力を従来のKPBP-Aシリーズの4kVAから6kVAへ向上とされています。停電時の自立出力は「6.0kVA(単相3線200V)」で、全負荷型に標準対応です。

停電時の出力と、IHやエアコンを同時に使えるかの考え方は、「停電のとき、IHは使えますか」と聞かれたらで書いています。

太陽光は4回路で最大10kW

パワコンにつなげる太陽光は、4回路・最大10kW(1回路2.5kW)です。最大許容短絡電流は1回路20A、最大動作入力電流は1回路16Aと、大きな電流のパネルにも対応するとされています。


ニチコン トライブリッド(ESS-T5/T6)と仕様を並べる

ニチコンのトライブリッド蓄電システムは、ESS-T5とESS-T6の2つの系統があります。パワコンの形式はES-T5とES-T6です。公式カタログの数値と、オムロンの発表の数値を並べます。

比べ方の前提

  • KPTP-Bは発売前で、仕様は「現時点での予定」です。ニチコンは販売中の製品のカタログ値です
  • どちらが上かを決める表ではありません。ご自宅に合うかを確かめる項目の一覧として見てください

パワコン

項目 オムロン KPTP-B ニチコン ES-T5 ニチコン ES-T6
系統連系の出力 5.9kW 5.9kW 9.9kW
停電時の自立出力 6.0kVA(単相3線200V) 5.9kVA(片相2.95kVA) 5.9kVA(片相2.95kVA)
全負荷 標準対応 全負荷200V標準対応 全負荷200V標準対応
太陽光の入力 4回路・最大10kW 4回路・最大発電電力8.8kW 5回路・最大発電電力11kW
動作・設置の温度 設置周囲温度 −20〜50℃ 動作温度 −20〜40℃ 動作温度 −20〜40℃
防水防塵 IP55(重塩害対応タイプはIP66) IP55 IP55
重塩害 重塩害対応タイプ(KPTP-B-S)あり 重塩害非対応 重塩害非対応
保証 15年 15年(会員登録と申請が必要) 15年(会員登録と申請が必要)

ニチコンのカタログでは、ES-T5・ES-T6とも、蓄電池だけの構成のときの出力は組み合わせる蓄電池で変わり、7.4kWh(ESS-T5M1など)の構成では系統連系3.0kW・自立4.0kVAです。

蓄電池

項目 オムロン KP-BU97D-S ニチコン ES-BSM/ES-CSM ニチコン ES-DYL
容量 9.7kWh(2台で19.5kWh) 7.4kWh(増設で14.9kWh) 9.9kWh(2台で19.9kWh)
設置場所 屋内外 BSM=屋内/CSM=屋外 屋内外
動作・設置の温度 設置周囲温度 −15〜45℃ 動作温度 −10〜40℃ 動作温度 −10〜40℃
容量の保証 15年後、初期容量の60%以上 充電可能容量50%以上を15年 充電可能容量60%以上を15年

ニチコンの容量は「蓄電池公称容量」、初期実効容量は7.4kWhの構成で6.5kWh、9.9kWhの構成で9.1kWh、19.9kWhの構成で18.2kWhです。オムロンの発表には、初期実効容量の記載はありません。

V2H

項目 オムロン KP-DDV-C ニチコン ES-PL1(V2Hスタンド・V2Hポッド)
EVへの充電 最大12kW 6kW未満(拡張充電時:最大9.9kW)
発売 2027年秋頃(予定) 販売中
設置 屋内外(屋外推奨)・一体型と分離型 屋外
動作・設置の温度 設置周囲温度 −20〜50℃ 動作温度 −20〜40℃

オムロンは、最大12kWを「国内住宅用V2HシステムにおけるEVへの充電出力として業界最大」(2026年10月現在、同社調べ)としています。ニチコンは、最大9.9kWの「ハイスピード拡張充電」を同社の技術として案内しています。どちらもメーカーの表現です。実際の充電の速さは、車種などの条件で変わることがあります。購入前に販売施工店に確認してください。

V2Hと蓄電池のどちらを先に考えるかは、蓄電池とV2H、2026年はどっちを選ぶ?にまとめています。


東北で見る3つの点:温度・塩害・増設

仕様を並べると、東北のお宅で確かめたい点が3つ見えてきます。

オムロンKPTP-BとニチコンESS-T5/T6で東北の冬に確かめる3つの点の図解。①蓄電池の温度範囲:KPTP-Bは−15〜45℃、ニチコンは−10〜40℃ ②重塩害:KPTP-Bは重塩害対応タイプあり、ニチコンは非対応 ③増設:KPTP-Bは蓄電池2台にするとV2Hは併設できない、ニチコンは追加設置が2034年12月まで

▲図解:「1台で3つ」でも、温度・塩害・増設の条件はメーカーで違う

① 蓄電池の温度範囲

蓄電池ユニットの温度は、オムロンが設置周囲温度−15〜45℃、ニチコンが動作温度−10〜40℃です。ただし、オムロンは「設置周囲温度」、ニチコンは「動作温度」と、書かれている項目の名前が違います。同じ条件で測った数字として比べないでください。

ニチコンのカタログには「動作温度範囲外では運転を停止します」とあります。屋外に置く場合は、冬の朝の温度がこの範囲に入るかが問題になります。屋外に置くか、屋内に置くかで条件が変わるので、設置場所を決める段階で販売施工店と確認してください。

低温で蓄電池に何が起きるかは、蓄電池は冬に弱い?で整理しています。

② 重塩害

オムロンの発表には、パワコンに重塩害対応タイプ(KPTP-B-S)があり、重塩害地域を「海岸から約500m以内で、潮風の影響を受ける地域。ただし、海水や塩分を含んだ水が機器に直接かからない場所」と注記しています。

ニチコンのカタログでは、トライブリッドの設置できない場所に「重塩害地域」が挙がっています。

三陸の沿岸や仙台湾沿い、日本海側の海に近いお宅は、ご自宅が重塩害地域に当たるかをまず施工店に確かめてもらってください。

③ 増設とV2Hの組み合わせ

あとから足せるかは、どちらも条件があります。

  • オムロン:蓄電池やV2Hの後付けに対応し、蓄電池は2台まで。ただし注記で「蓄電池を2台設置する場合、V2Hを併設することはできません」
  • ニチコン:カタログで「パワーコンディショナ設置後の蓄電池ユニット、V2Hシステムの追加設置は、2034年12月まで可能」(同等品の提供となる場合あり)

KPTP-Bで「蓄電池を19.5kWhにして、あとでV2Hも足す」という計画は、発表の注記どおりなら組めません。最初にどこまで入れるか、あとで何を足すかを、契約前に決めておくことをおすすめします。増設の一般的な条件は「あとから容量を足せます」と言われた蓄電池で書いています。

雪の条件も、設置場所で確かめる

ニチコンのカタログには、パワコンを設置できない場所として「パワーコンディショナ設置時に上面が地上から1800mmを超えるところ(豪雪地帯では2500mmを超えるところ)」とあります。オムロンの発表には、雪に関する設置条件の記載はありませんでした。発売時の設置マニュアルで確認が必要です。


発売前の製品を検討するときに、確かめること

KPTP-Bは、2026年10月の時点では発表されたばかりの製品です。いま検討するなら、次の点を確かめてください。

発売前の製品で確かめる4つ

  • ① 発売日・出荷日(発表は「現時点での予定」)
  • ② V2Hや自動制御の機能が使えるようになる時期(2027年秋ごろから順次)
  • ③ 補助金の対象機器として登録されるか、その時期
  • ④ 長州産業ブランドで買う場合の型番・保証の条件

とくに③は大事です。補助金は、対象機器として登録されている型番でないと申請できないことがあります。発売前の製品は、まだ登録されていないことがあります。補助金を使う前提なら、申請の時期に登録が間に合うかを販売施工店に確認してください。

見積書の機器の並びや、容量に対して妥当な見積もりかを確かめたいときは、当社が運営する「ソラカルテ」の見積書AI診断を相談前に使うこともできます。


よくあるご質問

KPTP-Bは、いつから買えますか。

オムロンの発表では、パワコン・蓄電池・分電盤が2027年1月、V2HのEVユニットが2027年秋頃の予定です。発表には「現時点での予定」「具体的な発売日・出荷日などについては購入窓口までお問合せください」とあります。

いまニチコンのトライブリッドを検討中です。発売を待ったほうがいいですか。

待つかどうかは、温度・塩害・増設の条件と、補助金の時期で決まります。どちらが優れているかではなく、ご自宅の設置場所と、V2Hをいつ入れたいかで判断してください。当社はメーカーの優劣をお答えしません。条件を並べて、一緒に確認します。

長州産業の見積もりに、オムロンと同じような機器が入っていました。

長州産業の蓄電池には、オムロン製とダイヤゼブラ電機製の2系統があります。KPTP-Bシリーズも長州産業ブランドでOEM販売されると思われますが、2026年10月13日時点で長州産業の公式発表は確認できていません。長州産業ブランドの型番と仕様は、公式の資料で確かめてください。


まとめ

  • オムロンのKPTP-Bシリーズは、太陽光・蓄電池・V2Hを1台のパワコンで動かすトリプル蓄電システム。2027年1月発売予定(V2Hは2027年秋頃)
  • 自立6.0kVA・全負荷標準、蓄電池9.7kWh(2台で19.5kWh)、EVへ最大12kW、全負荷構成は最小3ユニット
  • ニチコン トライブリッド(ESS-T5/T6)は、自立5.9kVA・全負荷200V、蓄電池7.4〜19.9kWh、V2Hは最大9.9kW(拡張充電時)
  • 東北で見るのは、蓄電池の温度範囲、重塩害、増設とV2Hの組み合わせ
  • 発売前の製品は、補助金の登録と機能の対応時期を契約前に確かめる

※本記事は2026年10月13日時点の情報です。KPTP-Bシリーズの仕様・発売時期は発表時点の予定で、予告なく変更される場合があります。最新の情報はメーカーの公式発表と販売施工店にご確認ください。

出典

施工会社がつくった、見積書のセカンドオピニオン。(ソラカルテ)

当社が運営する「ソラカルテ」では、太陽光・蓄電池の見積書をその場で無料AI診断できます。電話番号の登録は不要です。

監修・執筆:株式会社ファナス 代表取締役 不藤政次|宮城県・福島県・山形県・岩手県・秋田県・青森県・新潟県の各市町村で太陽光発電・蓄電池・V2H・エコキュートを施工販売。無料相談はこちら

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