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蓄電池の見積書に「HEMS」と書かれていた方へ|何ができて、何のために付けるのか——Bルート・ECHONET Lite・補助金の要件から確かめる【東北・2026年版】

蓄電池の見積もりのHEMSは必要?補助金の要件で確認

蓄電池の見積書に「HEMS」と書かれていた方へ。

明細の中ほどに、蓄電池やパワーコンディショナとは別の行で入っていることが多いと思います。「ヘムス」と読みます。

この行について、「これは何をするものですか」「なくても蓄電池は動きますか」と聞かれることがよくあります。どちらも、契約の前に確かめておいてよい質問です。

先に結論
HEMSは、家の電気の「見える化」と、家電や設備の「自動制御」のための機器です。
国の制度では、新築のZEH(環境省)やGX志向型住宅で、HEMSやECHONET Lite対応の機器が要件になっています。
一方で、東北の自治体の蓄電池補助で、HEMSを必須にしている例は見当たりませんでした(当社運営のソラカルテのデータで確認)。
見積書にあるなら「何のために付けるのか」と「補助金の要件か」を、施工店に聞いてください。

蓄電池の見積書のHEMSを確かめる図解。HEMSの役割は電気の見える化と家電の自動制御。国のZEHやGX志向型住宅では要件になるが、東北の自治体の蓄電池補助では必須の例は見当たらない。見積書では何のために付けるか、補助金の要件か、Bルートの申込みを誰がするかを確認する

▲図解:HEMSは「何のために付けるか」が決まっていれば、要るか要らないかが分かります

この記事は、東北電力ネットワーク・エコーネットコンソーシアム・国の補助事業・東北の自治体の公式ページで確認できたことだけで書いています。2026年10月6日時点の情報です。

HEMSは「見える化」と「自動制御」のための機器です

HEMSは、ホーム・エネルギー・マネジメント・システムの頭文字です。東北電力は、家庭向けの説明でこう書いています。

電気の使用量や太陽光発電でつくった電気、蓄電池に貯めた電気などをモニター画面に表示したり、省エネアドバイスをしてくれるタイプもあります。

通信の規格をつくっている団体(エコーネットコンソーシアム)の資料では、HEMSの役割を2つに分けています。

  • 電気やガスなどの使用量の「見える化」
  • エネルギーを効率よく使うための、家電・住宅設備の「自動制御」

ここで押さえておきたいのは、HEMSで何ができるかは、機種によって違うということです。東北電力ネットワークも、Bルート(後の章で説明します)の案内で「HEMSの具体的な機能は、機種によって異なりますので、HEMSメーカーへご確認ください」と書いています。

見積書に「HEMS」とだけ書かれていても、それが見える化だけの機器なのか、家電まで制御する機器なのかは分かりません。

洗面脱衣室の壁ぎわに立てた薄型の白い室内設置型の蓄電池ユニット

▲ 当社施工事例:室内に設置した蓄電池


共通の言葉が「ECHONET Lite」です

HEMSが家電や設備を動かすには、メーカーが違う機器どうしで話が通じる必要があります。その共通の約束(通信の規格)がECHONET Lite(エコーネットライト)です。

エコーネットコンソーシアムは、HEMSとつながることを重点的に確保する機器として、次の8つを挙げています。

重点8機器
スマートメーター(Bルート)
太陽光発電
蓄電池
燃料電池
電気自動車の充電器・充放電器
エアコン
照明機器
給湯器

さらに、こうした重点機器については、アプリケーション通信インターフェース仕様(AIF仕様)という、より細かい使い方の決まりがあります。第三者の試験機関で認証を受けた機器は「AIF認証」を取った機器として、エコーネットコンソーシアムのホームページに掲載されます。

「ECHONET Lite対応」と「AIF認証取得」は、同じではありません。
補助金の要件では、どちらを求めているかが書き分けられています。次の章で見ます。

なお、蓄電池をネットにつなぐときのセキュリティの話(JC-STAR)は、蓄電池をネットにつなぐときのJC-STARで整理しています。


国の制度では、HEMSが要件になるのは主に新築です

では、補助金を受けるためにHEMSが必要なのはどんな場合でしょうか。国の主な制度を並べます。

制度 HEMSまわりの要件
環境省のZEH補助(令和8年度・新築) ZEHの種別にかかわらずHEMSの導入が必須。ECHONET Lite規格の認証登録番号をコントローラで取得し、住宅1棟の全エネルギーを計測できるよう設置する
みらいエコ住宅2026事業のGX志向型住宅(新築) 「ECHONET Lite AIF仕様」に対応するコントローラとして、エコーネットコンソーシアムのホームページに掲載されている製品を設置する
給湯省エネ2026事業(エコキュート) HEMSの記載はなし。エコキュート本体がインターネットに接続でき、天気予報に連動して昼間に沸き上げをずらす機能などが要件
国の家庭用蓄電池のDR補助金(令和7年度補正) 2026年5月29日に公募終了・再開の予定なし。要件は「DRに対応可能な蓄電システム」で、HEMSのゲートウェイなどを介したDR対応も可

環境省のZEH補助では、HEMSの導入そのものは補助の対象ではありません。公募要領には「導入のみでは補助対象ではありませんが、高度エネルギーマネジメントを選択した場合は、補助対象です」とあります。要件として付けるもので、付けたからお金が出るものではない、という位置づけです。

給湯省エネ2026事業の性能要件は、給湯省エネ2026で落ちる5つの条件で詳しく書いています。エコキュートの補助のためにHEMSを足す必要は、要件上はありません。一部の機種は、台所リモコンや無線LANアダプターを足すことで要件を満たします。

今ある家に蓄電池を後から付ける場合、国の制度でHEMSが必須になる場面は、いまのところ見当たりません。
国の蓄電池補助金(DR補助金)は5月29日に終わっています。


東北の自治体では、HEMSは「補助の対象」になっています

当社が運営するソラカルテの補助金データ(全国の自治体制度を掲載)で、東北・新潟の制度のうちHEMSに触れているものを探すと、7制度が見つかりました。7制度とも、HEMSは補助の対象機器として扱われていて、蓄電池の補助の必須条件にしているものはありませんでした。

そのうち、2026年10月6日に公式ページで内容を確かめられたものは次のとおりです。

自治体 HEMSの補助 主な要件(公式ページの記載) 受付期間(ページの記載)
宮城県石巻市 設置費用、上限2万円 太陽光と接続、空調・照明の電力を個別に計測・蓄積、外出先からも制御できる 2027年3月12日まで(予算に達し次第終了)
宮城県大河原町 経費の5分の1、上限2万円 ECHONET Liteを標準インターフェイスとして搭載、自動制御機能 2027年1月29日まで(予算に達した場合は終了)
福島県須賀川市 一律1万円 見える化と一元管理。「簡易HEMS」は対象外 2027年3月31日まで(予算額に達し次第終了)
福島県玉川村 5千円(定額) 太陽光と同時に入れる場合のみ 期間の記載なし(予算の範囲内)
福島県浪江町 設置費用の2分の1、最大30万円 町の制度で入れた太陽光の附帯設備、個別計測・可視化、ECHONET Liteによる制御。対象は避難指示が解除された区域 2027年3月16日まで
岩手県盛岡市 1万4,000円 太陽光と連携し同時に設置、ECHONET Lite採用 令和8年度のHEMSは受付終了(2026年9月25日のページ)

ここから分かることが2つあります。

1つ目は、多くの制度で「太陽光と一緒に」が条件になっていることです。蓄電池だけを後から付ける場合、HEMSの補助は受けられないことがあります。

2つ目は、同じ「HEMS」でも、求める機能が自治体ごとに違うことです。須賀川市は「簡易HEMS」を対象外とし、石巻市は外出先からの制御まで求めています。見積書のHEMSが、その自治体の要件を満たす機種かどうかは、型番で確かめるしかありません。

お住まいの市町村の制度は、当社が運営するソラカルテの補助金検索で県別に一覧できます。受付状況や予算の残りは変わるので、申し込む前に必ず市町村の公式ページで確かめてください。


スマートメーターの「Bルート」は、無料で申し込めます

HEMSで家全体の電気の使用量を見るとき、多くの場合、スマートメーターから直接データを受け取ります。この受け取り口が「Bルート」です。

東北電力ネットワークは、こう説明しています。

スマートメーターから一般送配電事業者へ発信するルートをAルート、スマートメーターからお客さま宅内へ情報発信するルートをBルートと定義していることから、Bルートサービスと呼んでいます。

Bルートについて、公式に確かめられたことをまとめます。

  • 申込みと利用は無料。ただしHEMS機器の購入や設置の費用は自己負担
  • 2026年5月から、Web申込みができるようになった(本人確認書類が必要)。書面での申込みもある
  • Web申込みなら、接続に使う認証IDとパスワードはWeb上で通知される
  • 送られるデータは、30分ごとのメーターの指示数や、現時点の指示数・電流値など
  • 履歴データは最大44日前まで。ただし申込みを承諾した日より前の分は送られない
  • 通信は920MHz帯の無線か、電力線を使う方式(PLC)
  • 使えるのは、SMA認証を取ったHEMSなどの機器

誰がBルートを申し込むのかを、契約の前に決めておいてください。
施工店が手続きを手伝うのか、ご自身でWebから申し込むのか(本人確認書類が必要)で、準備するものと、HEMSが使えるようになる日が変わります。

ちなみに、東北電力の「よりそうeねっと」でも、1時間ごとの使用量のグラフを見ることができます。こちらはHEMSが無くても見られます。冬の夜の使用量を確かめる手順は、蓄電池の容量は「夜の1時間ごとのグラフ」で決めたいに書きました。「使用量を見たいだけ」なら、HEMSを足す前に、まずこちらで足りるかを試すのも一つの手です。

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東北の家で気をつけたい、置き場所の話

HEMSは、スマートメーターと無線でつながることが多い機器です。東北電力ネットワークは、置き場所についてこう注意しています。

スマートメーターとHEMSが離れていたり、間に遮蔽物(金属や断熱材等)があるとつながりにくくなります。

スマートメーターは、家の外壁にあります。HEMSの本体は家の中に置くことが多いので、外壁・断熱材・金属の外装材が、あいだに入ります。

断熱材の厚さや外壁の材料は家ごとに違います。つながりやすい場所も、家ごとに違います。

工事の前に、HEMSをどこに置くかを決めてください。
スマートメーターに近く、壁などの遮るものが少ない場所が勧められています。つながらなかったときに、置き場所を変えられるかも聞いておくと安心です。


見積書のHEMSについて、施工店に聞く5つのこと

ここまでの内容を、契約前の質問にまとめます。

No 聞くこと なぜ聞くか
1 このHEMSは、何のために付けるのですか 見える化だけか、家電の制御までするのかで、必要性が変わる
2 補助金の要件ですか。どの制度のどの要件ですか 国のZEH・GX志向型住宅は要件。後付けの蓄電池だけなら、必須でない場合が多い
3 自治体の補助を受けるなら、その要件を満たす機種ですか 「簡易HEMS」は対象外、太陽光と同時のみ、など条件が自治体ごとに違う
4 蓄電池のモニターやアプリで見られることと、何が違いますか 蓄電池側の画面で足りるなら、HEMSが要らないこともある
5 Bルートの申込みと、本体の置き場所は誰がどう決めますか Web申込みの本人確認、無線がつながる場所の確認が必要

HEMSを付けること自体は、悪いことではありません。家の電気の使い方が見えるようになり、エアコンや給湯器と組み合わせれば、自動で無駄を減らすこともできます。

ただ、「何のために付けるのか」が答えられないまま見積書に入っているなら、それは確かめてよい行です。

見積書の中身が妥当かどうかを、ほかの行も含めて確かめたいときは、当社が運営するソラカルテの見積書AI診断で、見積書を送るだけで診断できます。


よくある質問(FAQ)

Q1. HEMSがないと、蓄電池は動きませんか。

A. 蓄電池が動くために、HEMSが必須ということはありません。HEMSは、家全体の電気の見える化や、家電・設備の自動制御のための機器です。ただし、使う補助金の要件になっている場合や、HEMSを通じて蓄電池を制御する組み方の場合は、必要になります。

Q2. Bルートの申込みにお金はかかりますか。

A. 東北電力ネットワークのBルートは、申込みも利用も無料です。HEMS機器の購入や設置の費用は自己負担です。2026年5月から、Webでも申し込めるようになりました。

Q3. 補助金でHEMSが必要になるのは、どんな場合ですか。

A. 国の制度では、環境省のZEH補助(新築)でHEMSの導入が必須、みらいエコ住宅2026事業のGX志向型住宅でECHONET Lite AIF仕様に対応したコントローラが必須です。東北の自治体では、HEMSを補助の対象にしている制度はありますが、蓄電池の補助の必須条件にしている例は見当たりませんでした。


まとめ

  • HEMSは、家の電気の「見える化」と「自動制御」のための機器。何ができるかは機種によって違う
  • 共通の通信規格がECHONET Lite。補助金の要件では「対応」と「AIF認証」が書き分けられている
  • 国の制度では、ZEH(環境省)でHEMSが必須、GX志向型住宅でAIF対応コントローラが必須。どちらも新築
  • 給湯省エネ2026はエコキュート本体のネット接続などが要件で、HEMSは要件にない
  • 東北の自治体では、HEMSは補助の対象機器。多くは太陽光と同時が条件で、求める機能も違う
  • Bルートは無料、2026年5月からWeb申込み。HEMSはスマートメーターに近い、遮るものの少ない場所に置く
  • 見積書にあるなら、「何のために付けるのか」「どの補助金の要件か」を聞く

使い道がはっきりしたHEMSは、長く役に立ちます。付ける前に、一度だけ「何のために」を確かめてください。

※本記事は2026年10月6日時点で東北電力・東北電力ネットワーク・エコーネットコンソーシアム・環境省(ZEH補助事業)・国土交通省(みらいエコ住宅2026事業)・経済産業省(給湯省エネ2026事業)・環境共創イニシアチブ・各自治体が公開している情報にもとづいています。自治体の補助制度は予算に達し次第終了することがあります。

その見積書、本当に妥当ですか?(ソラカルテ)

当社が運営する「ソラカルテ」では、太陽光・蓄電池の見積書をその場で無料AI診断できます。電話番号の登録は不要です。

出典(2026年10月6日確認・すべて公式サイト)

監修・執筆:株式会社ファナス 代表取締役 不藤政次|宮城県・福島県・山形県・岩手県・秋田県・青森県・新潟県の各市町村で太陽光発電・蓄電池・V2H・エコキュートを施工販売。無料相談はこちら

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