施工する側から言うと、蓄電池は「どう手放すか」まで買う前に聞いてほしいんです|家庭用蓄電池は小型充電池の回収に出せません。メーカー回収の窓口、切り離し工事、補助金の処分制限を公式資料で確かめる【東北・2026年版】

奥様
AIふどうくん
ご主人
AIふどうくん※登場人物はイメージです。
先に結論
- 家庭用(定置用)の蓄電池は、小型充電池の回収(JBRC)には出せません。
- 処分は、製造したメーカーへの引き取り依頼が基本で、窓口は販売店・施工店になることが多いです。
- 引き取りの前に、電気の切り離し工事が必要で、費用は利用者の負担(見積り)です。
- 補助金で付けた蓄電池は、決められた期間内に処分・交換するとき、事前の手続きがいります。
施工する側から言うと、蓄電池は「どう手放すか」まで、買う前に聞いてほしいんです。
家庭用蓄電池は、10年、15年と使う機械です。いずれ交換するときも、家を建て替えるときも、相続した家を片づけるときも、取り外して処分する日が来ます。そのときに「どこに頼めばいいのか分からない」という声は珍しくありません。
この記事は、JBRC・電池工業会・環境省・各メーカーが公開している資料に書かれていることだけで、家庭用蓄電池を処分・交換するときの流れを整理したものです。どの自治体で、いくらかかるかまでは、公式資料からは決められません。そこは「確かめ先」として書きます。

▲図解:処分は「販売店・施工店に相談→切り離し工事→メーカーが引き取り」。補助金で付けたものは先に手続きを確かめる
家庭用蓄電池は、小型充電池の回収には出せません
家電量販店などにある充電池の回収箱は、一般社団法人JBRCの仕組みです。JBRCの回収対象の説明では、回収対象外の電池として、自動車用電池・ポータブル電源(AC100V出力付)などと並んで、「定置用蓄電装置」がはっきり挙げられています。
電池工業会の「電池の捨て方ナビ」でも、家庭用の充電式電池のうち「家庭用蓄電システム」を選ぶと、「販売者、または機器メーカにご相談ください」と案内されます。
出典:JBRC「回収対象電池について」、電池工業会「電池の捨て方ナビ」
つまり、家の外壁に付いている家庭用蓄電池は、小さな充電池と同じ方法では処分できません。
メーカーが引き取るのが基本。窓口はメーカーごとに違います
各メーカーの公式の案内を並べました。費用の実額は、どのメーカーも型番や住所で見積りになるため、この記事には書きません。
| メーカー | 公式の案内 | 申し込む人 | 事前に必要なこと |
|---|---|---|---|
| ニチコン | 廃棄受付サイトあり(一部の京セラ製もこのサイトで受付) | 利用者本人、または販売店 | 販売店・施工店による電気の切り離し工事 |
| パナソニック(三洋製を含む) | 電話の受付窓口あり。費用は見積書で提示 | 利用者本人、または工事の元請業者 | 電源コード・配線・アンカーボルトを外す(費用は別) |
| NEC | 家庭用蓄電システムの廃棄の案内あり | 販売店などの法人経由(本人からは直接受けない) | ― |
| 京セラ(上記以外) | 破棄は購入した販売会社に相談 | 販売会社 | ― |
| シャープ | カタログに、廃棄は販売・施工業者か製造元へ相談、と注意書き | 販売・施工業者 | 専門技術がいるため、業者と事前に契約することを推奨 |
出典:ニチコン「家庭用蓄電システム 廃棄受付サイト」、パナソニック「使用済み製品の回収・リサイクル」、NEC「家庭用蓄電システムの廃棄について」、京セラ「ご使用条件」、シャープ「住宅用太陽光発電システム カタログ(2022年)」(2026年10月23日確認)
ニチコンの廃棄受付サイトには、こう書かれています。
蓄電システムはリチウムイオン電池を使用しているので、通常の廃棄物とはことなり、自治体などでの廃棄(処理)が出来ません。
出典:ニチコン「当社製 蓄電システムの廃棄処分をご要望のお客様へ」
ここで大事なのは、メーカーの引き取りの前に、家との電気のつながりを切る工事がいることです。蓄電池は分電盤や太陽光とつながっています。ご自身で外そうとせず、付けた販売店・施工店に相談してください。
注意したいこと
- 廃棄の扱いは、誰が出すかで変わるとメーカーは説明しています(ニチコン・パナソニック)。
- 本人が出す場合と、販売店・施工店が出す場合で手続きが違うので、申し込む前に窓口で確かめます。
ご主人
AIふどうくんメーカーが「広域認定」を持っているか
環境省は、メーカーが自社の製品を広い範囲で回収・処理できる「広域認定」の一覧を公開しています。家庭用蓄電システムについて、次のメーカーが一覧に載っています(産業廃棄物・一般廃棄物の両方)。
- ニチコン・京セラ(共同)
- 京セラ
- シャープ
- ダイヤゼブラ電機
- オムロン
- パナソニック エレクトリックワークス・パナソニック エナジー
出典:環境省「広域認定制度 認定状況」(産業廃棄物:令和8年10月15日現在/一般廃棄物:令和8年7月27日現在)
今回確かめた範囲では、オムロン・ダイヤゼブラ電機は広域認定を持っていますが、個人向けの廃棄の申し込み手順は公式サイトで見つかりませんでした。こうしたメーカーの蓄電池は、付けた販売店・施工店に相談するのが近道です。
自治体のごみに出せるか。東北の市町村の例
国の方針はどうでしょうか。環境省は、市町村に対して、家庭から出るすべてのリチウム蓄電池について処理の体制をつくるよう求めています。ただし、その資料に、外壁に付ける家庭用(定置用)蓄電池についての記述は見当たりませんでした。
東北の市町村のごみの分け方を見ると、家庭用(据置型)蓄電池の項目をはっきり書いているところは、今回確かめた範囲(仙台・秋田・福島・郡山・いわき・八戸)では見つかりませんでした。近い例として、ポータブル電源について、次のような案内があります。
| 市 | 案内 |
|---|---|
| 秋田市 | ポータブル電源(蓄電池)は収集しない。メーカーへ連絡 |
| 郡山市 | 回収できないものに「ポータブル電源」 |
出典:秋田市「ごみの分け方・出し方 は行」、郡山市のごみの分け方の公式ページ(2026年10月23日確認)
家庭用蓄電池は、ポータブル電源よりずっと大きく、家の電気とつながっています。ごみに出す前提ではなく、メーカー・販売店・施工店に相談するのが、公式資料から言える順番です。お住まいの市町村の扱いは、念のため窓口で確かめてください。
補助金で付けた蓄電池は、勝手に処分しない
国や自治体の補助金で付けた蓄電池には、「処分制限」があります。決められた期間の中で処分(廃棄・交換を含む)するときは、事前の手続きがいります。
- 国のDR家庭用蓄電池事業(環境共創イニシアチブ・令和7年度補正)の公募要領では、処分制限期間の中で処分するときは事前の承認が必要で、補助金の返還が発生する場合があるとされています。期間は「法定耐用年数」とされています
- 自治体の例:宮城県富谷市の申請の手引きでは、耐用年数(定置用蓄電池は6年)の間に設備を処分する場合、事前に財産処分届(様式第5号)を出すとされています
出典:環境共創イニシアチブ「令和7年度補正 DR家庭用蓄電池事業 公募要領」、富谷市「令和8年度 太陽光発電等設置支援補助金 申請の手引き」
ご自宅の蓄電池が補助金で付いたものなら、交換や撤去を決める前に、交付決定の通知や申請の控えを探して、補助金の窓口に確かめてください。
交換・撤去を決めたら、この順番で進めます
- 製造元と型番を確かめる(本体のラベル、保証書)
- 補助金を使ったかを確かめる(使っていれば、処分の手続きを先に窓口へ)
- 付けた販売店・施工店に相談する(いなければ、近くの施工店に)
- 電気の切り離し工事をしてもらう
- メーカーに引き取りを申し込む(本人か、販売店・施工店から)。費用は見積りで確かめる
- 新しい蓄電池に交換するなら、太陽光のパワコンや系統連系の手続きも一緒に確かめる
蓄電池を新しくするときの手続きは、太陽光に蓄電池を後付けするときのFIT変更手続きに、蓄電池の寿命と保証の考え方は、蓄電池は何年もつ?にまとめています。
買う前に、販売店に聞いておくこと
- その蓄電池のメーカーは、廃棄の受付をしているか。
- 処分するとき、切り離し工事は誰に頼めばいいか。
- 補助金を使う場合、処分制限の期間はどれくらいか。
東北で、ここを先に考えておく
東北では、雪の重みや凍結で家の改修や建て替えが必要になることがあり、相続した実家に蓄電池が付いていることもあります。そのときに慌てないよう、蓄電池の保証書と工事の書類を、太陽光の書類と一緒に保管しておいてください。製造元と型番が分かれば、処分の窓口はすぐに見つかります。
見積書の内容が妥当かは、当社が運営するソラカルテの見積書AI診断で、太陽光・蓄電池の見積書をその場で確かめられます。処分や交換のご相談は、当社にお寄せください。
よくあるご質問
家庭用蓄電池は、家電量販店の電池回収箱に入れられますか。
入れられません。回収箱を運営するJBRCは、「定置用蓄電装置」を回収の対象外にしています。電池工業会も、家庭用蓄電システムは販売者か機器メーカーに相談するよう案内しています。
処分にはいくらかかりますか。
ニチコンは住所と型番で金額が出る仕組み、パナソニックは見積書で費用を示す仕組みで、どちらも利用者の負担です。電気の切り離しや配線を外す工事の費用は、別にかかります。金額は型番や設置の状況で変わるので、見積りで確かめてください。
付けた会社がもうありません。どこに頼めばいいですか。
ニチコンとパナソニックは、利用者本人からの申し込みを受け付けています。電気の切り離し工事は、近くの施工店に頼んでください。NECのように販売店などの法人経由でしか受けないメーカーもあるので、まずメーカーの案内を確かめます。
まとめ
- 家庭用(定置用)蓄電池は、JBRCの小型充電池の回収には出せない(定置用蓄電装置は対象外)
- 電池工業会も、家庭用蓄電システムは販売者か機器メーカーに相談するよう案内している
- 処分はメーカーへの引き取り依頼が基本。ニチコン・パナソニックは本人からも受け付け、NECは法人経由、京セラ(一部を除く)・シャープは販売会社・業者が窓口
- 引き取りの前に電気の切り離し工事がいる。費用は利用者の負担(見積り)
- 環境省の広域認定の一覧に、ニチコン・京セラ・シャープ・ダイヤゼブラ電機・オムロン・パナソニックが載っている
- 自治体のごみの扱いは、東北の市町村で家庭用蓄電池を明記した例は見つからなかった。ごみに出す前提にせず、メーカー・販売店に相談
- 補助金で付けた蓄電池は、処分制限期間の中で処分・交換するとき事前の手続きがいる
※本記事は2026年10月23日時点で、各機関・メーカーが公開している資料にもとづいています。受付の方法や費用の扱いは変わることがあります。処分の前に、必ず各メーカー・販売店・お住まいの市町村の最新の案内を確認してください。
出典
- 一般社団法人JBRC「回収対象電池について」 https://www.jbrc.com/recovery_base/disposal_method/
- 一般社団法人 電池工業会「電池の捨て方ナビ」 https://www.baj.or.jp/reuse_and_recycle/recycle/disposal.html
- 環境省「広域認定制度 認定状況(産業廃棄物)」 https://www.env.go.jp/recycle/waste/kouiki/jokyo_1.html
- 環境省「広域認定制度 認定状況(一般廃棄物)」 https://www.env.go.jp/recycle/waste/kouiki/jokyo_2.html
- ニチコン「当社製 蓄電システムの廃棄処分をご要望のお客様へ」 https://www.nichicon.co.jp/products/ess/disposal/public/
- パナソニック「使用済み製品の回収・リサイクル」 https://www.panasonic.co.jp/ew/sustainability/environment/recycling/
- NEC「家庭用蓄電システムの廃棄について」 https://jpn.nec.com/ess-support-centre/chikuden-support/katei-haiki/
- 京セラ「ご使用条件」 https://www.kyocera.co.jp/solar/support/condition/
- シャープ「住宅用太陽光発電システム 総合カタログ(2022年)」(PDF) https://jp.sharp/catalog/pdf/energy/sunvista-2022-4.pdf
- 秋田市「ごみの分け方・出し方 は行」 https://www.city.akita.lg.jp/kurashi/recycle/1006071/1010211/1006247.html
- 郡山市 ごみの分け方(回収できないもの) https://www.city.koriyama.lg.jp/soshiki/55/1099.html
- 環境共創イニシアチブ「令和7年度補正 DR家庭用蓄電池事業 公募要領」(PDF) https://dr-battery.sii.or.jp/r7h/assets/doc/aggregator/R7r_dr_ess_kateiyoukouboyouryou.pdf
- 富谷市「令和8年度富谷市太陽光発電等設置支援補助金 申請の手引き」(PDF) https://www.tomiya-city.miyagi.jp/uploads/pdf/de6c362dca56f7b0994c49f19f90958791e5b6e0.pdf
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監修・執筆:株式会社ファナス 代表取締役 不藤政次|宮城県・福島県・山形県・岩手県・秋田県・青森県・新潟県の各市町村で太陽光発電・蓄電池・V2H・エコキュートを施工販売。無料相談はこちら
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