「V2Hの型番の数字は出力?」と思ったら|ニチコン・オムロン・デンソー・パナソニックの公式資料で確かめた、型番で分かること・分からないこと【東北・2026年版】

ご主人
AIふどうくん
奥様
AIふどうくん※登場人物はイメージです。
先に結論
- V2Hの型番の数字が出力を表す、という公式の説明は、今回確かめた4社の資料には見当たりませんでした。
- 型番で見分けられるのは、主に重塩害に対応しているかどうかです(オムロン KPEP-A-2S、パナソニック LJVH671C など)。
- 今回確かめた現行機は、どれも電力会社の電線とつないで使う系統連系型で、停電時の最大出力はおおむね6kVA(片相3kVA)クラスでした。ただし、接続のしかた(パナソニックは100V接続だと3.0kVA)や車の条件で出力は変わります。
- 対応車種と停電時の起動方法は、機種と車種の組み合わせで変わります。型番ではなく、メーカーの一覧と取扱説明書で確かめます。
V2H(ビークル・トゥ・ホーム)は、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)の電池と家をつなぎ、車に充電したり、車の電気を家で使ったりする機械です。見積書にも、本体のラベルにも、型番が書かれています。
この記事は、2026年10月24日に、ニチコン・オムロン・デンソー・パナソニックの公式の製品ページ・仕様表・取扱説明書と、長州産業の公式の対応車種一覧を開いて、型番から読めること・読めないことを分けて整理したものです。パワコンの型番は太陽光パワコンの型番の見方に、蓄電池の型番の記号は蓄電池の型番の末尾「S」の記事にまとめています。

▲図解:型番で分かるのは主に重塩害への対応。車種と停電時の動かし方は一覧と取扱説明書で
型番の数字が「出力」とは限りません
パワコンでは、型番の数字が定格出力と対応している例が多くありました。V2Hでは、同じ読み方はできません。
今回確かめた現行機の、停電時の出力を並べると次のとおりです。
| メーカー | 型番 | 停電時の出力(仕様表の表記) |
|---|---|---|
| ニチコン | VSG3-666CN7 | 6 kVA 未満(片相 3 kVA 未満) |
| オムロン | KPEP-A-2(EVユニット KP-DDV-2) | 6kVA(片相3kVA) |
| デンソー | DNEVC-SD6075 | 6.0kVA未満(片相3kVA未満) |
| パナソニック | LJV2671C(パワーステーションと組で使う) | 200V接続で6.0kVA(片相:3.0kVA)、100V接続で3.0kVA |
| ニチコン | ES-PL1(トライブリッド用V2Hスタンド) | 5.9 kVA(片相 2.95 kVA) |
「666」「6075」「2671」と型番の数字はばらばらですが、停電時の最大出力はおおむね6kVAクラスです(パナソニックの100V接続は3.0kVA)。数字から出力を読み取ろうとせず、仕様表の「自立時」「停電時」の欄を見てください。
ひとつ例外のように見えるのが、生産終了となっているニチコンの旧型VCGです。公式の仕様表では、VCG-663CN3/663CN7は停電時3kVA未満(AC101V)、VCG-666CN7は6kVA未満(AC202V)でした。ただし、これも一覧から読める傾向で、「663は3kVA」と規則として説明した公式資料は見つかっていません。
V2Hは「数字=出力」で読まない
- 今回確かめた現行機の停電時の出力は、型番の数字にかかわらず約6kVAクラス
- 出力は、仕様表の「自立時」「停電時」の欄で確かめる
型番で見分けやすいのは「重塩害への対応」です
型番がはっきり分かれているのは、海に近い場所に置けるかどうか、つまり重塩害への対応です。
| メーカー | 一般向けの型番 | 重塩害に対応する型番・方法 |
|---|---|---|
| オムロン | KPEP-A-2(一般タイプ) | KPEP-A-2S(重塩害タイプ) |
| パナソニック | LJV2671C(一般/耐塩仕様) | LJVH671C(耐重塩仕様) |
| ニチコン VSG3 | VSG3-666CN7AS/AB・ES/EB(標準) | VSG3-666CN7HS/HB・FS/FB(重塩害) |
| ニチコン トライブリッド | ES-PL1(重塩害非対応) | ES-PL1J(重塩害対応) |
| デンソー | DNEVC-SD6075(屋外、耐塩仕様) | DNEVC-SD6075S(重塩害対応タイプ) |
オムロンは、公式のシステム構成表に「KPEP-A-2(一般タイプ)」「KPEP-A-2S(重塩害タイプ)」と書いています。一般タイプの設置環境は、仕様表で次のように決められています。
海岸および汽水域から500mを超える屋外設置
パナソニックは、一般/耐塩仕様と耐重塩仕様を組み合わせて接続することはできないとしています。V2Hスタンドだけでなく、組になるパワーステーションの型番もそろえて確かめます。
ただし、末尾の英字の意味はメーカーごとに違います。オムロンは「S」が重塩害タイプ、ニチコンのトライブリッドは「J」が重塩害対応、デンソーは先行工事用の参考資料で「末尾にSがつく型番は、重塩害対応タイプ」と説明しています(DNEVC-SD6075S)。
一方、ニチコンVSG3は、カタログの本体システムの表で、末尾2文字が組み合わせになっています。重塩害はHS/HB(自動切替開閉器あり)とFS/FB(自動切替開閉器なし)で、末尾の「S」「B」はプラグホルダの色(シルバー/ブロンズ)です。同じ「S」でも、デンソーとニチコンでは意味が違います。蓄電池の記事で書いたとおり、1つのメーカーの読み方を、ほかのメーカーに当てはめることはできません。
奥様
AIふどうくん型番では分からない3つのこと
1. うちの車がつながるか
V2Hにつなげる車は、メーカーが公表している対応車種一覧に載っているものに限られます。オムロンは「当社公表の対応車種に限ります」と書いています。
同じ車名でも、年式や型式で扱いが変わることがあります。長州産業の対応車種一覧には、次の注意があります。
※年式、型式が異なる場合は接続できません
車の車検証の型式と、V2Hの型番の両方で一覧を確かめてください。
また、つないだ車によって、車から家に出せる電力が下がることがあります。デンソーの対応車種一覧(SDシリーズ)には、最大放電電力が約2.0kW以下になる車種があります。パナソニックの一覧にも、出力が約5.5kW程度まで下がる車種が書かれています。
2. 停電のとき、どうやって動かすか
停電時の起動方法は、V2Hの機種と車種の組み合わせで変わります。
- ニチコン VSG3:取扱説明書では、「自立運転切替設定」が有効で、コネクタがロックされているときに停電すると、自動で自立運転を始めます。停電から給電開始まで約20〜30秒かかります。ただし取扱説明書では、設定が無効のときに加えて、V2Hの電源が入ってから30分程度たっていないときは自動で始められず、停電時の系統電圧の状態や、30分以内に続けて停電したときも自動で始められない場合があるとしています。自動で始まらなかったときのために、手動で始める手順も取扱説明書で確かめておきます。また、車の電池残量が車両の推奨値や「放電停止充電率」の設定値以下のときは、手動でも自立運転できません。
- パナソニック eneplat:公式資料に「V2Hスタンドの品番によって、停電時の起動方法が異なります」とあります。LJV2671C/LJVH671Cは、対応する車なら充放電コネクタで起動できます。旧品番のLJV1671Bは手順が違います。
- デンソー SDシリーズ:仕様表では、コネクタロック中は操作不要。ただし「車両によっては12Vケーブル接続操作が必要」です。
- オムロン:12Vのシガーケーブルが必要かどうかは、車種によって変わります。
停電は夜や雪の日に起きることもあります。自分の車での起動手順を、取扱説明書で一度確かめておくのが安心です。
3. 寒冷地で使えるか
今回確かめた現行機の使用周囲温度の下限は、どれも−20℃でした(上限はニチコンVSG3・オムロン・デンソー・パナソニックが50℃、ニチコンES-PL1が40℃)。型番に寒冷地向けかどうかを示す記号は見つかりませんでした。設置場所の温度は、仕様表の「使用周囲温度」で確かめます。
東北で、V2Hの型番を見るときの順番
- 見積書と本体ラベルで型番を確かめる(V2H本体、組になるパワコンやパワーステーションの型番も)
- 仕様表で停電時の出力を見る(「自立時」「停電時」の欄。約6kVA、片相3kVAなど)
- 海に近い家は、重塩害に対応した型番か確かめる(仕様表の設置環境の欄)
- メーカーの対応車種一覧に、自分の車の年式・型式があるか、表の注記(必要な装備や車台番号の条件)を満たすか確かめる
- 取扱説明書で、自分の車での停電時の起動方法を確かめる
V2Hが向く家・向かない家はV2Hが向く家の条件に、価格が高くなる理由はV2Hの価格の内訳に、トライブリッドのV2Hスタンドはニチコン トライブリッドESS-T5とT6の違いにまとめています。
よくあるご質問
型番の「6」は6kWのことですか。
今回確かめた4社の公式資料では、型番の数字が出力を表すという説明は見当たりませんでした。停電時の出力は、仕様表の「自立時」「停電時」の欄で確かめてください。今回確かめた現行機の最大出力はおおむね6kVA(片相3kVA)クラスですが、接続のしかたや車の条件で変わります(パナソニックは100V接続で3.0kVA)。
重塩害地域かどうかは、どう確かめますか。
まず、検討している機種の仕様表の「設置環境」の欄を見ます。オムロンの一般タイプは「海岸および汽水域から500mを超える屋外設置」です。条件に当てはまらない場合は、重塩害に対応した型番(オムロン KPEP-A-2S、パナソニック LJVH671C など)を確かめます。
対応車種一覧に自分の車があれば、停電時もそのまま使えますか。
掲載された年式・型式に加えて、必要な装備や車台番号など、一覧の注記の条件を満たす必要があります。たとえばパナソニックの一覧には、V2H機能付きの急速充電インレットのオプションを装備した車に限る車種や、対象の車台番号が決まっている車種があります。条件を満たしていても、停電時の起動方法や、車から出せる電力は車種で変わることがあります。12Vケーブルが要る車もあります。自分の車での手順を、V2Hと車の両方の取扱説明書で確かめてください。
まとめ
- 今回確かめた4社の公式資料では、型番の数字が出力を表すという説明は見当たらなかった。現行機の停電時の最大出力は、型番にかかわらずおおむね6kVA(片相3kVA)クラス(接続のしかたや車の条件で変わる)
- 型番で見分けやすいのは重塩害への対応(オムロン KPEP-A-2S、パナソニック LJVH671C、ニチコン ES-PL1J など)。末尾の英字の意味はメーカーごとに違う
- 対応車種は、メーカーの一覧で年式・型式と、表の注記(必要な装備・車台番号)まで確かめる
- 停電時の起動方法は、機種と車種の組み合わせで変わる。取扱説明書で確かめておく
- 寒冷地向けかどうかは型番では分からない。仕様表の使用周囲温度で確かめる
※本記事は2026年10月24日時点で、各メーカーが公開している製品ページ・仕様表・取扱説明書・対応車種一覧にもとづいています。型番の体系や仕様、対応車種は変わることがあります。最新の情報は各メーカーの公式サイトでご確認ください。長州産業のV2X製品は、仕様表の内容を今回は確かめられなかったため、対応車種一覧の注意書きだけを引用しています。
出典
- ニチコン「V2H(VSG3)」 https://www.nichicon.co.jp/products/v2h/vsg3/
- ニチコン「VSG3 取扱説明書」 https://www.nichicon.co.jp/products/v2h/vsg3/assets/pdf/vsg3_torisetsu.pdf
- ニチコン「総合カタログ」 https://www.nichicon.co.jp/wp-content/uploads/C2_hanyou.pdf
- ニチコン「VSG3 対応車種」 https://www.nichicon.co.jp/products/v2h/vsg3/model/
- ニチコン「VCG 仕様」 https://www.nichicon.co.jp/products/v2h/vcg/about/specs/
- ニチコン「トライブリッド蓄電システム V2Hスタンド 取扱説明書」 https://www.nichicon.co.jp/products/ess/pdf/t5t6_torisetsu_v2h.pdf
- オムロン ソーシアルソリューションズ「マルチV2Xシステム 仕様」 https://socialsolution.omron.com/jp/ja/products_service/energy/product/pm/kpep-a_spec.html
- オムロン ソーシアルソリューションズ「マルチV2Xシステム システム構成」 https://socialsolution.omron.com/jp/ja/products_service/energy/product/pm/kpep-a_syscnf.html
- オムロン ソーシアルソリューションズ「マルチV2Xシステム 対応車種」 https://socialsolution.omron.com/jp/ja/products_service/energy/product/pm/kpep-a/kpep-a_whitelist.html
- デンソー「V2H-充放電器 仕様」 https://am.denso.com/v2h/spec/
- デンソー「V2H-充放電器 対応車種(SDシリーズ)」 https://am.denso.com/v2h/car00/
- デンソーソリューション「V2H-充放電器 DNEVC-SD6075/DNEVC-SD6075S 先行工事用 参考資料」 https://am.denso.com/v2h/wp-content/uploads/sites/206/jizen_koji.pdf
- パナソニック「eneplat」 https://sumai.panasonic.jp/v2h_chikuden/eneplat/
- パナソニック「eneplat 対応車種一覧」 https://sumai.panasonic.jp/v2h_chikuden/eneplat/whitelist/
- パナソニック「停電時のEVの電力でのシステム起動方法」 https://sumai.panasonic.jp/v2h_chikuden/eneplat/whitelist/pdf/power_outage.pdf
- 長州産業「V2X 対応車種一覧」 https://cic-solar.jp/for_users/v2x-list/
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監修・執筆:株式会社ファナス 代表取締役 不藤政次|宮城県・福島県・山形県・岩手県・秋田県・青森県・新潟県の各市町村で太陽光発電・蓄電池・V2H・エコキュートを施工販売。無料相談はこちら
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